2025年4月10日木曜日

マイコンソフト(電波新聞社)

「遊気凜凜」に憧れて。(後編)



前編からの続きです。

高校の頃、近所のスーパーのゲームコーナーで毎日黙々とゲームをプレイしてる同級生が居た。

ゲームの名前は「ギャプラス」。
海外では「ギャラガ3」とも言われていた、ナムコの傑作シューティングゲームである。

時に、一人で。

時に、多くの同級生ギャラリーに囲まれながら。

愚直なまでに、下校時には必ず彼の姿は「ギャプラス」の前にあった。

チャレンジングステージで、多くの敵の編隊を引き連れ画面を跳ね返したキャラクターで、塗りつぶしていく神業!

一体、どれほどの時間とお金をつぎ込んだんであろう?

秘かに、「コイツ、カッコエエじゃねーか!」と、思ってましたね。

当時、所謂「ファミコン」は発売されてはいたのですが、スーパーマリオの様なキラーコンテンツは発売されておらず「知る人ぞ知る」存在でした。
無論サードパーティーなんかは参加しておりらず、ゲームの移植と言えばパソコンが中心でした

しかし、いくら20~30万するパソコンといえど、アーケードゲームとの格差は絶望的なものがあり、「完全移植」の文字を見るようになるのは。X68000の登場を待たねばならなかったのです。

しかし、そんな状況に臆することなく、多くのパソコンに対してナムコのアーケードゲームの移植に果敢にチャレンジしている会社があった。
そう、「遊気凜凜」のキャッチで常に我々をワクワクさせてくれた会社。

電波新聞社(マイコンソフト)である!
さて、今回もX1ユーザーとなった私を感動させてくれたソフト達を紹介していこう!

マッピーNew バージョン
実はMSX版と、X1の古いバージョンも持っているのです。

実はこちらは古いバージョン。
こちらでも、かなり遊びましたねぇ~。

Newバージョンは更にアーケード寄りの演出に。
動きも滑らかになりました。

マッピーがニャームコ達盗賊団を追いかけて・・・。

ナゾのトランポリン屋敷へ・・・。

MSX版にはなかった、
ボーナスステージもちゃんとあります。

ボスコニアン
X68000版が有名ですがちゃんとX1版もあります。
何気に良い出来。

スタート時には、ちゃんと喋ります。

ギャラガ
流石に「ギャプラス」は移植されませんでしたが、こちらも良移植です。
エコーの掛かったBGMがカッコイイ!!

背景は星がスクロールしています。

一旦、敵に奪われた自機を取り戻し、パワーアップ
するのだ!!

ゼビウス
やはり、こちらを目的にX1シリーズを購入した方も多いのではないでしょうか?
以前レビューしたので多くは語りませんが、外せない1本です。

X1版はコントラストが美しい。

ドラゴンバスター
ちょうど、「Enix」からビジュアルシーン満載のPC-88SR版発売が発表された際の事。
「それは趣旨が違うやろ~!」的な記事と共にリリースされたのがこちらです。
なるほど、移植度はX1版が高いですが、どちらの機種もファミコン版を遊び尽くした後のリリースだったので、今更感が強いのが残念だったですね。
つくづく、もったいない!



ドルアーガの塔
ドラゴンバスターの時も思ったんですが。事情があったんでしょうけど、せめてもう少し話題が熱い時期、せめてファミコンより早くリリースされていれば・・・。
恐らくX1シリーズの「中興の祖」となっていたかも知れません。

BGMも、FM音源を彷彿させるクオリティ!

相変わらず、移植度は高いです。

おっと、今日もお時間となりました。

今回記事を書くにあたり、改めて誌面をみてみると「ベーマガ」って、ぼくらの青春の原風景だな・・・と、つくづく思います。
授業中に最新号(誰が買って来てたんだろう?)を、皆で回し読みしたり。
お互い相手のパソコンを(冗談で)けなしあったり。
次の機種は何が良い?・・・とか検討し合ったり。
ペーパーアドベンチャーを作って皆に回したりしてましたね。

授業中に!

・・・閑話休題。
この後、マイコンソフトが培った「技術」は、X68000の登場で円熟期を向かえるのですが、それにつきましてはまた、別の機会に。
では、また。

PS.さまざまなマシンが存在を許された時代・・・何と素晴らしい。

2025年4月6日日曜日

マイコンソフト(電波新聞社)

 「遊気凜凜」に憧れて(前編)


1度移植されているにも関わらず、ニューバージョンが
リリースされたX1版「マッピー」

高校に入学したばかりの頃。

パソコン少年憧れの雑誌があった。
電波新聞社が発行する「マイコン・Basic Magazine」(注1)である。


注1:「ラジオの制作」「マイコン」誌の別冊として、当初発行されていた雑誌が、月刊化されたものらしい。


このブログを普段から見て頂いている皆様なら、説明は不要かと思いますが、雑誌のタイトルにもなっている「Basic」とは、プログラムの言語の一つで、かのMicrosoftの「ゲイツ」さんが、若かりし時に作ったとされている。
シャープ系パソコンのユーザーには馴染みがないかもだが(注2)、当時のパソコンは、内蔵しているROMの中に「Basic」が書き込まれているものが多く、スイッチを入れると直ぐにBasicが起動し、プログラムの入力が出来た。


注2:Sharp系のいわゆる「クリーン・コンピュータ」は現在のパソコンのようなもので、起動直後はモニタプログラムしか起動しない。Basicを起動しようとした場合は、テープとか、FDから起動しなくてはならない。だからこそ、X1にはNewBasicというグラフィック機能を強化した言語や、「C・Cobol・Fortran」などの様々な言語をオプションで購入し、使用する事が出来た。
ちなみにX1用のBasicを制作したのは北海道の雄「ハドソン・ソフト」そう、あの「桃鉄」「ボンバーマン」「天外シリーズ」のハドソンは、OS(?)も作っていたのだ。
名前はHuBasic。Huは、ハドソンの頭文字。
      
確かに右上にハドソンの文字が・・・。

ちなみに「X68000」のOS「HuMan」もハドソン製。リリース当初「バグが心配」と、一部有識者の方々から声が上がっていたが。バグらしいバグの情報は聞かなかった。



おっと、閑話休題。

そんな中、当時のパソコン少年達の心を捉えて放さない雑誌、それがかく言う「BasicMagazine」だった。
内容はなんと、誌面の殆どをプログラムのリストが占めており、当時のキッズ達は一文字も間違えないように、それこそ目を皿のようにしてポチポチと入力していった。
対応いている機種は実に多く、黎明期のグラフィックすらないパソコンから、ハンドヘルドコンピュータ、果てはX68000に至るまでアイディア溢れる投稿ゲームが紙面を賑わせていた。

そんな雑誌のもう一つの姿が、「スーパーソフトコーナー」ベーマガ誌面のゲーム特集の記事である。(注3)


そこには、appleのスーパーソフトの記事から、アーケードゲームの攻略情報。「山下章」氏のアドベンチャーゲームの攻略記事から、果てはゲームセンター毎のハイスコアランキング等、最新のゲーム情報が詰まっていた。

そして、その誌面の広告コーナーのトリを務めたのが、電波新聞社(マイコンソフト)謹製のゲームソフト達である。





「遊気凜凜」(ゆうきりんりん・・・と、読むのだろう)と、銘打たれた広告には、PC-8001・PC-6001・MZ-700系から、X1・PC-8801・FM-7等の8ビット御三家(古い・・・)のゲームまでが、それぞれの特徴を活かしたアレンジで移植されており見ているだけでも楽しめた。
ゲームは、「パックマン」「ギャラクシアン」「ディグダグ」「マッピー」「ゼビウス」等、ナムコの黎明期を支えたアーケードゲームが中心。

MSXのパックマンは持っていたが、スプライトの数の制限で単色であった。

この中で異彩を放っていたのがX1であろう。それぞれの移植の中でも、かなり高い移植度。
「マッピー」などは、1度移植されているにも関わらず、ニューバージョンがリリースされるなど、強いこだわりを感じた。

そして、当時X1でしかプレイ出来なかった、(Tinyでは無い)「ゼビウス」!

これらが、テープで遊べる!何と素晴らしい事であろう!
そして、X1ckを購入した私は、ゲームの世界に溺れ、高校の成績は落ちる一方となっちゃうのだった。

では、ここで電波新聞社のX1向け移植作を何本か紹介していこう。

パックマン
言わずと知れた、「ナムコ」を世界的なビデオゲームメーカーへと押し上げたソフト。
他機種版が何故か横向きのマップなのに対して、X1版はMSX同様、正面からのマップです。



ギャラクシアン
ゲーセンで見るまで、カラーのインベーダーゲームのようなものだと思っていました。
まさか、こんな攻撃をしてくるとは!
「ギャラガ」もそうですが、非常に出来が良いです。



ラリーX
楽しいBGMで、プレイ感覚も非常に良い為、ついつい遊んでしまうソフト。
フラッグを回収しつつ、後ろに張り付いた敵車には煙幕をお見舞いするのだ!


おっと、今日も話が長くなってしまいましたね。(後編に続きます


注3:かつては、別冊付録として雑誌の間に挟まれていたのだが、いつの間にやら本誌の1コーナーとなっていた。
どうも冊子を抜かれる事件が頻発したらしい。