2025年4月6日日曜日

マイコンソフト(電波新聞社)

 「遊気凜凜」に憧れて(前編)


1度移植されているにも関わらず、ニューバージョンが
リリースされたX1版「マッピー」

高校に入学したばかりの頃。

パソコン少年憧れの雑誌があった。
電波新聞社が発行する「マイコン・Basic Magazine」(注1)である。


注1:「ラジオの制作」「マイコン」誌の別冊として、当初発行されていた雑誌が、月刊化されたものらしい。


このブログを普段から見て頂いている皆様なら、説明は不要かと思いますが、雑誌のタイトルにもなっている「Basic」とは、プログラムの言語の一つで、かのMicrosoftの「ゲイツ」さんが、若かりし時に作ったとされている。
シャープ系パソコンのユーザーには馴染みがないかもだが(注2)、当時のパソコンは、内蔵しているROMの中に「Basic」が書き込まれているものが多く、スイッチを入れると直ぐにBasicが起動し、プログラムの入力が出来た。


注2:Sharp系のいわゆる「クリーン・コンピュータ」は現在のパソコンのようなもので、起動直後はモニタプログラムしか起動しない。Basicを起動しようとした場合は、テープとか、FDから起動しなくてはならない。だからこそ、X1にはNewBasicというグラフィック機能を強化した言語や、「C・Cobol・Fortran」などの様々な言語をオプションで購入し、使用する事が出来た。
ちなみにX1用のBasicを制作したのは北海道の雄「ハドソン・ソフト」そう、あの「桃鉄」「ボンバーマン」「天外シリーズ」のハドソンは、OS(?)も作っていたのだ。
名前はHuBasic。Huは、ハドソンの頭文字。
      
確かに右上にハドソンの文字が・・・。

ちなみに「X68000」のOS「HuMan」もハドソン製。リリース当初「バグが心配」と、一部有識者の方々から声が上がっていたが。バグらしいバグの情報は聞かなかった。



おっと、閑話休題。

そんな中、当時のパソコン少年達の心を捉えて放さない雑誌、それがかく言う「BasicMagazine」だった。
内容はなんと、誌面の殆どをプログラムのリストが占めており、当時のキッズ達は一文字も間違えないように、それこそ目を皿のようにしてポチポチと入力していった。
対応いている機種は実に多く、黎明期のグラフィックすらないパソコンから、ハンドヘルドコンピュータ、果てはX68000に至るまでアイディア溢れる投稿ゲームが紙面を賑わせていた。

そんな雑誌のもう一つの姿が、「スーパーソフトコーナー」ベーマガ誌面のゲーム特集の記事である。(注3)


そこには、appleのスーパーソフトの記事から、アーケードゲームの攻略情報。「山下章」氏のアドベンチャーゲームの攻略記事から、果てはゲームセンター毎のハイスコアランキング等、最新のゲーム情報が詰まっていた。

そして、その誌面の広告コーナーのトリを務めたのが、電波新聞社(マイコンソフト)謹製のゲームソフト達である。





「遊気凜凜」(ゆうきりんりん・・・と、読むのだろう)と、銘打たれた広告には、PC-8001・PC-6001・MZ-700系から、X1・PC-8801・FM-7等の8ビット御三家(古い・・・)のゲームまでが、それぞれの特徴を活かしたアレンジで移植されており見ているだけでも楽しめた。
ゲームは、「パックマン」「ギャラクシアン」「ディグダグ」「マッピー」「ゼビウス」等、ナムコの黎明期を支えたアーケードゲームが中心。

MSXのパックマンは持っていたが、スプライトの数の制限で単色であった。

この中で異彩を放っていたのがX1であろう。それぞれの移植の中でも、かなり高い移植度。
「マッピー」などは、1度移植されているにも関わらず、ニューバージョンがリリースされるなど、強いこだわりを感じた。

そして、当時X1でしかプレイ出来なかった、(Tinyでは無い)「ゼビウス」!

これらが、テープで遊べる!何と素晴らしい事であろう!
そして、X1ckを購入した私は、ゲームの世界に溺れ、高校の成績は落ちる一方となっちゃうのだった。

では、ここで電波新聞社のX1向け移植作を何本か紹介していこう。

パックマン
言わずと知れた、「ナムコ」を世界的なビデオゲームメーカーへと押し上げたソフト。
他機種版が何故か横向きのマップなのに対して、X1版はMSX同様、正面からのマップです。



ギャラクシアン
ゲーセンで見るまで、カラーのインベーダーゲームのようなものだと思っていました。
まさか、こんな攻撃をしてくるとは!
「ギャラガ」もそうですが、非常に出来が良いです。



ラリーX
楽しいBGMで、プレイ感覚も非常に良い為、ついつい遊んでしまうソフト。
フラッグを回収しつつ、後ろに張り付いた敵車には煙幕をお見舞いするのだ!


おっと、今日も話が長くなってしまいましたね。(後編に続きます


注3:かつては、別冊付録として雑誌の間に挟まれていたのだが、いつの間にやら本誌の1コーナーとなっていた。
どうも冊子を抜かれる事件が頻発したらしい。

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