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2026年1月11日日曜日

(年跨ぎ企画!)不思議の海のナディア(X68000版)(5・完結)

 アニメとゲームのビミョーなカンケー


去る2025年の12月1日、法人格の消滅により、ある会社が日本より消滅した。
かつて、「王立宇宙軍」「トップをねらえ!」「新世紀エヴァンゲリオン」そして、「ふしぎの海のナディア」等の制作で名を馳せた会社。

「ガイナックス」である。

かつて、

「デゼニランド」や「サラダの国のトマト姫」に代表される絵本の挿絵のようなグラフィック。


        

PCのADVといえば、それが当然であり、普通だと思っていた。

それに楔を打ち込んだのが以前「ADVのブレークスルーはいつもここから」の回でお話しさせて頂いた「ENIX(現スクウェア・エニックス)」であります。


PC-88やFM-7なんかで、こんなグラフィックが描けるんだ・・・と、多くのユーザーに認識させたSF・ADVのパイオニア「ザース」。


そして、X1を含む多くの機種に移植され、ヒットを飛ばした「ウイングマン」(絵師はザースと同じ方だそうです)。

そうなってくると、絵を動かしてアニメさせる会社まで現れた。
どこであろう、のちに「ENIX」と合併する「スクウェア」であり、FFシリーズの「坂口博信」氏プロデュースの「Will The Death Trap Ⅱ」です。(まあ、アニメーションと言っても目をパチパチさせたり、キャラの一部が動いたり、機械が点滅したりといった感じで、まだアニメしてるとは言い難い・・・かも?)


また、ENIXも負けてはおらず、遅れる事約4か月。
同人サークル作品のPC-98専用ADV「セイバー」を発売します。


最初から高速なPC-98を使うだけあって、アニメーションはプロが作った様なクオリティ。ただ、88も手が出せない我々にとって、そのアニメーションシーンを観る事はなかなかに難しい問題であり、実際目にする事が出来たのは、
いい大人になってからでした。



さて、80年代中頃になるとFDが徐々に普及し始め、容量にも余裕が・・・。
そこで戦闘シーンを全編アニメーション化、その原画を「日本サンライズ」が担当した「クルーズチェイサー・ブラスティ」(スクウェア)が誕生しました。



また、同様に、スクウェアでは「いのまたむつみ」さんをキャラクターデザインにした「アルファ」というSF-ADVも発売しています。


また、ENIXも負けじとプロのアニメーターに原画を依頼するという手法でヒットを飛ばしていました。


上は「ダーティーペア」・「巨神ゴーグ」等の作画で名を上げた「土器手司」氏による「Angelus」。
下は現在も「MFゴースト」・「ダンダダン」等のキャラデザでお名前を拝見する「恩田尚之」氏。
ゲームは「ミスティーブルー」。


これだけアニメと親和性が高いと思われるゲームの世界ですが、イマイチ何処のスタジオもゲームブランドを自ら立ち上げたりするものは居なかった。

・・・やはり、ゲームとアニメは似て非なる存在なのか?

そんな中、突然パソコンソフトの販売を始めたアニメ制作会社があった。それが、冒頭でお話しさせて頂いた会社、「ガイナックス」であります。


発売当初こそ扱っていたのは「脱衣系クイズソフト」のみで、そんなに期待をしていなかったのだが、段々見過ごせない存在へ。

巧妙にブラックジョークを交えたその作風と、作画のプロによる、どこの会社でも見ることのできない画像の美しさ。




特に「サイレントメビウス・ケースタイタニック」など、当時アニメ化されていないコンテンツを、まるでアニメを作るがごとく制作!
何故かアニメ化に恵まれない、コンテンツに光をあててくれた。

        


そして、「ナディア」であります。(やっとかい!?)

   

ガイナックスに於ける、「サイレント・メビウス」に続く「大作AVG第2弾」の看板に恥じない、良い出来であると僕は思います。
ゲーム自体もFD9枚組というX68000ではかなり多い部類になります。FDにての起動も可能ですが、前作とは違いHDDにフルインストール可能です。しかもPC-98版とは違いキーディスクも必要無いというサービスっぷり。


ゲームの内容については、多少強引かとは思いますが、クルーの大半を病気にしてしまって、ジャンに「艦長代行」を、させたのは大正解だと思います。

「ネモ船長」や「エーコー」さんといった個性的なメンバーではなく「ジャン」というプレイヤーに一番近いキャラクターを使う事によって、疎外感を無くし、ゲームにより没入出来る様になったと感じました。


        

それでいて、キレイに大団円へと繋がるストーリーも良いですね。90点くらいですかねー。

あと、グラフィックが素晴らしい。
どの絵も手を抜いていない。100点ですね。
特に、グッと来るラスト付近の作画は、鬼気迫るものすら感じますねぇ。


こうして評価してみると、手放しに褒めているだけに見えちゃいますが、あと一歩の所もあります。

コマンドが4種類なのは良いのですが、状況説明の文書が多いです。

肝心のドラマチックなシーンで、見る→○○「○○さんは、考えを巡らしているようだ。」見る→○○「その目が一瞬光ったような気がした。」見る→○○「○○さんは気持ちが決まったようだ。」

話す→○○:「ジャン君~」

上記の様な展開が、スピーディーな決断を求められるシーンに限って多いような気がするのは、私だけではないと思います。

   
あれだけ分りやすいビジュアルと、表情豊かな顔パーツがあるんです、テキストに頼らんでもユーザーは台詞で理解すると思いますよ。


あと、折角艦長になったので、もう少しTVでは言わないような艦内施設の些末な設定等あったら、逆に聞きたかったですね~。

そこまで出来ていたら完璧なADVとなっていたと思います。


      

でも、それはゲームが完璧に近いが故の、僕だけが感じる些末な事かも知れません。いずれにせよプレイし終えた私が最初に思ったのは「逆に、この内容で映画を一本作ってくれれば良かったのに・・・。」でした。
NHKさん、今度は「カラー」制作で一本どうでしょう?(爆)

2026年1月9日金曜日

(年跨ぎ企画!)不思議の海のナディア(X68000版)(4)

 ノーチラスVSブラックノーチラス


前回からの続きです。

ノーチラス号の船長代行を務めることになったジャン。


ジャンの采配が上手くいったのか。たまたま敵の包囲の裏をかけたのかは、不明ですが、「ガーフィッシュ」も荷物輸送型だったり、途中で出会った巨大なタコもサンソンの見事な操艦技術で難を逃れることが出来、何とか何処も壊す事無く我々は北極圏に着いたっぽい。

南極が大陸であるのに対し、北極は氷に覆われてはいるが、大陸は無い。
そこかしこで巨大な棚氷が割れ、巨大な流氷となり、更にそれも崩落して海に還る。

「見ろよジャン、アレに巻き込まれたら、例え「スペースチタニウム合金」のノーチラスだってぺしゃんこだ・・・。」

一瞬寒気がした。

美しさと、死の恐怖の混在・・・そんな荘厳な世界をノーチラスは行く。


・・・と、ジャンの眼に何かが写った。
一瞬の事だ。・・・が、それは違和感となり、ジャンの好奇心を擽った。

目の前の巨大な氷山が光ったのだ!
見れば心なしか、流れに逆らっても見える。

皆に言うと、「ハンソン」だけは気にしてくれた。
・・・が、和やかな雰囲気を一気に緊張感へと変えるアラーム音!

どうやら、氷山に気を取られ過ぎていた様です。

気付けば、3隻のガーフィッシュに囲まれておりました。それぞれが魚雷発射管へ注水する音・・・。

「絶体絶命!!」のピンチを迎え、ジャンは大きく成長します。
「よし、戦おう!」
臨時艦長の奮闘に今度は相手が、たじろぐ番です!


続けざまに「ホムガード」で、魚雷を全弾撃破!



誘導弾にて相手を確実に破壊してゆきます。


だが、1隻倒すと更に1隻・・・と、敵が現れ、戦闘が完了した際には、計5隻を沈める大活躍をしたこととなります。


辛くも戦闘に勝利したノーチラス号ですが船体もクルーもボロボロです。
「敵は、ここで決着を着けるためワザと遅効性の毒を使ったのかも・・・。」と、ハンソン。」


ジャン本人も訝しんでいたとおり、かなりの戦力投入とはいえ、ガーフィッシュでは「決め手」に欠けるのです。
もしかしたら、まだ何か起こるかも知れない・・・。


目の前には例の巨大な氷山。
すると、またその氷山から光が・・・!

急に機関長の言葉が脳裏に思い浮かびました。
ヤツ等、「対消滅機関」がまだ不完全だとみえる・・・対消滅の反応光がノズルから出ている・・・云々の話。

・・・あの光は、対消滅の反応光!!

そう、眼前には、完全なる絶望の色。「黒」を纏いし血に飢えた貴婦人が現れた。
艦は姿を現わすのが早いか、挨拶代わりに「魚雷」を撃ってきた。

魚雷・・・いや、これは誘導弾だ!

ギリギリ代わすのも、そろそろ限界。

ジャンは苦しい決断をする事になります「戦闘開始!」

       
誘導弾は全弾破壊に成功。
続いてこちらのターン! 


先程のお礼の意味も込めて、「誘導弾」です。
ところが、ブラックノーチラス(以下B・ノーチラス)も「ホムガード」を展開。

これがかなり厄介。
なんせ、撃墜率がハンパないのです。
こちらが、討ち漏らしてしまった誘導弾で徐々に傷ついているのに対し、相手はほぼ無傷です。
「排水が、間に合わない!」エーコーさんが悲痛な叫びを上げます。

・・・もうムリだ!

ジャンは、戦闘継続を諦めると、脱出のチャンスを伺います。

・・・が、無情にも敵の誘導弾がノーチラスへ放たれます!
その時エーコーさんが流氷ひしめく海面に氷の切れ目を発見!

サンソンが神業の操艦でそこを目指します。
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


かつて、宇宙(そら)を飛んだこともあるというノーチラス号。白銀の船体が空を舞い奇跡的にミサイルをかわす事に成功します。
「ウヒョー、ラッキー」と、一同!


だが、喜びも束の間、眼前には巨大な氷山をバックに浮上するB・ノーチラスの、絶望的な姿が・・・。その時ジャンはエーコーさんの口から「アレを使うしかないのか・・・?」という言葉を聞きました。
ノーチラスの火器管制を担当する事になった際、エーコーさんから「絶対使用してはならないボタン」というものを聞いた事があります。


何でも、超極小の重力崩壊(「マイクロブラックホール」みたいなものなのでしょうか?)を起し、被弾箇所ごと他の空間へ転移させる・・・と、いう聞くだに恐ろしい兵器だ。
もし、縮退連鎖が止まらなければ、こちらも、いや星ごと、いや宇宙全体がどうにかなりそうな爆弾。

・・・一介の少年であるジャンにその覚悟が出来るのだろうか?
・・・が、ジャンの頭の中にはもう一つのアイデイアが!

「飛行爆雷」発射!

えっ! 

聞き間違いかと思い振り返る一同!

しかも弾はB・ノーチラスの上を目指して飛んで行き、全弾流氷に着弾。

相手側ももう「打つ手無し」で、自棄になったのか?と、思った事でしょう。


しかし、ジャンには確信がありました。

鈍い音が辺りの静寂を破ります。
巨大な氷山が崩落を始めたのです。


何十トンという物理攻撃のシャワー!
火器管制も間に合いません。
氷塊に翻弄される敵艦は次第に形を変え、遂には煙を吐きながら甲高い音を立て、海に沈んで行きます。


最終的には主機である「対消滅機関」が暴走し大爆発を・・・。
でも、ノーチラス号は健在!
つくづく凄い船です。


・・・そして、一同は無事「ホッキョク・ホウセンカ」の採取に成功し、解毒剤を生成するに到りました。

解毒剤も皆に行き渡り、後は皆の回復を待つだけ。
ここからは「ナディア」救出を中心に行動出来るというものです。
ですが、こちらに関しては、何の手掛かりも無いのが実情。

さて、どうしたものか・・・。と、思っていると、ノーチラス号のモニターに直接通信をしようとしている者が。
・・・しかも映像付きで。
「映像!?」
こんな技術を持っているのは「デスラー総統」か、「ガーゴイル」くらいしかありません。


殆ど見えているが(爆)、メインモニターに映し出されたものとは?
「メギドの雷」とは?
そして、ナディアの行方は?

「バミューダ・トライアングル」で、何が起きているか?

更に、この機に乗じ、ネオアトランティスは、アメリカ・フランス・イギリスの政府に対して
とんでもないメッセージを送っています。
果たして「余剰人類粛清計画」とは・・・?

・・・と、いったところで、お話は中間点を向かえ、クライマックスに向かって、更に加速して行きます。

えー、「不思議の海のナディア」如何だったでしょうか?
ついつい切りの良いトコロということで、話の中間点まで語ってしまいました。

ただ、ADVなのでこれ以上のネタバレは野暮というもの。次回はちょっと視点を変え、アニメとゲームの微妙な関係と、このゲームが果たした役割について解説したいと思います。

  

※ちなみに戦艦ドレッドノートが所謂
「弩級戦艦」・「超弩級戦艦」
の基準になった戦艦です。

それでは、また皆様、次回をお楽しみに!!