2014年3月14日金曜日

デゼニランド MSX(テープ版)

もう二度と味わえない世界?


デゼニランド
これは「ひっかけ」か?
想像力を働かせましょう。

まだ、配列もろくすっぽ憶えられていないキーボードに向かい、一本指でポチポチと単語を入力していく。
「Enter」キーを押すと、画面には、「~トイウ コトバハ ココデハ ツカエマセン」という寂しいメッセージ。
しばし考えたのち、また別の行動を入力する。

これは、ワープロソフトを使っているのでも、チャットをしているのでもありません。
ゲームです。

「アドベンチャーゲーム」と聞いて、皆さんはどんなゲームを思い浮かべるでしょうか?
最近では、ノベル系のゲーム、ちょっとレトロな感じのゲームがお好みの方は、画面をクリックする「ポリスノーツ」や、コマンド選択式の「オホーツクに消ゆ」などを連想されるかも知れません。

でも、初期のアドベンチャーゲームは、上記のように、コマンドを手打ちしていたのです。


デゼニランド


パソコン雑誌「ベーマガ」を購読するようになって、俄然気になり始めたのは、山下章先生が執筆されていた、「レスキューアドベンチャー」のコーナーで紹介されていた、ハドソン社製のアドベンチャーゲームでした。

まさに、パソコンならではのゲーム!ちょっと文化的な感じが、高1の坊やにはたまらなくステキに思えました。

MSXには随分時間がたってからの移植となりましたが、発売されると即購入したのは言うまでもありません。
残念ながら、他機種と違い、フルカラーとはなりませんでしたが、雰囲気は十分に感じる事が出来ました。

デゼニランド
ちょっとアブない文字が・・・。
現在では考えられません。

ゲームのストーリーは、千葉にある某テーマパークに対抗し、埼玉に建設された「デゼニ(出銭)ランド」。
その中に隠された「三月磨臼」という臼を見つけ出すという、結構アブない話。
そういえば、ゲームのパッケージにも、怪しいおじさんと、お姉さんのイラストが描かれているが、関係者だったのだろうか?(ちなみにそんな人はゲーム中に登場しません)

デゼニランド
何を買うかで、ハマってしまいます。

このゲームを有名にしたものの一つに、言葉探しの難易度があります。

当時を知る人々の間では語りぐさになっていた、一番最後の辺りのあのコマンドです。
流石に、MSX版は後発ということもあり、そのシーンでは、ご丁寧に解答が表示されていたので、そんなに悩むことはありませんでした。

ただ、コマンドは後のゲームと違い、全て英単語(!)による入力です。
従って、プレイヤーは辞書を片手に、キーボードと向き合う事となります。

コマンドのリストなどありませんから、ある意味、行動には無限の可能性があります。
ヒントがある場合もありますが、ノーヒントの箇所もあり、ひっかけのシーンもあります。

一度始めるとクリアまでに膨大な時間を要し、寝ても覚めても、授業中ですら(おいおい!)詰まっているシーンの解決策を考えている始末。

先述の山下先生が「開発者との知恵比べ」とおっしゃっていたように、初期のゲームは想像力との戦いでした。

現在だったら、インターネットで簡単に解法が公開されてしまい、ゲームとしては成立しないでしょう。
それに、この境地に至るまでゲームをプレイせず、ク○ゲーの烙印を押されてしまうかも知れません。

ある意味、究極のスローライフ。
いまでも懐かしく思い出せます。

デゼニランド
ちなみに、後に入手したX1版の画面。
やはりフルカラー&ハイレゾは綺麗です。

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