2024年8月23日金曜日

PSY-O-BLADE(サイ・オ・ブレード)X1版

x1最期の超大作AVG

サイ・オ・ブレードとは、正式名「サイキック・オフェンシヴ・セル・ブレード」 ニューロコンピュータに於ける神経細胞素子の異常増殖を意味する言葉だそうだ。

T&Eソフト製作による本作、「ハイドライド」の発売以来、毎回何かしら特徴のある作品を製作していた同社だが、今回はズバリ「画面数という言葉は死語になる!」である。


当時のゲームは、ゲーム内の様々なエフェクトの数をパッケージ裏等に記載し、「こんなにボリュームがありますよ」的なアピールを行うのが流行っていた。
かくいう私も、AVGなら、総画面数○○枚!、サウンド○○曲!!、シナリオ原稿用紙○○枚!!!、おまけにFD○枚組(爆!)とか書いてあると、そちらの方に購買意欲を感じる事が多かった。



上記の様な傾向からか、このゲームは、画面のどこかしらが、必ず動くという事をウリにしており、静止画になりそうなエアロックのシーンから、エレベーターのシーンでも、ハッチ開閉とか、エレベーターの背景が上下したりするといった演出がなされている。


西暦2101年、太陽系近傍恒星系(注1)である、バーナード星系の惑星に恒星間有人探査機「セプテミウス2」が到着。
人類は初の恒星間航行と系外惑星に降り立つ事に成功し、宇宙船は地球への長い帰路に就く。


2113年、地球に近づいた「セプテミウス2」であったが、メインコンピューター「ラクーン」からの謎のメッセージと共に徐々に軌道を外れていく。


乗組員の安否が気遣われる中、時を同じくして、「ラクーン」の設計者であった「シュルツ博士」が失踪。
監視衛星により敵対国の軍施設に囚われている所を発見される。



これこそ本当の本作の「ウリ」だと思うのだが、本作は宇宙飛行士である、キース・マクダネル(以下キース)と、特殊工作員のヒューイ・マークフィールド(以下ヒューイ)のW主人公で進められてゆく。


宇宙船には謎の亀裂が・・・。

先ず最初のシナリオはキースから、主人公達が搭乗する宇宙船「キャサワリー」が「セプテミウス2」に接舷するところから始まる。

X1版はジョイパッドが使用出来る為、意外と軽快です。

最初は軽く宇宙船の内部構造を確認する感じでいきましょう。
PC-9801版はマウス・他のPCではジョイパッド若しくはキーボードにてカーソルを対象に合わせて、そこに表れる選択肢を選ぶことによりゲームは進行してゆきます。
一見面倒そうな仕組みですが、慣れると意外と操作感が良く、直感的に選択する事が出来ます。
そう、あの、「ポリスノーツ」のシステムをスナッチャーより前にやってるんですね。(注2)


そして、ゲームを進めるともう一人の主人公「ヒューイ」編が始まります。
こちらはキース編が物語の「表」だとすると、「裏」に当たる部分。
歴史の教科書、ましてやTVニュースにならない世界の話です。

ヒューイの相棒となるルイス。飄々とした男だ。

検問だ!滅多な事をしてはイケナイ。

主人公と同じく、現地で以前より潜入任務を実行中である「ルイス・ブルーデール」とのバディで闘う事となります!
こちらは、下手をするとゲームオーバーやハマりもありますので、緊張感はなかなかです。

初っ端から、捕まってしまう主人公達。

し、シュルツ博士!!
重要なシーン。〇レートの確認を忘れないように。



また、中盤以降に敵の研究施設に突撃するシーンがあるのですが、それがマップの広大さと相まって、けっこう難易度高いです。
慣れると、スタート時の残りの距離で目的地が判るそうですが、初見ではほぼ確実にやられてしまいます。

「ドングル」ではなく、没入感を増させる
アイテムでは?


また、有名なところでは、このゲーム、面白いハードウェア・プロテクトが施されています。
「メロディーモジュール」という名前の小さな機械で、ラクーンが作ったとされる曲が再生されます。

全8曲の中から、3曲の名前を当てればラクーンの直結回路を開くことが出来るので(厳密に言えば、1曲目は判っているので、残りの曲名を当てればオーケー)、当てずっぽうでも結構当たってしまうんですけど、こういう「ドングル」は面白いですね。


ラクーンが語る、この計画に隠された「衝撃の真相」とは?




かたやヒューイの存在を知らない、もう一人の主人公。
さり気ないシーンが光る。

ヒューイ、キースの運命は?


名作映画「カプリコン1」をほうふつとさせる、感動のエンディング!
是非、ゲームで堪能してください!


お・ま・け

「サイ・オ・ブレード」
いかがだったでしょうか?

某国民機では、このゲーム発売の1週間後に、あの伝説の「スナッチャー」が発売された為、このゲームが見事にワリを喰った感じになっちゃったんですよねー。

でも、こちらも負けず劣らずの名作です。

では、おまけ情報を少しだけ・・・。
このゲーム、カーソルを合わせて好きな所でボタンを押すと、リアクションが返ってくるのですが、こんな面白いリアクションも!

ヒューイ&ルイスは掛け合いが最高!
カーソルで鼻や耳に悪戯すると・・・。

また、セプテミウス2コクピットのシーンでボブの股間を見るとリアクションが・・・。

拷問部屋のPCは何と!

ゴミの中には、伝説の健康器具も!

特にX1版のステレオFM音源を駆使したオープニングは必見で、アッという間に心を捕まれ、ゲームの世界に引き込まれました。

まさにX1最期の超大作ADVと呼に相応しいゲームと言えるでしょう。



注2:「サイ・オ・ブレード」1988年11月19日発売。「スナッチャー」1988年11月26日発売。

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