RPGの新たな地平に立って。
その年の恐らく春、2本のビッグタイトルがX1turbo専用ソフトとして日本ファルコム(以後ファルコム)より、移植された。
あの、イースの続編「Ys(イース)Ⅱ」、そして、今回紹介する「ソーサリアン」の、2本である。
前にも言ったが、リリース数が限られたマイナー機となり始めたX1にとって、盆と正月とクリスマスが一度に来たぐらいの大騒ぎである。
広告を目にした瞬間、何の迷いも無く、郵便局へ向かうと、2本分のソフトのお金をATMでおろし、現金書留にてファルコムに通販を申込んでいた。(注1)
これで、夏に帰省した際には、思う存分ゲームで遊べる。親が聞いたらコ○されそうな事を考えながら時(発売日)を、待っていた。
発売当時、人気を2分していたRPG、イースと、ソーサリアン。
この振り向きのアニメだけで、全国のパソコン少年 の心を鷲摑みにした少女「リリア」さん。 |
実はただの村娘さん。神官の子孫でもない。 |
当初、私はどちらかと言えばイース派で、いわゆる「リリア」さんの笑顔にヤられた人のー人だった。
そこで先行プレイ中の弟に電話をし、感想を聞いてみると、イースも凄いが、ソーサリアンはとんでもなく凄い!・・・とのこと。
確かに、雑誌等の広告にも「X1はデキがいいよ。」と、書いてある。
まあ、でも、ゲームは自分でプレイしてナンボ、話し半分ぐらいで聞いていた。
さて、夏休み。今回もダブる事無く追試も無かった私の身体は、7月を待たず、実家にあった。
それにしても、久々のturbo、追加した2ドライブの迫力がヤバい。
先ずイースを起動。想像通り、面白い。
そして、次にソーサリアンである。
FDをセットし、リセット。
カカカ・・・と、軽快な読込み音。
そして、画面一杯に流れる星。荘厳で、広がりのあるFM音源ミュージック。(OPNAなんで、ちゃんとステレオです)
そして、ぶわっとタイトルロゴが・・・。 にじみ出てきます。カッコいい! |
ソーサリアンの音楽は、友人にCD(注2)を貸して貰って以前聞いた事があるが、弟のポータブルプレーヤーだったのと、そんなに意識してなかったのとでその時は「ああ、そんなもんか」くらいの感覚だった。
だが、それとも全く違う。素晴らしい音のシャワーがそこにあった。友人が寄贈してくれたラジカセに、PSGを、マイク端子から入力、簡単なミキシングを実現出来たのも大きかった。
これが基本画面。 しばらくプレイしているとメニューに変化が・・・。 |
またゲームも全画面スクロール。前述のイースも凄かったが、こちらはもっと迫力があった。流石、希代の天才プログラマー「木屋善夫」氏の手によるゲームである。
この画面が全画面スクロールします。 遠くの風車もアニメーション! X1版は、同じ方向にキー入力し続けると加速します。 |
それから、雑誌の紹介の記事で画像を見た際に粗いな、と、感じていたが、実際にゲームを始めてみると、全然気にならないどころか、鬼気迫るセンスまで感じてしまう。
これは、後にファルコム以外の会社が追加シナリオを手掛けた際に顕著になる。やはり、ファルコムは凄いのだ。
「3にんまで~」のシナリオでは、パーティーに NPCが加入する。 |
ゲームは15本のシナリオから成るオムニバス方式。3枚のFDにそれぞれ5本づつ入っており、上のシナリオが比較的簡単であり、下へ行く程難易度が高くなる。(ただ、バイタリティが低いキャラだと高レベルシナリオの扉が開かない為、間違ってハマる事はまずない)
ファルコムというと、それ以前の「ロマンシア」や、「太陽の神殿」等の超難易度の作品を思い出す方もおられるかもしれない。(注3)
が、こちらは全然違い、ヒントに従い行動すればクリア出来る程よい難易度。ゲームオーバーすらあると思わなかった。(私はDisc1#4のバシリスクの石化で初ゲームオーバー。意外とゲームオーバーの曲が良い)
また、各シナリオにボスキャラはいるが、その討伐が目的でない場合、スルーしても構わないという自由度。
高次のレベルでも、倒さなくて良いボスキャラ。 |
シナリオクリアはX1版の場合、必ずクリアミュージックが流れるので判ります。
また、街に帰ると、時にアイテムを王様に献上するか聞かれますが、これも(余り良いものはありませんが)スルー出来ます。
また、後に「ある方法」が発見され、意味がなくなってしまうのですが、このゲームの面白い処として老化があります。
上のパラメータはキャラや職業にによって変化するが、 罠とかの知識は(下4つ)冒険前に覚えておきたい。 |
このゲームのもう1つの特徴として、非常に複雑な 魔法体系がある。星を1つ1つ装備に付与していくの だが、お互いに打消しあったりするので、高次の 魔法になるとマジで10ン年経過する。 面白いとは思ったが、ユーティリティで、 一発で掛けられるようになった所を みるに評価は微妙だったのだろう。 |
このゲームでは何かをすると1年(+α)経過します。各シナリオクリアに1年、修行に1年、装備に魔法(星)を付与して3年(!)・・・等。
キャラもそれにしたがって青年→壮年(初老?)→老人と変化していきます。
リアル年齢で始めると人間だったらマジでおっさん から・・・。あと数年で老人ですな。 |
これは種族にもよるので一概には言えませんが、人間だと全てのシナリオをクリアし、エンディングを迎える頃には、壮年もしくは老人となります。老人となれば職業にもよりますが能力が下がり続けます。そこで、次の新しいキャラへ能力を引き継ぎ、引退が出来るようになります。
職業もそうですが、これがこのペンタウァという地に於ける「ソーサリアン」と呼称される冒険者の姿(表の姿は○○、でも裏の姿は、公儀の隠密「ソーサリアン」的な)を良く表していると思うのですが、ゲームをする人のニーズには合わなかったんでしょうかね。
このゲームは、ファルコムより、1つのユーティリティ・各5本×3本の追加シナリオが発売され、非常に息の長い作品となりますが、それについてはまた別の機会に・・・。
また、メガドライブ・PCエンジンCD-Rom2等のコンシューマでも発売され、高い評価を受けています。
メガドラ版「ソーサリアン」全てオリジナルシナリオ ですが非常に良い出来でした。 |
お・ま・け
ファルコム開発陣は、コナミのMSXゲームが大好き?
このソーサリアン、ゲームをしていると、いろいろと、面白いワードが出て来ます。シナリオクリア後に拾えるアイテムで、ズバリ「グラディウス」(ARMです)。
最強の魔法はNoi-la-tem(全部の星が掛かった状態)。こちらはMetalion(メタリオン)MSX版グラディウス2の自機の逆さ読み。発動した際の魔法は、レーザーにミサイルを装備した様な効果。
特に剣に「グラディウス」と名付けたセンスは秀逸で、この後、ダイナソア、他社のゲーム等に模倣されてゆくこととなります。
忘れちゃいけない。X1はエンディングも唯一無二! |
(注1)昔のゲームメーカーの通販はおまけがスゴかった!ファルコムはシール、缶バッジ等おもちゃ箱を開けるような感覚で楽しかったですねー。
(注2)X1版の発売以降、サントラCDの音源は全てX1版が基本となります。
(注3)実際に「ロマンシア」もシナリオの1つで入っているが、自虐的で、こちらの方が遥かに面白い。
0 件のコメント:
コメントを投稿