2025年4月29日火曜日

シャロム 魔城伝説III 完結編

 ノストラダムス前夜の狂騒



前回よりの続きです。

時は真に「世紀末」であった。

誤訳も多かったし、殆ど小説と揶揄されたが、ルネッサンス期に活躍したある医師(であり、占星術師)の残した詩編が、日本人の手によって翻訳(脚色?)され、急に国内でクローズアップされ始めた。


「プーヤン」の様なステージ。
このボスは運の要素が強い。橋を渡って
直ぐの村に文字通り隠れている。

それは、今世紀末に地球滅亡クラスの大災害が起こり、残された僅かな人類もかなり長い黄昏の時代を生きる事になるというものだった。

それは、多くの人々に熱狂的に支持され、現在では信じられないことだがTVや学習雑誌なんかもこぞってそれを掲載し、さも、それが免れようがないものであるかのように語られていた。


これは・・・。
どこかに同じマークが?


折しも目覚ましい経済発展を遂げた我が国は、そのツケとも言うべき公害・地球温暖化(注1)・終わらない各国の核軍拡等、多くの諸問題を抱えていた。


城の東側の開けた場所に出現する
怪我をしたモグラ。介抱すると、トンネルの
「フリーパス」がもらえる。

行ける場所が急に増えるので、混乱しないように。

注1:最近になってクローズアップされた「温室効果ガス」についてだが、私が初めて知ったのは中学生の頃。

日テレ制作の所謂「矢追純一UFOシリーズ」のひとつとして「木曜スペシャル」にて、イギリス制作の「第三の選択」という番組が紹介されたのだが、それで知ることとなる。

番組内では、かつてバイキング等が撮影した、火星の赤い地表はフェイクで、米ソ両国の極地への核攻撃により、火星の氷が年々減っており、実はテラフォーミングも完了し、優秀な人材を中心に秘密裏に移住が開始されているといったものだった。

そして、温室効果により地球は現在の生物が住めない環境となり、残された人類は滅亡するといった内容だった。

(余談だが、火星のテラフォーミングは、月や金星のそれより大変という事である。最近でも某国のTVの企画で片道キップの移住計画が頓挫したが、距離的な問題・自転、公転周期・重力等、ハードルは高いそうである。)


ゴグによって死なない体を手に入れた老婆。
ゴグの出現場所も分かるそうである。


そういった出口の見えない諸問題に加えて、例の「大予言」である。

正直、眉唾なのは百も承知だったが、さりとて否定する材料も持たない。

4つ下の妻も言っていたが、本当に我々の世代は、このワケのわからんおっさんの詩編と、翻訳本。尻馬に乗ったマスコミ等の狂乱によって、常に2000年問題ならぬ「1999年7の月問題」を意識させられていたと言っても過言ではない。

そこへ、更に、追い打ちを掛けるように「幻魔大戦」「アキラ」「マッドマックス」「北斗の拳」などの所謂「ポストアポカリプス物」の台頭。

最後には「ディープインパクト」「アルマゲドン」といった、隕石衝突物?まで・・・。

挙げ句、友人達の中には、「その月」を前に仕事を辞める者さえ出てきた。

半分冗談だろうが、「俺の生活がかっとんじゃ!」「ちゃんと、決められた時にハルマゲドンが来てくれないと困るぜ!」的な事を言ってたと思う。



さて、閑話の方が長くなってしまいました。

今回の「シャロム 魔城伝説III 完結編」も、そういった時代背景を色濃く反映しています。

実は、ラスボスとされている「ゴグ」についても、どっかの予言書に掲載されていた「恐怖の大王」的なものだったと思います。(現在、調べてみても余りに情報が少ない為、深くは語れませんが。)

主人公は自分を助けてくれた「ブタ子」を背中に背負うという独特のスタイルで、各地方を魔王の部下から解放していきます。

この8人の魔王との戦いが、アクションであったり、ブロック崩しであったり、はたまたパズルであったり、と、ゲームの中でのスパイス的な役割を果たしています。


これは・・・。
「謎の壁」?

ゲームはドラクエ風の画面ですが、急なエンカウント等はありません。

フラグ管理も、実はそこまで厳しくはないのですが、なんせマップが広大です。



最初こそ、1つの地方内でボス攻略が完了しますが、地方をまたいでのイベント攻略もあったりします。

そうなってくると、登場人物が多い分ゲーム攻略が難しくなって来ます。

例えば、ある画面で、男の子が倒れています。聞いてみると「水」と言い、唇が乾いているとの情報が得られます。

通常では、すぐ水をあげたいところ。しかし、水を持っていてもあげられません。

正解は、「ハシバミの木を使って水脈を掘り当てる!」でした。


いやいやいや・・・。


こちらが噂の苗木。購入当初は入手までに
えらい時間が掛かった覚えが・・・。

このイベントは2つの地方に分かれて情報収集が必要になります。

そこへ行こうとすれば、斧を使って、ある場所に橋を掛ける必要もあります。

前作「ガリウス」と比較すると、ヒントもそれなりにあって、理不尽さはそんなにはないのですが、(謎は、その地方内で完結出来るなど)もう少し練り込まれていれば、更に名作と呼ばれるようになったのでは・・・と、思います。

また、このゲーム。

知らない内に、進行不能のバグに巻き込まれている場合があったりします。

今回、2回程そのバグにより進行不能となってしまい前の前のセーブデータで復活したため、かなりのお時間を頂いてしまいました。

もっと言ってしまえば、そのセーブデータ(パスワード)生成時にも、作成されたパスワードにエラーがあるとのこと。


※正しいパスワードを表示させるには空の
ディスクドライブを指定し、わざとエラーを
起こさせ、その後に表示させればOK。

どおりで、友人のパソコンでもパスワードが通らなかったワケです。こちらは、データーレコーダー・もしくは「新10倍」のS-RAMを使って解決出来ました。

と、言うことで、あともう少し練り込んでいたら歴史を変えられたかも知れない、コナミ初のAVG「シャロム」の紹介でした。

でも、このAVGで見せたシナリオの良さ、ちょっと斜に構えた感じのトークなんかは、今後の「スナッチャー」「ポリスノーツ」と言った傑作の基になってるような感じがして、面白いですね。



PS.コナミのゲームには珍しく、このゲームには、「スタッフ村」なるものが存在し、楽屋オチ的な話をスタッフの方々が聞かせてくれたりします。



当時の過酷名労働環境が・・・。

この方が有名な「モアイ」さん。
確かサウンドプログラマーだったかと。

中には狂気を感じる人々も・・・。

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