2025年6月7日土曜日

ゴーファーの野望 episodeⅡ(2)

 ある日、どこかで・・・


ガウディ 「(1)よりの続きです。」






デヴィット「誰だよ?」

ガウディ「申し遅れました、今回の貴方の旅のお供を致します、量子コンピューターの「ガウディ(注1)」と申します。AI機能搭載で、この「ヴィクセン」の運行全般、退屈な際の話し相手から写真の加工、「ネオ・コウベ・シティ」のギブスンの娘「カトリーヌ」の3サイズまで、何でもお答えします。」

デヴィット「最後の「カトリーヌ」のくだりが意味分からんのだが・・・。」

ガウディ「「スナッチャー」をプレイしてみればよく解ります。」

ガウディ「おっと、閑話休題です。」


デヴィット「特異点か・・・。何も起きんな・・・。」

ガウディ「こちらは所謂「出口」です。変動重力源は他にあるかと・・・。」


ガウディ「「カイパーベルト」です。「短周期彗星の起源」と云われるだけあって、凄い数ですね。」

デヴィット「どわわ~!」

ガウディ「それにしても空間の歪みがひどいですね・・・。こ、これは!」

デヴィット「「ブラックホール」だ!!引っ張られる!!」

ガウディ「気を付けて下さい。飲み込まれたら例の「特異点」からやり直しですよ。」



デヴィット「ふーっ、どうにか切抜けたか・・・?」


デヴィット「一つだけダミー(星を吸い込んでいない)のブラックホールがあって、武装も貰ったしな!」

ガウディ「今回は、前作と違って分かりやすいですね。おやっ!」

デヴィット「どうした?」



ガウディ「奴らの動きが変です!通常空間から消えて行きいます!」


ガウディ「正確には時間移動しています!!」

デヴィット「ンなアホな!」

ガウディ「移動先を予想します・・・出ました。「グラディウス歴」6644年1月!狙いは、当時3歳のジェイムス・バートン(後のラーズ18世)の誘拐・および殺害です!」(注2)

デヴィット「所謂、「親殺しのパラドックス」(注3)って、ヤツだな。馬鹿な・・・結局これは、「時間遡行は不可能である。」と、同義なのに・・・。相対性理論(注4)を知らないのか?」

デヴィット「うん?どわわわわわわわわっ!」

ガウディ「大変です!奴らを阻止せねば!我々も後を追いましょう!」

デヴィット「あのー、ガウディさん、さっきの俺の話、聞いてなかった?」「それにこの機体に、そんな機能は搭載されてなかったかと・・・。」

ガウディ「途中にあったブラックホールを使用します。あとは、私が「根性」で、どうにかしますよ!

デヴィット「そんな・・・根性って、映画の「ある○どこかで」(注5)じゃ無いんだから・・・。「ブラックホール使って」とか、もっともらしく聞こえるけど・・・入ったら死ぬから!確実に!!

ガウディ「計算完了!時間がありません!行きます!」

デヴィット「あーれぇぇぇぇ・・・・・・。」




ガウディ「着きました。ただ・・・超空間で過去の敵からの干渉があり、到着が半年ほど後になっちゃいました。」
デヴィット「はあはあ・・・嘘つけ!コレって絶対、別の「世界線」(注6)だろう!!
ガウディ「敵に半年の猶予を与えてしまったんで、我々への歓迎の準備はバッチリみたいですね。ふふっ・・・腕が鳴ります!」
デヴィット「お前、何か楽しんでないか?」




デヴィット「何か、「マップ」って出たけど・・・これは何だ?」
ガウディ「3つ集めるとジェイムスの幽閉先が解るとか・・・じゃあないんですかねえ?」



ガウディ「ホントに分かっちゃいました。光の3原色に対応した座標のマップで、3つ揃わないと駄目だったようですね。」
デヴィット「・・・小学生向けの学習雑誌の付録みたいな地図だな・・・ま、まあいい、これでこんな時代とはおさらばだ、とっとと救出して、元の「世界線」に帰るぞ!」(注7)
ガウディ「いや、バクテリアンはどうするんです?」
デヴィット「ふっ、ヤツらを出し抜いて、先に帰って「特異点を」塞いじまうのさ!」


デヴィット「仮死状態だったけど、ヒイじいちゃんも大丈夫みたいだな。」


デヴィット「よっしゃ!」「無事帰宅っと!」
デヴィット「・・・あ、いえ、お土産とかホントイイですから・・・。」
デヴィット「もう、ホント気にしないで下さい。」

ガウディ「何やってんですか!!」

デヴィット「いやあ、ご家族の方にエラく喜ばれて、「飯食って行け」だの「泊まって帰れ」だの・・・挙げ句の果ては「土産だ!」とか・・・。」
デヴィット「よっしゃ!帰ろう!」
ガウディ「もう、緊張感無いんだから・・・行きますよ、タイム・ワープ!!」
・・・
・・
ちゅどーん!!

デヴィット「なっ、何だ!?」
ガウディ「何処からか攻撃を受けています!」
デヴィット「ニュートン力学の通用しない空間だぞ!レーダーも使わずにどうやって!?」


ヴェノム「ハハハ、わたしヲむしスルトハナ!しネ!!」
デヴィット「あ、コイツ歴史の教科書で見たことあるぞ。確か「ベンジョ」ってヤツじゃないか?」
ヴェノム「ヴェノムダーッ!!」
デヴィット「うわーっ!!」


デヴィット「おい・・・。」
ガウディ「はい?」
デヴィッド「大体、お前が釣られて、出来もしないのに「時間遡行」なんかするから・・・。」

ガウディ「申し訳ありません。ついカッとなって・・・。まあ、どうにか帰って来られたんで良かったじゃないですか。」
ガウディ「あのぅ・・・時間も長くなりましたので、総括をお願いします。」

デヴィット「お前、絶対、俺の事バカにしてるだろ?」

デヴィット「まぁいい・・・以前、「沙羅曼蛇」の時に「難しすぎる」と、叩かれたからか、今回の難易度はそう高くないと思うぞ。」

デヴィット「ただ、今回はオリジナル要素が強すぎて、今一つ「ゴーファーの野望」をプレイしている感じがしなかったなあ・・・。

デヴィット「「沙羅曼蛇」でも、100%は無理だが、どこまで再現出来て、どこまで理解してもらえるかチャレンジしてみようという気が、ビリビリ感じられた様な気するんだがなぁ・・・。

デヴィット「ファミコン版「グラⅡ」がアレンジを加えた良移植だっただけに、「MSX版がどう来るのか?」って期待があったけど、別のシューティングのラストに「ゴーファー」を入れたような感じになってしまい、ちと残念。」

デヴィット「まっ、結局、面白い事に違いはないけどね。

ガウディ「妙に詳しいですねぇ・・・まあ、次回こそ、無事「帰還」して「エンディング」を見せて下さいね!」

デヴィット「うっ、ろ、ロックでもやりながら考えるよ。」


・・・
・・
その頃


ゴーファーさん「今日も、誰も来なかった・・・。」(注8

注)この物語はフィクションであり、よく似た名前の人々が登場しますが、㈱コナミ様制作の「グラディウス」シリーズとは、一切関係ありません。



(注1):「スナッチャー」に登場する人工知能コンピュータも同じ名前である。

心なしか画面も似ている。

(注2):ゲーム中の表記は「殺害」だが、実際には「誘拐」されている。

(注3):タイムトラベルにまつわる有名なパラドックスで、平たく言えば「時間を遡って自分が生まれる前の親を殺す事は、自分自身が生まれてこなくなるため出来ない。」イコール、「時間遡行は不可能。」という論理的パラドックスである。

(注4):理論上、過去へは遡行出来ないが、未来へは可能である。この理論を上手く使った作品では、「猿の惑○」「トップ○ねらえ!」等が有名。

(注5):○ーパーマンの○リストファー・リーヴ主演の傑作ファンタジー。ホテルの肖像画の美女に恋した青年が、強い思いで時間遡行してしまうお話。

(注6):物理的では無いが、ノベル系のゲームの選択肢のような概念。タイムパラドックスの回避に良く使われる。物事を「事象」として捉え、この場合だと過去へと遡行した時点で「過去へ行った世界」・「元の世界」が、パラレルワールド的に発生している。「○ラえもん」の「○しもボックス」が概念としては凄く近い。

(注7):ゲームではそういう事は出来ません。がっつりとラスボスを倒してからジェイムス救出となります。

(注8):昔「ベーマガ」か何かの読者投稿欄に描かれていたマンガのネタです。当時凄く面白かったので、ここに再現させて頂きました。

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