2014年11月25日火曜日

グラディウス2 (前編)

Ⅱとは違うのだよ!

グラディウス2

宇宙軍担当官(以下「担当」):大変だ!大変だぁ!

グラディウス2
ジェイムス・バートン(元ビックバイパーパイロット:以下「ジェイムス」):何だ、その、一昔前の時代劇みたいな慌て様は?

担当:あ、バートンさん、ここにおられたんですか!

ジェイムス:ああ、もう定時なんで、早めに上がって、家でロックでもやろうかな・・・と。

担当:のんびりバンド活動なんてやっている場合じゃないですよ!大変なんです!

ジェイムス:・・・いや、そっちのロックじゃないんだが・・・。

担当:って、そんな事どうでもいいですよ!大変なんです!脱獄囚の「ヴェノム」が、スペースプラントを占拠して、反乱を起こしたんです!

ジェイムス:「ヴェノム」って、数年前に、実験に失敗して逮捕されたっていう科学者だろ?いつの間に脱獄したんだ?

担当:いや、あれは宇宙科学庁長官によるクーデターだったんですけどね・・・。

ジェイムス:まあ、どっちでもいいや、青びょうたんの科学者風情が内乱なんて100万年早いぜ、俺様が朝飯・・・いや、晩飯前に片付けてやる!

担当:あ、これが先ほど送られて来た、犯行声明の際の「ヴェノム」の画像です。

グラディウス2


グラディウス2
ジェイムス:・・・誰だよ?
ジェイムス:・・・っていうか、スゲー風体が変わってないか?大体、目はそんなに要らねーだろ!

担当:どうも、「バクテリアン」に改造されたみたいですね。戦闘力も格段にアップしてるみたいです。

ジェイムス:イヤだよ。おっかねーよ。やっぱ、定時だから今日は帰らせて・・・。

担当:今更何言ってるんですか!最新鋭の戦闘機も用意して、皆、貴方が来るのを待ってるんですよ!

ジェイムス:最新鋭って、この前開発に成功したっていう?

担当:ええ、「メタリオン」です。

ジェイムス:おっ、噂のアイツに乗れるのか!・・・って、危ない危ない。また、以前(グラディウス1)みたいに、ワンマンアーミー状態で敵の中に放り込まれるんだろ?あの時は、マジで寿命が縮んだぞ!悪いが、もう、その手は食わないぜ!

担当:・・・では、どうしても嫌だと?

ジェイムス:(否定しないってことは、やはり図星だったか・・・)男に二言は無い。

担当:・・・残念ですね。今の言葉を聞いたら、この星の女性ファンがどれほど悲しむか・・・。

ジェイムス:おい、ファンて何の話だ?

担当:軍規の都合上、バートンさんには内緒にしていたんですが、あの勝利以来、妙齢の女性からのファンレターが大量に届いているんです。

ジェイムス:何だって!

担当:更に、貴方を次期皇帝にとの声もあるのです。

ジェイムス:本当か!?

担当:(ボソッ)・・・皇帝の後宮は美女揃いって話でしたのに、残念だなぁ・・・。

ジェイムス:何をしている!格納庫は何処だ!

担当:えっ!

ジェイムス:メタリオンかメタリカだか知らないが、俺が乗りこなしてやるぜ!待ってろよ!ヴェノムの野郎~!!(格納庫へダッシュ)

担当:・・・噂通り単純な方で良かった。

 グラディウス2

ジェイムス:よっしゃ~、行くぜ!

グラディウス2

ジェイムス:おらおらおら!雑魚共、道を開けやがれ!
ジェイムス:・・・。
ジェイムス:う~ん、この機体、性能は悪くないんだが、何か、進化が無いというか、ビックバイパーと何も変わらないというか・・・。

グラディウス2
コンピューター(以下COM):私が説明しましょう。

ジェイムス:うわっ!誰だ!

COM:申し遅れました。私、メタリオン搭載のコンピューターです。以後お見知りおきを。

ジェイムス:・・・コンピューターって、まんまだな。まあいい、どういう事か説明してくれ。

COM:言葉で説明するより、実践していただいた方が早いかと。行きます!

ジェイムス:どわあああぁぁぁっ!何ボスキャラに突っ込んでんだ!死ぬ~!
ジェイムス:・・・。
ジェイムス:・・・?

グラディウス2

ジェイムス:ここは?

COM:敵の戦艦の中です。

ジェイムス:まさか、こんなステージが・・・。うわっ、砲台がある。何だ、このコンペイトウみたいなヤツは?

COM:まごまごしてるとやられますよ!

ジェイムス:そんな事言われたって・・・。うわわわっ!

ちゅどーん!(やられた音)

ジェイムス:・・・おい!

COM:はい?

ジェイムス:何だ今のは!?コンティニューが無かったら、今頃死んでいたぞ!

COM:(そういう問題かな?)そんなに難しいステージでは無いと思いますが・・・。

ジェイムス:俺はあっちこっちからじわじわ来るのが苦手なんだよ!

COM:次はやられずに敵艦の中心部までお願いします。

ジェイムス:・・・まったく、どいつもこいつも好き勝手言いやがって・・・。おっ、いかにもって感じの、ここが中心か?

グラディウス2

ジェイムス:おおっ、これは。「アップレーザー」だと?新しい武器を手に入れたのか!?

COM:これは、なかなか使えますよ。こうやって敵艦の中心部から兵器を奪って、パワーアップしてゆけるのです。短時間で敵艦を沈黙させることが出来れば、一度に二個の兵器を手に入れる事も出来ます。

ジェイムス:ようやく面白くなって来たじゃないか!この調子で、ヴェノムのヤツをぶっ倒してやるぜ!

COM:あ、待ってください。

ジェイムス:なんだよ?せっかく調子に乗って来たところで。

COM:長くなったんで、今回はここまでにしたいと思います。後編をお楽しみに!

ジェイムス:何じゃそりゃ~っ!

2014年11月7日金曜日

悪魔城ドラキュラ(ディスクシステム版)

伝説の第1作目

Castlevania
映画を意識したタイトル画面。
「悪魔城伝説」にも受け継がれています。

普段、パソコンを中心にゲームをプレイいていた当時の私ですが、無論ファミコンゲームもやっておりました。
試験期間で、学校が半日で終わる時は、そのまま友人の家に上がり込み、日が暮れるまでファミコンを遊ばせてもらっていましたし、我が家自体も、前述の通り友人達の溜まり場と化していたので、誰かが買ったファミコン本体とディスクシステム(とソフト)が常にリビング設置されているという状態にありました。
従って、友人達が居ない平日や夜間は、最新のゲームが遊び放題という、今から思えばとても恵まれた状態にありました。(お陰で学校の成績は下がりまくりましたが・・・)

ただ、やはり、自分で購入したソフトに愛着があるので、やりこむのはパソコンゲームがメインで、ファミコンの方は、ちょっと触れてみる程度のプレイしかしないソフトが多かったです。

Castlevania
渋めの美しいグラフィック。雰囲気タップリです。

そんな中、友人が「凄いゲームがある!今度持って来るから是非やってみてくれ!」と持ってきたのが、発売されたばかりのディスクタイトル「悪魔城ドラキュラ」でした。

Castlevania
ゴシックホラー的な世界観で、
統一されたグラフィック。

ディスクの読み込みももどかしく、プレイを開始。

他のディスクシステムのタイトルと同様に、ネームエントリーからスタートします。
「ゼルダの伝説」の様なRPGとは異なり、アクションゲームなのにセーブが可能とは、斬新だと思う反面、ゲームの難易度の高さを予感せずにはいられません。

ゲームは巨大な城を前に、主人公が佇む所から始まります。
ディスクの容量(といっても、メガロムが登場するまでの話ですが・・・。)を生かした美しいグラフィック。
ゲームが始まってからも、陰影を強調した独特の背景がゲームの雰囲気を盛り上げます。

Castlevania
ステージクリア時には、次のマップが
表示されます。先は長い!

舞台であるドラキュラ城は6つのブロックで構成されており、それぞれのブロックには3つのステージがあります。
また、3番目のステージの最後にはボスキャラが待ち構えており、それを倒し、赤い玉(?)を手に入れることでステージクリアとなります。

Castlevania
中間地点のステージ9。背後にラストステージ
であるドラキュラの塔が!

プレイヤーを迎え撃つ敵キャラは、ゾンビ・スケルトン・半漁人・フランケンシュタインに果てはミイラ男(!?)なんていう豪華な顔ぶれから、せむし男等の古典ホラー映画ファンがニヤリとするキャラまで、まさにごった煮状態です。

こんなに個性の強いキャラを総出演させると、パロディー色が強くなりがちですが、違和感なくゲームに馴染ませているのは流石と言えるでしょう。


Castlevania
地下から脱出してホッとしたのもつかの間・・・。

これらの有象無象に、主人公は単身挑んでゆく訳ですが、メインの武器はムチ1つというストイックなもの。
途中、点在する燭台を破壊したり、モンスターを倒す事で、武器のパワーアップやサブウエポンが装備出来ますが、それらの使用回数も有限(ハートの数に応じて)なので、状況に応じた使い分けが攻略の鍵になります。

Castlevania
待ち構えるのはフランケンシュタイン。
せむし男が鬱陶しいです。

ゲームは、一発死等の初見殺しのトラップも多く、全体として難易度は高めです。

しかし、セーブ機能やコンティニューを駆使すれば、各ステージをじっくり攻略する事が出来る為、アクションが苦手な方でも、時間を掛ければクリアは可能でしょう。

更にテクニックを磨いてゆけば、凝った演出と相まって、アツいプレイが可能となります。
二度、三度と繰り返しプレイしたくなるのも、このゲームの不思議な魅力の1つです。

Castlevania
実験室ステージ。眼前には、
犠牲者が横たわっておられます・・・。

これまでのゲームと言えば、可愛くデフォルメされたキャラクターが多かったファミコンに於いて、大きめでリアリティのあるキャラ、しかも、背景は徹底したゴシックホラーテイスト。(ホラーをウリにしている「魔界村」ですら、ユーモラスな部分がある。)
特に、ブロック5の実験室などは、苦手な人は嫌悪感すら憶えるであろう演出が為されています。

静まり帰った田舎の実家で、夜更けに一人、上記ステージをプレイしていた際は、本当に恐かったのを憶えています。

Castlevania
ドラキュラへの最後の関門、死神。
倒すのにかなり苦労しました。

演出面で、もう一つ感じるのは巨匠・宮崎監督の「ルパン三世・カリオストロの城」の影響です。

危険な罠が張り巡らされた巨大な城。
ドラキュラ伯爵が待ち構える、最終ステージの塔。
地下へと続く落とし穴。
人骨で埋め尽くされた地下水路。
塔の中の巨大歯車。

Castlevania
時計塔(?)のステージ。次々と運ばれるせむし男が厄介。

アニメのインパクトは強烈で、このゲームに限らず、多くのソフトに影響を与えました。

ただ、多くのゲームが(そのものズバリのタイトルのものも含め)シュチュエーションの再現に終始しているのに対し、そのイメージを上手く昇華し、アクションゲームとして高い次元で完成させたコナミのセンス・技術力は、現在でも感心させられます。

このソフトはコナミの看板タイトルの一つとなり、現在でも続編が作成され続けています。

バーチャルコンソールでも手軽に遊ぶ事が可能ですので、全ての元となった伝説の1作を、是非体験してみて下さい。

2014年11月3日月曜日

T&Eソフト

我が心のT&Eソフト


T&Eソフト
このロゴにいつもワクワクさせられました!

唐突ですが、私はT&Eソフトのゲームが大好きです。

ハイドライドの発売以降、雑誌の広告等で、常に動向を注目してしまう魅力がこのソフトハウスにはありました。
残念ながら、機種の都合上、遊べていない作品もありますが、今回は所有していたソフトを中心に、思いつくままに書いてゆきたいと思います。


MSXで2番目に購入したソフトは、「ピラミッド・ワープ」でした。
意識した訳でなく、弟が偶然買ってきていたものですが、実はT&E初体験のソフトでした。
ランダム性が高いソフトですが、宝箱から何が出るか、スリル満点です。


T&Eソフト
MSX初期の作品ですが、
ちゃんとエンディングもあります。

X1で「ゼビウス」の次に購入したソフトは、「ハイドライド」でした。
以前に当ブログでも触れましたが、X1版でしか味わえない美しい画面に酔いしれました。

T&Eソフト
X1ユーザーは思い入れの強い作品の一つでは?

もちろん、続編である「ハイドライドⅡ」も購入しました。
画面構成は前作と異なり、他機種版と同様になりましたが、X1版だけは、画面端へ行くとスクロールしたり(ハイドライド3方式)、川の水がスクロールしていたりしていました。

T&Eソフト
難易度の高さばかりが取沙汰されてますが、
当時はそう思いませんでした。

夢のマルチプラットフォームを実現した、「ディーヴァ」。
アクションゲームとなる惑星戦が熱いゲーム!
よく友人と、2機でプレイしていました。
スプライトを持たないX1で、こんなスムーズなキャラの動きが出来るんだ・・・と、感心した記憶があります。

T&Eソフト
X1に2個ジョイパッドを差して、
友人とプレイしていました。

まさか、自分のMSX1で、「ハイドライド3」がプレイ出来るとは!
MSX1の限界に挑んだ作品と言っても良いでしょう。
PC-88版と変わらない内容で遊べます。グラフィックも芸術品!

T&Eソフト
とてもMSX1とは思えないグラフィック。
MSX2専用版も出ていました。

スムーズスクロールは無くなりましたが、ゲーム性は大幅にアップした「スーパーレイドック」。
オープニングの音声合成にもビックリ!

T&Eソフト
これも、友人と2人プレイで攻略しました。

MSX版を持っているのに、店頭デモを見て即買いしてしまった「X1版スーパーレイドック」。
「ディーヴァ」で培った技術が、いかんなく発揮されています。

T&Eソフト
FM音源によるBGMも素晴らしいです。

ベーマガ誌上で、メーカーから「技術的に発売は無理。」・・・とのアナウンスがあったのに、技術と根性で発売に漕ぎ着けた「X1版ハイドライド3」。
MSX版をクリアしていても、十分楽しめました。
サウンドはX1版がピカイチです!

T&Eソフト
MSX版も頑張っていましたが、
やはりハイレゾは美しい。

「画面数という言葉は死語となる!」のキャッチで一世を風靡したAVG「サイ・オ・ブレード」。
スナッチャー」の後塵を拝する結果となってしまったのは残念ですが、こちらも素晴らしい作品です。
コマンド選択式ではなく、ジョイパッドを使って画面中のものを選択するスタイルが斬新。
X1版は、特にサウンドが素晴らしい。

T&Eソフト
宇宙と地上で、主人公が二人居ます。
ストーリーも良く出来ています。

ポスト「ハイドライド」として制作された意欲作、「ルーンワース・黒衣の貴公子」。
こちらも、大好きな作品です。
RPGなのにテキスト量が多く、世界を観光気分で歩き回っているだけでも楽しめました。
サウンドボードⅡ対応で、扉を開ける音とかがリアルに聞こえます。

T&Eソフト
非常にテンポの良い作人です。
2・3が98版しか出なくて残念。

ハイドライド」ヒット以降、常に新しいものを追いかけ、それをユーザーに提示してきた感のあるこのソフトハウス。
荒削りな部分もありましたが、そこが、ファンである自分にはたまらなく好きな所でもありました。

他のPCで名を馳せたソフトハウスと同様に、Windows移行期にフェードアウトしてしまったのが残念でなりませんが、ソフトは(今更ながらに入手した、98版の「ハイドライド3SV」など)今でもぼちぼち遊んでいます。

機会があれば、ここで紹介したそれぞれについても語ってゆきたいと思います。

2014年11月1日土曜日

夢大陸アドベンチャー

まさに夢のソフトです。


夢大陸アドベンチャー
相変わらず美しいタイトル画面。コナミの芸術です。

グラディウスでMSXユーザーの度肝を抜いたコナミから、その熱も冷めやらぬ中、新たにリリースされたメガROMタイトル。
それが今回紹介する、「夢大陸アドベンチャー」です。


夢大陸アドベンチャー
どのタイトルの続編?ファミコンユーザーの方も、
この画面でピンと来るのでは?

タイトルこそ違いますが、初期のMSXマガジンの誌上ランキングにて、常に上位をキープしていた(・・・と、思う。)ソフト、「けっきょく南極大冒険」の続編(?)です。(注1)

疑似3D画面を、主人公のペンギンがゴールを目指して疾走するというコンセプトこそそのままですが、全てに渡って大幅なパワーアップが施され、かつ、それが盛りすぎになる事なく、高い完成度を誇るゲームとなっています。

夢大陸アドベンチャー
先は長い!ポーズをかけ、
しばらく待つと主人公が・・・。

前作は教育ソフト(?)という触れ込みであったため、南極大陸を舞台に、各国の基地を訪ねて回るというゲームでしたが、今回は病気のお姫様を助けるために、幻の「夢大陸」に生えるゴールデンアップルの実を、主人公が取りに行くというストーリー。

ステージ数も一気に24ステージと、大幅なボリュームアップを遂げています。

また、前作で氷上一辺倒だったステージ構成は、大きく変貌を遂げ、洞窟や水路、海中から流氷・果ては宇宙(!?)まで・・・と、変化に富んだものとなっており、プレイするユーザーを飽きさせません。

夢大陸アドベンチャー
水路。軽快なサウンドと相まって、
好きなステージの1つです。流木に注意!

夢大陸アドベンチャー
ステージ脇から現れた羽根にぶつかると・・・。

夢大陸アドベンチャー
なんと宇宙(ボーナス面)へ!
雲がアニメーションする、眼下の地球が美しいです。

ステージの途中には、前作でおなじみのクレバスの他に、小さなクレバスが存在します。
そこに、わざとはまると、中はお店(バザー)となっており、ステージ途中で拾った魚の数に応じて、アイテムを獲得出来ます。
これが、結構重要で、売られているアイテムが次のステージの攻略に重要だったり、ステージが変わると同じアイテムが売られていなかったり、果ては「地図」なるアイテムを購入できていないと、永遠にループするステージがあったりと、侮れません。

バザーには、普通のお店のほかに、いかにもな風体の店主が経営する「悪徳ショップ」と、タダで1つだけアイテムをもらえる「サンタクロースの家」があります。
「悪徳ショップ」は、アイテムの値段がバカ高いので、買い物は出来るだけ避けたいところですが、前述の「地図」が必要なステージなどは、涙をのんで買わざるを得ない場合もあります。

夢大陸アドベンチャー
こちらは普通のお店。地図は必携のアイテムです。
スロットマシンで一攫千金も!

また、アイテムの中には、ステージ途中で特定の行動をする事で手に入る「隠しアイテム」が存在し、その入手如何でゲーム(特に後半のステージ)の難易度が大きく変化します。
何点かは普通にプレイしていて発見出来たのですが、重要なアイテムは本当に難しく、クリア後に雑誌で情報が出るまで分かりませんでした。


夢大陸アドベンチャー
今回はボスキャラも登場。鉄砲を持っていない場合は、
目の前の杭を打ち込むと倒せます。

容量アップに伴い、敵キャラも大幅に増加しました。
クレバスからひょっこり現れるアザラシこそ居なくなりましたが、スライム・コウモリ・アホウドリ、果ては3ステージ毎に登場するボスキャラ「フリーザウルス」など、多彩な敵キャラが登場し、主人公の行く手を阻みます。

特に後半のステージの難易度は凄まじく、火の玉が降り注ぎ、岩や壁がせり上がる道を、コウモリやスライム、アホウドリの攻撃を避けながら疾走するという、世紀末的なシチュエーションが展開されます。(最初にクリアした際には、アイテムも拾えてなかったので、まさに地獄でした。)

夢大陸アドベンチャー
ボスキャラを倒すと、条件に応じて子ペンギンが登場。
主人公を讃えてくれます。

また、このゲームは、エンディングがある事が珍しかったこの時代に、マルチエンディングを採用しています。

ゲームを最初にクリアしたのは友人でしたが(自分で見たかったので、僕は席を外していました。)、見事にバットエンディングに当たってしまい、大いにショックを受けていたのを憶えています。

その後、自分もクリア出来、その時はグッドエンディングだったのですが、当時は発生条件が何なのか分かりませんでした。

夢大陸アドベンチャー
念願のゴールデンアップルを獲得!
でも、ここが折り返し点です。

難易度は比較的高めな今作ですが、古ゲーにありがちな理不尽な難しさではありません。
ゲームの展開もアップテンポで、ゲームオーバーになってもついつい、遊んでしまいたくなる楽しさがあります。

友人達と、代わる代わるプレイし、何ヶ月もかかって攻略しましたが、最後は皆クリア出来るくらいに上達できました。
この辺りも、ゲームデザインの妙というところでしょうか。

アイテムやワープ等の隠しフィーチャーを活用すれば、更に安定した攻略が可能になります。


現在でも、PSアーカイブス・バーチャルコンソール等で遊ぶ事が出来る当ゲーム。

自分自身、年に数回は思い出したようにプレイしています。

機会のある方は、現在でも色あせない名作を、是非遊んでみて下さい。


PS.余談ですが、このゲームは、我が心の師「小島秀夫監督」も、ちょこっと関わっていたそうです。(アイディアを何点か出しただけだそうなので、エンドクレジットにも名前が載っていませんが。)
そういえば、「MGS4」でサニーちゃんもこのゲームをプレイしていましたね。

注1:あくまでコナミのゲームとして。ストーリーの関連性は無い。(前作は、各国の南極基地(および南極点)を巡る。学習(?)ソフト。サブタイトルに「I Love 地理」と、書かれていた。

2014年8月11日月曜日

ザナドゥX1(テープ版)

奇跡!

ザナドゥX1(テープ版)
夢にまで見たあの画面が自分のパソコンで!

奇跡が起こった。
人は、実現不可能と思われたものが、可能となった時、本当に感動する。

80年代半ば、パソコンゲーム界は、熱狂に包まれていた。
現在(2014年)にいたるまで、販売記録(・・・といっても40万本くらいらしいが)を抜かれた事がないとされる、パソコン界空前のヒット作。
「ザナドゥ」の登場である。

メーカーは、いまもコンシューマー・PC界で活躍する老舗、日本ファルコム。
私の知る当時は、「ドラゴンスレイヤー(1)」なども発売されていたが、「デーモンズリング」「アステカ」や、アダルトゲームなんかも売ってる、ソフトハウスでもありました。

そんな、ちょっとチェリーボーイが手を出しづらい雰囲気(失礼)を発していたソフトハウスから、突然アナウンスがあったのが、「ザナドゥ」である。

ザナドゥX1(テープ版)
王様に謁見。FD版と比べて画面が小さいです。

前作、ドラゴンスレイヤーに比べ、圧倒的に洗練されたグラフィック。
よく見れば、少ない色数で表現されている事がわかるが、プレイ中は、まったくそんな事を感じさせない。それどころか、統一感のある雰囲気を作り出すことに一役買っている。
プレイヤーキャラクターは装備品によってグラフィックも変化し、様々なバリエーションを楽しむことが出来る。
世界は10の階層からなるマップで構成されており、更に、それぞれのマップに複数のタワーが存在し、中を探索出来る。
敵キャラクターもバラエティに富んでおり、素早いヤツ、魔法を使ってくるヤツ、倒すとカルマが上がるヤツ、果てはデカキャラとプレイヤーを飽きさせない。
しかも、これらが非常にテンポ良く展開し、アクションRPGとして高い次元で成立させている。

時代を一歩も二歩も先取りした、まさに「夢のソフト」と呼ぶにふさわしい内容だった。

ザナドゥX1(テープ版)
ショップ画面はちょいと寂しい。
プレイに支障はありませんが・・・。

雑誌の広告を、穴が開くほど眺めながら、期待とは裏腹に、ある不安が首をもたげてくる。

「このソフトって、フロッピー専用では・・・?」

コンシューマー機でも大容量の光メディアを扱うことが出来る現在と違い、当時のパソコンの媒体の主流は磁気メディア。
しかも、テープかフロッピーディスク。
更に言ってしまえば、X1がもう一台買えてしまう位の値段がするフロッピードライブなど、学生の身で手にするのは、夢のまた夢であった。(親パワーで、軽くX1turboとか、88SRとかを買ってもらっているヤツも居るには居たが・・・。)

案の定、先陣を切って発売されたX1版に、「テープ」の文字は無く、月日の経過と共に、テープユーザーの間では、諦めムードが漂っていた。

ザナドゥX1(テープ版)
隠しアイテムショップもちゃんとあります。
まさか、こんな所にあったとは・・・。

そんななかの「テープ版発売!」のアナウンスである。
まさに晴天の霹靂!
古い言い方をすれば、盆と正月がいっぺんに来たような大騒ぎである。(自分的にはだが・・・。)

手に入れたパッケージはズッシリと重たく、中には2本のテープとぶ厚いマニュアルが封入されていた。
マニュアルはゲームの説明にくわえ、モンスターについての解説が載っており、読み物としても十分楽しめる内容。何度も読み返したせいで、ゲームクリア時にはボロボロになっていた。


ザナドゥX1(テープ版)
モンスターのシンボルとぶつかると戦闘画面に。
数が多いとびっくり。

さすがにテープ版なので、ゲームを始める前のユーザーテープ(テープC)作成は、マジで1時間程かかりました。

しかし、実際のプレイ時は、X1のカセットレコーダーの読み込みの早さもあって、そんなに気にせず、みんな遊んでいましたね。

ネタで、ゲーム開始に1時間・レベル移動に1時間・デカキャラと遭遇して1時間なんて記事を目にする事がありますが、実際にはそんな事はなかったと思います。(テープが基本だったので、慣れで時間の経過に鈍感になっていたのもありますが・・・。)
各レベルはオンメモリなので、装備を変更(デフォルト設定は外見が変わらない様になっており、装備を変えてもロードは発生しません。・・・でも、みんな変更するモードで遊んでいました。)したり、デカキャラに遭遇しない限りロードが起こらないので、通常のプレイはこの上なく快適で、ゲームに集中する事が出来ました。

ザナドゥX1(テープ版)
デカキャラもちゃんと居ます。
背景が少々さみしいですが・・・。

結局テープ版は、X1特有の機能であるAPSSをフル活用したゲームであった為、他機種で発売される事もなく、また、続編であるシナリオ2のテープ版が発売される事もありませんでした。

ただ、限界にチャレンジしたファルコムの侠気。それを可能にしたプログラミングの素晴らしさは今更ながらに唸らされます。

単なるネタとして語られがちですが、X1のテープユーザにとっては、外すことの出来ない思い出深いソフトです。

2014年6月6日金曜日

グラディウス

MSXを語るのに欠かせない一本


グラディウス MSX
容量にものを言わせ、オープニングCGまで
あります。

MSXのタイトルもだいぶ増えて、そのラインナップも充実してきた頃、発売されるソフトの傾向から、マシンの限界も感じられるようになって来ていた。

自分自身、(このタイトルは出そうだが、流石にこちらは無理だろう・・・みたいな)マシンを使ってきた者だからこそわかる半ば達観した境地にすらなっていた。

特に、当時、急速にシェアを伸ばし始めたファミコンとのラインナップの差は歴然で、例え、同じタイトルの作品が発売されたとしても、クオリティの差に愕然となる事が多かった。

世間では上位機であるMSX2の声も聞こえはじめ、我が愛機もいよいよ消えゆく運命なのか・・・と、思っていた矢先、信じられないビックタイトルの広告が雑誌に掲載された。

コナミの「グラディウス」である。

グラディウス MSX
デカいビックコアに長いレーザー。
FCユーザーのド肝を抜いた?

ファミコン版が先行して発売されていた当ソフト。
友人達の間でも概ね好評を博していたが、一部、ディープなファンからは、「レーザーが細切れ」「ビックコアが小さい・・・」等、惜しい部分もあるとの話を聞いていた。

ファミコンでも再現に無理があるようなソフトがMSXに・・・。
他のパソコンでも多くみられる、高スペックアーケードゲームの無理矢理移植の悲劇の再来となるのでは?
自分にとって信頼のブランドであるコナミだったが、一抹の不安は拭えなかった。


グラディウス MSX
ファミコンではカットされていたシーン
も再現!

そんなこんなで、無事に発売日を迎え、我が手元にやって来たグラディウス。
パッケージには、他のタイトルにには見られなかった、「1MbitRom」の表記が!
期待は否応なしにMAXである。

MSXのスイッチを入れると、いつものコナミロゴ&ゲームタイトルの後に、格好いいオープニングCGが!
グラフィック機能にクセがあるMSXで、信じられない美麗なCG。コナミの並々ならぬ熱の入れ方が伝わる瞬間だ。

そして、ドキドキのファーストプレイ。
始めてすぐに、これまでの心配は杞憂・・・、いや・・・、そんな事を考えていた事すら恥ずかしい行為であったことを悟る。


グラディウス MSX
オリジナルステージも入って、
充実しています。

ゲーム内容は、今更語らなくても皆様良くご存じのものだが、ゲームの完成度は当時の他のMSXゲームの追随を許さないもので、プレイアビリティは非常に高かった。

静止画でみると、一部の敵キャラは単色で少し寂しいが、いざプレイしてみるとそんな感じは全くしない。

各ステージも変化に富んでおり、かつ、これまた非常に良い出来のBGMが否応なしにプレイを盛り上げる。
更に、4面のアイアンメイデン等、ファミコン版でカットされていたシーンが再現されている点も、ファンには嬉しい所だった。

とにかく1プレイ1プレイが楽しく、自然にやり込んでいった結果、最終的には、ヘボい私がノーミスで一週クリア出来る程となっていた。


グラディウス MSX
7面のボス。消えてゆくグラフィックも
再現!


丁度、メガロムが安価に供給出来るようになったという事もあるだろうが、このソフトの発売こそがMSX1という機種のターニングポイントになった事は間違いないだろう。

低スペック故、割り切った移植が多い中で、「無理なのは分かるが、どうせやるなら本物を食うぐらいの移植をしてやろう!」的な、スタッフの気概がひしひしと伝わる1本は、これ以後のコナミソフトに見事に引き継がれ、2登場後もMSX1が延命する原動力となった。

また、それに呼応するかのごとく、他のメーカーも限界を超えたゲームを連発するようになったのは、このソフトの影響があったと言っても過言ではないだろう。

グラディウス MSX
2スロットに「ツインビー」を挿入すると、
自機が!パロディウスの原型です。
グラディウス MSX
ゲーム中ある場所へ自機を持って行くと、
「エクストラステージ」に!

とにかく盛りだくさんなこの1本。

PSアーカイブスの「コナミアンティークスMSXコレクションVol1」で、現在もプレイ可能なので、未体験の方は是非!