2025年5月31日土曜日

PC-98エミュレータ np21w

 いつの間にか「ポリスノーツ」がっ!



「国民機」と言われ、私も一時期使用していた「PC-98」。
振り返って見れば、僕が子供の頃から存在していたんですよね。
まさに日本のPCの進化の歴史を体現しているかの如きマシンであります。
歴史の長さに比例して、発売されているゲームも甚だ多く、黎明期のものからWindows95発売後のものまで、凄まじい資産を有する機械です。

そんなマシンですから、エミュレータも甚だ多く、また、実用的なものも遙か前から存在しておりました。

しかし、その歴史の長さのため、同じ「98」でありながらも、32ビットのCPUを持つものや、Windowsに対応しているもの。CPU自体がPentiumなもの。グラフイックアクセラレータを搭載したもの。PCM音源やCD-Romを搭載したものなど、生産されたバリエーションの多さ、それぞれの機能を使ったゲームの多さは目を見張るものがあったが、逆にエミュレーターに於いて再現が困難なものも多かった。

その中の一つが、あの「小島カントク」のADVの傑作「ポリスノーツ」である。
動作については割と早めに動いていたのだが、いかんせん実機と違う部分がどうしても目に付いていた。

各キャラの口の動きである。

下手な作りのADVであったら気にならない部分であるが、他ならぬカントクの作品である。情感たっぷりに演じられている声優さんの演技に対してピクリとも動かない口は、違和感ありまくり。オマケに画面外のキャラ達の顔芸も一部表示されていない様子。

一部のエミュレーター「SL-9821」などでは動作するのだが、CDを出し入れしないと場面が進まなかったり、戦闘中に画面が崩れたり、そもそもフォーマットも独自のものだったりで、万人にお勧めという訳にはいかなかった。

と・こ・ろ・が・で、あります。


私が普段使いでお世話になっているPC-98/21シリーズのエミュレーター、np21w(NekoProject21/W)のサイトを見て、ドキっとしました。
今年の、4月の更新の記事にこんな内容が・・・。


ぽっ、ポリスノーツがちゃんと動くだと!?

さ、早速試さねば!!
アップデートして、起動。


CD・FDをイメージ化してマウント。そしてリセット!!


・・・やっぱ上手く動かんのですケド・・・。
おかしいなぁ・・・とネットの記事を漁っていると、NEC純正の「AVSDRV.SYS」が必要とのこと。
ん?俺のは・・・?


あ、( ^ ^; > 違う!!
そう言えば、98でWindows3.1を動かそうとした際、どうしても「Cバス」が足んなくなって86互換音源とSCSIがセットになった、「ウエーブ・マスター」買ったんだった・・・。

起動のユーザーディスクにNEC純正の「AVSDRV.SYS」を書き戻すと!

おおおおおおおおおおおっ!
口が動いてる!顔も出てきた!!音もイイ!!!


いやー、たゆまぬ改善を続けられておられる作者の方には本当に頭が下がります。
ありがとうございます。

作者の方曰く、初期から後期まで全ての98のゲームを動かしたいそうで。
今後も、陰ながら応援してまいります。

※都合上、「エミュレータ」に関する質問には一切お答えしておりません。
※また、メーカー純正ソフトではないので、導入は自己責任でお願いします。 

2025年5月23日金曜日

SDスナッチャー(3)

 真実の「スナッチャー」



(2)からの続きです。

時に1988年11月、ひとつのアドベンチャー・ゲームが、産声を上げた。
通常の制作期間を大幅にオーバー。
前半部分のみで発売。あの「メタルギア」を制作した「監督」さんの作品だという。

ゲームの名前は「スナッチャー」。

現在に至るも多くのファンを世界に持つ同監督による「ポリスノーツ」と、肩を並べるパソコンAVGの傑作の登場である。



だが、余りに多く費やされた時間は、続編の制作を皮肉にも鈍らせることとなる。
これは、後にCD-Romメディアの登場によって無事「補完」されるのだが、私も含め多くのファンが「結末」を知らないまま、路頭に迷う事になる。


音沙汰の無いまま約一年の時が流れた。

そして、唐突にリリースの話が雑誌を賑わせ始めたのが、今回の「SDスナッチャー」である。
当時、SDというのは、コミカルで、余りに「スナッチャー」の世界観と合わないというか、ツウな人しか楽しめない「楽屋オチ」的なゲームを想像していた。

まあ、実際にハードも持っていないのでプレイも不可能だったのだが・・・。

懐かしいBGMの「ジョイ・ディビジョン」。


更にAVGからRPGへというフォーマットの変更。以前プレイした内容をもう一度RPGで?と、訝しんでいたが、まさかのストーリーの方をRPGに合わせるという、ある意味大冒険的なアイディア!
それでいて、スナッチャーとの乾いたチェイスは雰囲気を壊すこと無く再現されている。
ここいらへんはMSX2やFCにて多くのアクションRPGをリリースしてきたコナミの真骨頂という感じである。

アンテナを破壊すれば、仲間を呼べません。
ACCを下げれば攻撃が当たらなくなります。

また、RPGの華といえば戦闘である。原本の「スナッチャー」同様、スナッチャー本体と対峙するには多くの時間を要する(レベルも)のだが、やはり最初は「インセクター」「クリーチャー」など彼らが使役する機械を相手にすることとなります。
戦闘システムも秀逸で、ブラスター等で狙った部位を破壊していくこととなるのですが、破壊する部位によって相手に与える効果が違います。
カメラ的な部位を破壊すれば命中率が下がったり、仲間を呼ぶ敵には、アンテナっぽい部位の破壊が効果的です。

ただ、気を付けねばならないのは、余りに多くの部位を破壊していると敵は最終手段で自爆してしまいます。
こうなってしまうと、経験値は入りません(お金は入る)。

虫の羽をむしって遊ぶが如き行為はやめておきましょう。

いくら部位の破壊が出来るといっても、何も
残らないくらい丸裸にしてしまうと
敵も最終手段「自爆」に訴えます。

基本的にはカメラ類を破壊すれば、敵の攻撃は当たらなくなります。「ACC」の低下のみにしぼって攻撃してゆくのがベターでしょう。


こうしてみれば、いかにも楽しいRPGの様に思えるかもですが、少し練り込み不足な感もあります。
戦闘にかかる時間の長さに対して、エンカウント数が多すぎるのです。

せっかくシンボルエンカウントにしているのだから、敵を自由に回避出来るようにデザインするくらいでも良かったのではないでしょうか?


マップが狭い迷路状であるため、殆ど全ての敵を排除しなければならないばかりか、道に迷って思わず元来た道を引き返すと全ての敵が復活しています。お陰でレベルは良く上がりましたし、カンストした辺りで丁度ラスボスと対峙するので、決してバランスは悪くないのでしょうけど・・・。

僕は、ちょっと辟易でした。



※ここから先、スナッチャー及び、SDスナッチャーのストーリーの核心に触れる内容となります。
未クリアの方はご注意下さい。

肝心のストーリーに関しては見事の一言です。


RPGという都合上、途中のストーリーは大きく変っていますがこちらは、それが見事に当たっています。
特に「ヤハウェの教会」でのトラップとジャンカー証の喪失。
ダークゾーンのクリーチャー。
遊園地エリアの鏡の迷路などプレイヤーを飽きさせません。



自己保身。そしてジェミーへの恋慕だけで、世界の半分
を死に追いやった男。だが、彼女の心はスナッチ出来なかった。

自身の腕の傷を見て仰天するランダム!
彼のアイデンティティは保たれるのか?


「人をスナッチするつもりが、自分の魂を悪魔にスナッチされていたのかも知れない・・・。」というエリア・マッドナーの台詞が物語るように、今作ではエリアの立ち位置が少々・・・いや、かなり変っています。


CD-Romの新解釈版では、エリアは歳をとってもジェミーと自分の地位にすがる、見苦しい爺さんくらいの感じです。
ところが、こちらは、いつの間にかスナッチャー達に逆に利用されていた自分。そして、やがて訪れる自分の死をもってランダムを肯定するという悲哀すら感じるキャラとして描かれています。


ADVの方では、この後、エリアに捕らわれていたランダムが息を吹き返し、エリアを押さえ込みギリアン達をキラー衛星からのレーザー攻撃から逃がすというくだりになり、エンディングを迎えるのですが、このSDスナッチャーはこれだけでは終わりません。

エリア亡き後、彼の助言により、真のラスボスとの対決となります!
彼曰く、ラスボスは「ルシファーα」を更に強化した細菌兵器「ルシファーβ」を装備し、人類全体のスナッチを企んでいるとのこと。


最後のジャンカーとなったギリアンはジェミーを救出し、ラスボスを倒し、この恐怖と狂気、そして疑念の連鎖を止められるのか。
傷ついたランダムは、施設の破壊を遂行出来るのか!

彼らの未来への鍵は、プレイヤーであるあなたが握ってる!!

こちらのゲームですが未だEGG等のラインナップには姿を現しません。
希少な、けれどプレイする価値は大いにあるゲームです。

コナミさん、復刻を是非、検討してみて下さい!

2025年5月16日金曜日

SDスナッチャー(2)

カワイイ姿に惑わされるな!!


(1)からの続きです。

ゲームを開始すると、件の「バイオハザード」、そして「ギリアン」の出自について軽く説明が入り、カッコ良く滑空するトライサイクルの勇姿が。

MSXのゲームを作り続けていたコナミだけあって、いちいち配色が美しいですね。




トライサイクルは「ジャンカー」ビルの前に滑り込むと、ギリアンを下ろして行きます。

ビルの中に入って行くと、お馴染みの面々(プラスアルファ)が。

ジャンカーの受付兼オペレーターの「ミカ」

局長の「ベンソン・カニンガム」と、メカニックの
「ハリー・ベンソン」。

ギリアンと同じくシベリアでコールドスリープ中
に発見された女性、「ジェミー」。指輪から2人は
「夫婦」とされたが、記憶の無いもの同士上手く行かず、
現在は別居中。今回はコウベ薬研より本部へ出向
している。隣は「禁断の惑○」に出そうなロボット、
「ろびー」。

ナビゲーターの手乗りらぬ、肩乗り「プチメタル」と、
元ネタがよくわからない、「ジェフリー・トネガワ」君。

今日まで、このシティを守って来た凄腕
ランナー「ジャン・ジャック・ギブスン」
遂に彼とバディを組む日が来るとは・・・。

一通り皆に挨拶を済ませて、再度局長室に戻ると机の前に一人の男が。

話しかけてみると、おおっ!これはぁっ!!「ジャン・ジャック・ギブスン」さんじゃあないですか!

原作「スナッチャー」をプレイした人なら分るでしょう、生きている彼と「バディ」が組めるのです!

彼は続けざまにこう言います。「これで、ラクが出来る。」・・・と。

あのー、それって「死亡フラグ」って、ヤツですよねー。

まあ、言っちゃった言葉は元に戻せません。二人仲良くトライサイクルに乗り込みスナッチャーの目撃情報があった「17桟橋へ」出発です!

突入前に建物の外観を良く確認しておきましょう。

現着すると、いきなりギブスンから「2手に分かれて、それぞれ倉庫を調査しよう。」という旨の提案が。

うーん「ゾンビ映画」でもそうですが、こういう時の鉄則、
その1「一人にならない」

また、相棒に変なフラグが立った様な気がしましたが、先輩の言われる事です。素直に従い、それぞれ倉庫の中へ。


中は、やはりというか何というか・・・。
「インセクター」と「クリーチャー」の巣窟。
戦闘に次ぐ戦闘です。
何度か死にそうになりながら、たどり着いた倉庫の最奥には・・・。


爆弾が!!
ギブスンの「あの男」というセリフも気になりますが、死んだらリベンジはありません。取り敢えず脱出しましょう。


爆弾の残り秒数は僅か!
・・・ところが、階段の方からは敵がワラワラ!
力づくでの突破は無理です!
倉庫に入る前に見た「あのこと」を思い出してみましょう。

ボリュームいじってないのに本家と同様「爆音」が。
夜中は注意!

命からがら脱出に成功。
「ギブスン捜査官」の消息が気になりますが、取敢えず「公衆電話」で、「トライサイクル」を呼んで、ドラッグ等を補充した方が良いでしょう。

こういう時の鉄則、
その2「無理はしない」

そうでないと・・・。

スクラップの様な「何か」の周囲を敵がクルクル。
まさに「饗宴」!

文字通り、ギブスンの足跡をたどりながら向かった先には・・・。
クリーチャー達の饗宴が・・・。(汗)

今思えばLVも2って・・・。

・・・案の定「ボスキャラ戦」でした。
次々襲って来る敵の猛攻に、薬品の補充をすっ飛ばしていた私は・・・。


「なっ、何じゃこりゃ~っ!!」(松田優作のマネ)
・・・本家「スナッチャー」でもそうでしたが・・・。
ついでに、セーブするのを忘れてました。

「なっ、何じゃこりゃ~っ!!」(松田優作のマネ)


最初からやり直して、ようやく以前の場所へ。

どうにか敵を倒し、「饗宴」の輪の中心にあった、スクラップを確認する。
やはり、ジャンの「ナビゲーター」リトル・ジョン!!

ジャンの安否が気遣われる中、マップは倉庫を抜け「工場跡」(!)へ。
更に、あちらこちらにジャンのものとおぼしき、おびただしい血痕が・・・。
急いで加勢したいとこですが、入り口には鍵が!

紆余曲折あり、中に入れたんですが、工場跡内もなかなかの迷路。



ただ、知らないうちにギリアン自身もLV9!
少々の事では死なない体に成長しております
そうしていると、壁の向こうから敵が!



どうにかこうにかボスを撃退。
・・・が。


・・・やはり、ギブスンは帰らぬ人に。
それにしても、プチメタル。意外と辛辣で、ちょっとビックリ・・・。
でも、結局「スナッチャー」と思しき男にも逃げられました。


悲しみに包まれるジャンカー本部。

だが、新米ランナーに休息はない。
ギブスンの一人娘「カトリーヌ」に連絡が通じないとの事。
聞けば、すぐ近所のマンションに住んでいるらしい。
「そんなの、セーブ前の朝飯前だぜ!」と、カトリーヌが待つ3件隣のマンションへ。


・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
何じゃこりゃ~っ!!(松田優作のマネ)

こういう時の鉄則、
その3「いかなるときも、セーブはマメに」


・・・さて、ちょっと長くなりすぎましたね。
このゲームを最後までレビューするのは大変・・・もとい、野暮というもの。
次回は、総評といきましょう。

では、また、次回をお楽しみに。