2026年2月11日水曜日

余り大きな声で語りたくないソフト(X68000編②)

♪吐き出す台詞はひとつで 今は Don't touch me!

(TVアニメ「よろしくメカドック」OPより)


子供の頃は「クソゲー」という言葉は無かった。
なんせ、親に貰ったなけなしのお金である。社会人になった今だからこそ、肌に合わないゲームというのは、積みゲーとして忘却の彼方へ消し去る事が出来るようになったが、子供の頃はそうはいかない。

・・・そう、無理やりにでも「愛さ」なければならないのだ!

だが、その努力もむなしく愛す事すら困難なソフトが登場し始めた。
X68k信徒のうち、何名かがこれを入手。
彼らは衝撃と共にこうつぶやいたとか、つぶやかなかったとか・・・。
「おおカミよ、何故にアナタは我らの「愛」をお試しになるのです?」

今回はそんなお話です。(なんじゃそりゃ!?)



フルスロットル

いかにもな名前のゲームであります。恐らく「アウトラン」に影響を受けたと思われる、公道レースを題材としております。(画面はPS2版「タイトーメモリーズII 下巻」より)


MAZDA往年の名車RX7(FC3S)を彷彿とさせる外観。
カーマニアなら、それだけでグッとくるというものであります。
そして、このゲームの魅力の一つが一定回数しか使用出来ないニトロの存在。
マンガ「よろしくメカドック」では、チューニングの最終兵器的な扱いをされ、ガソリンに添加して使用すると爆発的なパワーを発揮するシステムである。

次原隆二「よろしくメカドック」より

但し、使いすぎると良くないようで、マンガの中では主人公「風見」がついついアツくなって使用してしまい。エンジンブローを起こしてしまう姿が描かれている。

次原隆二「よろしくメカドック」より

・・・おっと閑話休題。

「ニトロを使え!」と誰かが叫ぶ!

そんなワイルドなスピードのレースを再現した当作品。

思えば、「アウトラン」などは、MkⅢ・PCエンジン・MD・MSX2にまで、(中には無茶移植もあるが・・・)MD、PCエンジンなど良移植で知られているのに結局、X68k版は発売されなかった。


・・・が、そんな悲嘆に暮れるX68kユーザーに向け、「フルスロットル」であります。
しかも、シャープブランドで!(開発はSPS)

シャープとSPSのブランドは、以前「スーパーハングオン」をリリースし好評を博したブランドでもありました。

このゲームを購入したのが誰あろうRyo
一緒に買いに行ったのは私。
その時は、このアト彼の身に起きる悲劇を、誰も知る由もありませんでした。
いつも通り、馬鹿話をしながら電車での行き帰り。

その日、彼の笑顔を見たのはそれが最後となりました。


X68kの前で青くなったり赤くなったりする彼の顔色を見て、我々もどうして良いか分らず声を掛けようとすると、

「今は、Don't touch me!」

彼の背中がそう答えているようでした。
だけど、我々は知りませんでした。

この後、彼の身に起きる本当の悲劇を。


チェイスHQ


図らずも同様のタイトル。同様の(TAITO Z SYSTEM)である。

画面はPS2版「タイトーメモリーズII 下巻」より

今回は声だけですが、各ステージの最初で署のオペレーター「ナンシー」さんより緊急連絡が入り、逃走車両についての簡単な説明があります。

画面はPS2版「タイトーメモリーズII 下巻」より

車は「ポ○シェ」っぽくなりました。
そして、このゲーム最大の特徴が、何といっても、車をぶつけて犯人の逃走を止めるところ。
これまでのドライビングゲームで、車をぶつける事はリスク以外の何物でもありませんでした。
それを逆転の発想でゲームに落とし込み、痛快さを演出するとともに、他のレースゲームとの差別化も果たしています。


画面はPS2版「タイトーメモリーズII 下巻」より

そして前作「フルスロットル」でも路肩にズラッと並んでいた看板「○イアミバイス」を彷彿とさせる主人公達バデイ。

画面はPS2版「タイトーメモリーズII 下巻」より

この演出によりゲームは一気に面白さと知名度を増し、前作とは正反対に様々なハードへの移植を果たしてゆくのでした。

そしてこちらも例に漏れずX68kへ移植されることとなった。TAKERTU専売で、開発はTwinSoftとなっている。余り聞き慣れない名前だ。一応ネットで検索してみると、オーソドックスなAVGを開発しているらしい・・・が。(画像はX1turbo版


 本当にその会社が制作したものかは確証が取れていないので、例え住所が分かっても「不幸の手紙」とか送ったりしない事!
・・・これは。

そしてまたしても信号機のように、顔色を変化させるRyo君。
・・・また引っかかってしまったのですね。

「今は、Don't touch me!」

・・・彼には心を癒す時間が必要なようです。

総評

フルスロットル

こちらのソフトですが、完全にゲーム中のフレームが足りておりません。
そのため、ニトロ使用時にはフルスロットルならぬ、フルバックで走行しているような感覚にすらなります。

さすがにプロが作っているだけあってチェイスHQよりは幾分マシです・・・と、言いたい処ですが・・・、それでは、やはりダメでしょう。
大手メーカーの名前まで冠したソフトなのだから、どちらかでストップを掛け、技術が不足しているのだったら、スタッフ総入れ替えをして再度作り直すくらいの気概が欲しかったです。

チェイスHQ

ええ、何と言いますか・・・。
「何やってんの!?」(ブライト艦長風に)

コースに分岐が無い。コースが殆ど直線。サイレンが鳴らない。逮捕シ⁻ンが無い。など、挙げれば指摘事項に暇が無いほどですが・・・。

決定的なものは技術不足ですね。

また、この世界は物理的に破綻しています。

スピードが上がれば上がるほど、もっさりと動きだす「看板」や「周囲の建物」。
建物が完全に浮き上がり我々と同じスピードでついて来ているような感すらあります。

更に罪深いのがディスク内のテキスト。

「ソースファイルを付けるので、完成させようと思う方はどうぞ。」的な、文書がしゃあしゃあと書かれているではありませんか!

少なくともスタッフは未完成であることを承知の上で売ったのです。

酷い話です。
購入したユーザーの心のみならずX68kのブランドイメージまで汚したこの作品。
もう二度とこのような作品が世に出ないよう、祈るばかりです。

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