2024年11月12日火曜日

クリスタルソフト

 ニッポンのRPG

クリスタルソフト

まだ、日本のコンシューマ向けPCに、ウイザードリィも・ウルティマも移植されていなかった頃の話。
まだ、RPGというものが具体的にどんなものか、何を基準に作れば良いのかどこのメーカーも具体的には分からなかった時代。

あるメーカーはアクションで。

T&Eソフト

あるメーカーはアーケードで

ナムコ

ナムコ


あるメーカーは視覚化で

BPS

だが、ここにRPGというゲームに強いこだわりを持ち、愚直なまでにRPGのみを作り続けたメーカーがあった。
その名を「クリスタルソフト」。
以前、このサイトでもレビューさせて頂きました「ファンタジアン」・「夢幻の心臓Ⅱ」を世に送り出した会社である。

夢幻の心臓Ⅱ X1

こちらは「夢幻の心臓Ⅱ」。
当時のソフトとしては「ファンタジアン」も含め、頭一つ抜けた感じで、非常に遊びやすかった。
特にX1版は他機種のような単色と違い、背景の重ね合わせ処理・多色のキャラクターなど、ビジュアル面でもアドバンテージがあった。

リザード(MSX版・マイクロキャビンが移植)
こちらは打って変わってアップテンポなRPG「リザード」です。BGMが常に流れているわけでは無いのですが、何かする度に「♪チャッ、チャー♪」などと音楽が流れます。リアルタイムっぽい戦闘といい、「和風・極彩色RPG」とでも言ったら良いでしょうか?

Lizard MSX

ダンジョン系RPGですが、明るいノリであっという間にクリア出来てしまいます。これは意外な楽しさでした。

Lizard X1

Lizard X1

MSX版をプレイ中にX1版も発売。更に豪華に、派手になりました。
こちらも買うしか無いでしょう!

Aspic SP X1

「リザード」の続編にあたる「Aspic」です。
極彩色RPGの面目躍如!
FM音源による派手なオープニングBGM
意外にも辛口なストーリー。

Aspic SP X1
戦闘は、更にパワーアップして、それぞれの
モンスターと直に闘えます。

そして、キレの良いゲーム性と、前作の持ち味は上手く継承され、パワーアップしています。

クリムゾン

グラフィックは某RPGに類似しているんですが(「夢幻の心臓Ⅱ」の逆パターン?)、独特の世界観はやはりクリスタルソフト!
「クリムゾン」

クリムゾン

敵キャラクターの、おどろおどろしい所はクリスタルソフトらしいところですね。

アドバンスド・ファンタジアン

X1最後の作品にして、最高のシステムを持った作品。クリスタルソフト、長年の研究の成果を垣間見たような気がした、「アドバンスド・ファンタジアン」!

アドバンスド・ファンタジアン
戦闘シーンは奥非常に奥深い。その代わり
ランダムエンカウントは、ほぼ無い。
タクティカルコンバットで、ここまで楽しいとは!

RPGというものが、テーブルトークの再現を究極の目的にしているとすれば、このゲームは正にその回答そのものではないだろうか。
惜しむらくは、やはりシナリオの短さであろう。
実に惜しい。
エディターのようなものが出ていれば、さらに、シナリオデータを自由にやり取りできる環境があれば、D&Dに匹敵するゲームにすらなるポテンシャルを秘めたゲームと言って良いと思う。

クリスタルソフトはこののち88向けに数本ゲーむを発売した後、T&Eソフトに吸収・合併され、開発の1部門となり、同ブランドにて安田均とグループSNE原作の「ソードワールドPC」という、RPGを開発している。

0 件のコメント:

コメントを投稿