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2020年5月18日月曜日

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ MSX(テープ版)

はぐれ刑事旅情編?


北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
鉛色の空に流氷漂う海。
私の北海道に対するイメージ。

北海道に行ってみたい・・・。

そう思うようになったのは、矢野徹先生の「カムイの剣」、東直己先生の「ススキノ探偵」シリーズ、そして、何よりこのゲーム「オホーツクに消ゆ」の影響に他なりません。

「社会派推理アドベンチャー巨編」と銘打たれた紙パッケージを電気屋(当時、地方はゲーム屋なんて無かったのだ)で発見した時、(タイトルは耳にしたことがあり、興味もあったのですが)おどろおどろしいイラストに一瞬、自分にはまだ早いんじゃないか・・・と、購入を躊躇しそうになりました。

パッケージ裏を見てみると、当時の水準ではかなり美しいグラフィックが掲載されています。

これは流石に某国民機のものとすぐ解りましたが、逆にMSXでこのグラフィックがどれだけ再現されるんだろう?と、興味が沸きました。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
グラフィックは、いかにもMSXというタッチ。

かくて我が家へやって来たこのゲーム。期待と不安の中ロードしてみたゲームの画像は、なんとも牧歌的な・・・というか、MSXらしいというか・・・。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
チラシを元にやって来た場所は歓楽街。

でも、ゲームを進めていくうちにに、このタッチがたまらなく好きになっていくのです。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
当時、高校生の私は少しドキドキ。

ゲームは、警部(ゲーム中はボス)である自分が相棒の刑事と殺人事件の捜査をするという内容。
アドベンチャーゲームとしてはオーソドックスと思うかも知れませんが、意外とそんな内容のものは当時は少なく(結局プレイしたことは無いですが、同じ作者のポートピア連続殺人事件ぐらいですか)、自分としても推理ものは初体験でした。

火曜サスペンス劇場か土曜ワイド劇場みたいな「お約束」が目白押しですが、当時高校生だった自分は、キャバレーに聞き込みに行ったり、ホステスを調べて「シャブのあとなどはありませんねぇ」なんて台詞にドキドキした覚えがあります。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
ついに被害者の身元が判明。いよいよ北の大地へ!

ゲームは5部構成になっており、序章ともいえる1部が終了すると、いよいよ北海道での捜査が始まります。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
ここも、実際にロケ地があるそうです。

また、このゲームは当時としては珍しく、実際にロケハンを行って作られたそうで、そのせいかロケ地を訪れているファンの方もネットに散見されます。特に、(PC-6001版やMSX版はさておき)PC-8801版のグラフィックは緻密で、実際の風景と比較して撮影スポットまで特定しているサイトもあるくらいです。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
実際の地名が物語に深みを与えています。

ゲームは、殺人という重いテーマにも関わらず、旅情感タップリで、堀井雄二先生の軽妙なシナリオと相まって、クリア後も周回プレイしたくなってしまいます。

このプレイし易さこそ、堀井先生が採用(発明?)した、「コマンド選択式」の恩恵に他なりません。

これは素晴らしいシステムで、専門用語が多い刑事物で、「ききこみ」とか「よべ だいいちはっけんしゃ」なんて、言葉探しを強いられていたら、第1部で事件が迷宮入りとなるプレイヤーが多く居た事でしょう。

このシステムのお陰で、プレイヤーはストーリーに没頭でき、制作者はよりテンポ良く、ドラマチックなストーリー展開が可能となるのです。これは、アドベンチャーゲームの可能性を広げ、やがて、「ジーザス」や「スナッチャー」のような名作を生むこととなります。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
ここまで来れば、事件解決も近い!
語られる衝撃の真実。

「コマンド選択式」にも、あまり考えなくてもコマンドを総当たりするだけで、ストーリーが進んでしまうといった弱点があります。

無論、制作者もその点は予見していたようで、ゲーム中には、名前の入力をせねばならない箇所や、取るとハマってしまうアイテム等が巧みに配置されています。(かくいう私も、久々のプレイで見事に引っかかってしまいました)

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
単純に「コマンド総当たり」では
たどり着けません。
証言も、重要なものはメモった方が
良いでしょう。

堀井先生はここで完成したシステムをもとに、更に遊び心タップリの「軽井沢誘拐案内」をリリースすることとなりますが、それについては、また後日お話ししたいと思います。

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
いつか、即売所で「ニポポ人形」を
買いたいな。

就職して、ようやく憧れの北海道に旅行は出来ましたが、行けたのは函館と、札幌(ススキノ)のみ。改めて、北海道って広いんだなぁ・・・と、思いました。

老後になるかも知れませんが、いつか自分もロケ地を巡ってみたい・・・と、今でも密かに思っています。

2017年10月29日日曜日

サラダの国のトマト姫X1(テープ版)

夏と、テストと、アドベンチャーゲーム

princess tomato in the salad kingdom
オープニングとエンディングでは音楽が流れます。

 照りつける太陽によって、白と黒とのコントラストがハッキリした、田舎の家並み。
 人影は一切見えないが、各家々からは、正午を知らせる有線放送が何となく聞こえてくる。
 蝉の声がけたたましく響く中、黙々と自転車のペダルを漕ぎ、ようやく家に帰り着く。
自転車を納屋に仕舞い終わると、土間に置いてある冷蔵庫に向かい扉を開ける。
 数年前に購入した新しい冷蔵庫によって、台所から引退したそれの中には、親父のビールと、農協で共同購入されたサイダーがぎっしりと冷やされていた。
 その中からサイダーの瓶を一本取り、台所の食器棚から栓抜きと、グラス(サイダーケース買いした際の記念品だ)を持ち出す。
 向かった座敷の隅には、真っ赤なパソコン。壁には、この夏設置されたばかりの、我が家初のエアコンがあった。
 エアコンとパソコンのスイッチを入れ、ピンク色のカセットテープを挿入し読み込ませる。
 サイダーをちびちび飲みながら、部屋が程よく熱気から解放されて来ると、パソコンが軽快な音楽を奏で始めた。

 画面には美しいグラフィックで「サラダの国のトマト姫」(以下「サラトマ」)のタイトル画面。

 前作、「デゼニランド」と並ぶ、ハドソンの名作AVGである。

princess tomato in the salad kingdom
コマンド入力は英語に加え日本語もOKになりました。

 ビデオカードの進化により、3Dによって多彩な表現が可能となった現在に比べ、昔のパソコンは、ちょっとした2Dアクションですら苦しかった。
 そんな中生まれてきたのが、紙芝居風の絵や文章をヒントに、コマンド入力によって物語を進める、アドベンチャーゲーム(以下AVG)だ。

princess tomato in the salad kingdom
前作に比べ、格段に進化したグラフィック!

AVGの醍醐味は、なんと言っても、グラフィックとストーリーがダイナミックに展開していくこと。
 どちらかというと、アクションゲームが苦手な私は、じっくり考えながら進めてゆけるAVGが大好きでした。パソコンならではの美しいグラフィックも堪能できますし。

princess tomato in the salad kingdom
凝った構図のグラフィックを見てるだけでも楽しい。

 さて、この「サラトマ」ですが、今回はグラフィックにプロの方を起用したとのことで、当時としては凝った構図の美しい画面が次々と現れます。
 シナリオも、前作に比べて理不尽さがなくなり、純粋に世界観を楽しめる、程よい難易度となっております。(といっても、難しい箇所もあるが・・・)

princess tomato in the salad kingdom
このお方が反乱軍の作戦本部長。かわいいです!

 でも、そんな事より、素晴らしいのは、野菜の国でキュウリの戦士となって、大活躍するというアイディア!
 主人公はこの世界でSWよろしく反乱軍の一員となり、時にはロボットを操り、時にはライトサーベルで敵をなぎ倒しながら冒険を進めて行きます。
 カセットテープなのに、1回のローディングで表示される画像が多く、次々と美麗なシーンが展開していくのも楽しいです。

 「シュタインズ・ゲート」等で知られる志倉千代丸さんも、このゲームの大ファンで、新会社設立前の一時、自分たちを「かぼちゃ一族」と名乗っていた程だそうです。(小島秀夫監督のヒデラジより)

princess tomato in the salad kingdom
サラダの国では神様も野菜(果物)です。

 今回、久々に「サラトマ」の世界に触れ、学生時代の夏の日が脳裏に蘇って来て、懐かしい思いに浸る事が出来ました。

 リアルなグラフィックを至上とする現在では、もうこういったゲームに出会うことは無いのかも知れませんね。
 技術の進歩と、ビジネスモデルの確立は、ゲームから可能性を奪っていっているのかも?
 ふと、そういう思いが胸をよぎります。

 おっと、話が逸れましたので、本日はここまでにしたいと思います。

 え?

 テスト中に遊ぶばっかりしてたんで、もちろん成績は赤点でしたけどね。
 英語の辞書だけは、AVG用に大活躍しましたが・・・。