x1最期の超大作AVG
サイ・オ・ブレードとは、正式名「サイキック・オフェンシヴ・セル・ブレード」 ニューロコンピュータに於ける神経細胞素子の異常増殖を意味する言葉だそうだ。
T&Eソフト製作による本作、「ハイドライド」の発売以来、毎回何かしら特徴のある作品を製作していた同社だが、今回はズバリ「画面数という言葉は死語になる!」である。
当時のゲームは、ゲーム内の様々なエフェクトの数をパッケージ裏等に記載し、「こんなにボリュームがありますよ」的なアピールを行うのが流行っていた。
かくいう私も、AVGなら、総画面数○○枚!、サウンド○○曲!!、シナリオ原稿用紙○○枚!!!、おまけにFD○枚組(爆!)とか書いてあると、そちらの方に購買意欲を感じる事が多かった。
上記の様な傾向からか、このゲームは、画面のどこかしらが、必ず動くという事をウリにしており、静止画になりそうなエアロックのシーンから、エレベーターのシーンでも、ハッチ開閉とか、エレベーターの背景が上下したりするといった演出がなされている。
西暦2101年、太陽系近傍恒星系(注1)である、バーナード星系の惑星に恒星間有人探査機「セプテミウス2」が到着。
人類は初の恒星間航行と系外惑星に降り立つ事に成功し、宇宙船は地球への長い帰路に就く。
2113年、地球に近づいた「セプテミウス2」であったが、メインコンピューター「ラクーン」からの謎のメッセージと共に徐々に軌道を外れていく。
乗組員の安否が気遣われる中、時を同じくして、「ラクーン」の設計者であった「シュルツ博士」が失踪。
監視衛星により敵対国の軍施設に囚われている所を発見される。
先ず最初のシナリオはキースから、主人公達が搭乗する宇宙船「キャサワリー」が「セプテミウス2」に接舷するところから始まる。
最初は軽く宇宙船の内部構造を確認する感じでいきましょう。
PC-9801版はマウス・他のPCではジョイパッド若しくはキーボードにてカーソルを対象に合わせて、そこに表れる選択肢を選ぶことによりゲームは進行してゆきます。
一見面倒そうな仕組みですが、慣れると意外と操作感が良く、直感的に選択する事が出来ます。
そう、あの、「ポリスノーツ」のシステムをスナッチャーより前にやってるんですね。(注2)
そして、ゲームを進めるともう一人の主人公「ヒューイ」編が始まります。
こちらはキース編が物語の「表」だとすると、「裏」に当たる部分。
歴史の教科書、ましてやTVニュースにならない世界の話です。
主人公と同じく、現地で以前より潜入任務を実行中である「ルイス・ブルーデール」とのバディで闘う事となります!
こちらは、下手をするとゲームオーバーやハマりもありますので、緊張感はなかなかです。
また、中盤以降に敵の研究施設に突撃するシーンがあるのですが、それがマップの広大さと相まって、けっこう難易度高いです。
慣れると、スタート時の残りの距離で目的地が判るそうですが、初見ではほぼ確実にやられてしまいます。
また、有名なところでは、このゲーム、面白いハードウェア・プロテクトが施されています。
「メロディーモジュール」という名前の小さな機械で、ラクーンが作ったとされる曲が再生されます。
全8曲の中から、3曲の名前を当てればラクーンの直結回路を開くことが出来るので(厳密に言えば、1曲目は判っているので、残りの曲名を当てればオーケー)、当てずっぽうでも結構当たってしまうんですけど、こういう「ドングル」は面白いですね。
名作映画「カプリコン1」をほうふつとさせる、感動のエンディング!
是非、ゲームで堪能してください!
お・ま・け
「サイ・オ・ブレード」
いかがだったでしょうか?
某国民機では、このゲーム発売の1週間後に、あの伝説の「スナッチャー」が発売された為、このゲームが見事にワリを喰った感じになっちゃったんですよねー。
でも、こちらも負けず劣らずの名作です。
では、おまけ情報を少しだけ・・・。
このゲーム、カーソルを合わせて好きな所でボタンを押すと、リアクションが返ってくるのですが、こんな面白いリアクションも!
特にX1版のステレオFM音源を駆使したオープニングは必見で、アッという間に心を捕まれ、ゲームの世界に引き込まれました。
まさにX1最期の超大作ADVと呼に相応しいゲームと言えるでしょう。
注1:私の造語です。スタークルーザー(注1)参照。
注2:「サイ・オ・ブレード」1988年11月19日発売。「スナッチャー」1988年11月26日発売。
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