春と、ゲームと、ラブレター
※画像はイメージです |
高校3年の春、産まれて初めて「ラブレター」を貰った。送り主は、その年入学したばかりの1年の女子。これまで会った事も話をした事もない女性だ。
どうも私に会いにわざわざクラスを訪れたみたいで、手紙を受け取った女子達が自転車置場で帰り支度をしていた私のところへ持って来てくれた。
そういう経緯があった為、最初は、クラスの女子のドッキリかと思った。
正直、身に覚えが無かったからだ。
そう身構えながらも、はやる心を抑えながらポーカーフェイスで家まで帰った。
家に帰ると、一目散に部屋へ入り手紙を開封。
中に入っていたのは「新海誠」氏の初期作品に登場しそうな、可愛らしい手紙。
どうやら、彼女は普段からこっそりと僕のあとをついてきたりしていたらしく、「ご迷惑でしたか?」(全然気付いていなかった)なんて文章が綴られていた。
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瑞々しい、本物の「ラブレター」が、そこにはあった。
時は高3、あるとき、電気店を訪れた僕は、とんでもないものを目撃する。
それは、パソコン誌なんかでも予告を見たことが無い、(注1)コナミの新作ソフト、「魔城伝説」である。
正直、懐は厳しかった。だが、他ならぬコナミの新作である。「買う」以外の選択肢は無かった。
完全な嫌がらせパネル。 相手の弾や突進を防いでくれる訳ではありません。 |
特に、敵の攻撃が厳しくなる後半のステージは、敵に向かって打ったつもりが、隠し「?」パネルに阻まれたり、橋が見つからずスクロールに押しつぶされたりと、いわゆる「初見殺し」として働きます。
眼前には川!でも・・・橋が無い!絶体絶命! |
弾除けに便利?障害物が無ければ、壁抜けが出来ます。 |
攻略パターンを見つける事が重要となるのですが、そこはコナミ。
絶妙の難易度で少しづつ先に進めるようになっていきます。
そう・・・何度もプレイすれば必ず。
悩んでいた。
柄にもなく本気で。
弟はステージ6。僕はこの辺りが限界でした。 |
「MSXを置いてある部屋では、相変わらず友人たちがゲームに興じ、無邪気な笑い声を上げていた。
その声はひどく子供っぽく、また、同時に、かけがえのないものに思えた。
手紙で指定された場所に行くと、そこには数人の女子グループが待っていた。
私が近づくとグループが割れ、一人の少女が歩み寄って来た。のちに同級生には「フツーな娘だった」とうそぶいたが、僕には過ぎたほどの美少女だった。
そして・・・。
ごめんなさい。」
「ちょっと先輩!」「えーっ!」周りの女子からの声。
彼女の顔を二度と見ることが出来ず、逃げるようにその場を後にした。
今にして思えば、
・・・坊やだからさ。
この一言に尽きる。
正直・・・
頭がどうかしていたとしか思えない所業です!
せめて、「お友達から・・・」なんて台詞が何故、出なかったのか。
まぁ、歴史にIFは無いように、人生にもIFは無い。
そして、美少女をフッた私の高校生活も、この後、浮いた話の一つも無く、いわゆる「友情深めEND(注2)」を迎える事になるのでした。
・・・めでたし・めでたし。
・・・めでたくねえよっ!
お・ま・け
この後、しばらく塩漬けになっていた当ソフトですが、数年後、ある日友人が我が家に持って来た「新10倍カートリッジ」(注3)の、どこでもセーブ機能にてクリアする事が出来ました。
中央の白いやつがボス。 見かけによらず、強い。 |
(注1)単なる見落としだろうが、本当にノーマークだった。
(注2)美少女ゲームでラストシーンに男の顔しか出ないヤツ。初見でこのENDを迎えるとモニターを叩き割りたくなる。
(注3)「新・ゲームを10倍楽しむカートリッジ」。我が家で意外と活躍。
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