2024年11月28日木曜日

ダイナソア

運命の岐路に立って


Dinosaur(PC-98)


あるとき戦があった。
俺は自分の国を守る為、ためらうこと無く戦に参加した。
戦は、我々の負けだった。

皆殺しの雄叫びの中、どうにか生き残った俺は自分の国と友を失い流れ者の傭兵となった。

世は正に乱世。
戦の種火はそこら中でくすぶっており、商売は不自由しなかったが、両手で数えられる数以上の戦に参戦し、未だ勝利というものを味わった事がなかった。

Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

挙げ句「アッシュ」(灰を撒く者)なんて有り難くない通り名まで付けられてしまった。
傭兵にとって名前などどうでもいい。
短く、自分の部隊のメンバーを識別出来れば良いからだ。

・・・だが、この「アッシュ」は無い。

風評被害もいいとこだ。

兵士は意外と験を担ぐ。俺が隊に居ると知れただけで皆鼻白み、挙げ句因縁をつけ命を狙う輩まで現れた。
無論、場数を踏んだ数は、俺の方が遙かに多い。
そんな三下は誰にも気づかれぬ内にあの世へ「除隊」してもらっているのだが、それにしたってふざけた話だ。

さりとて、戦は大事な飯の種なので、今日も今日とて偽名を使って戦に参加。
が、俺の居た部隊はまたも大敗。
双方、取り返しが付かない程の被害を出し、撤退していった。

いつから、こんな盛大に、「勝利の女神」もしくは「死神」に、嫌われたのか?

ぐにぐにと、地面とも泥とも死体とも分からぬ所を、一人逡巡していると、一匹の蝶に出会った。

Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

碧く、美しい蝶だ。

Dinosaur(PC-98)

ガキの頃を除き、虫けらなど気に留めない生活をしていたつもりの俺だったが、気が付くと魅入られた様に蝶の後を追っていた。

そして気づけば、眼前にその「街」は、あったのだ。

Dinosaur(PC-98)


・・・さて、物語の導入部分をどうしても、文章に起こしてみたかったので、ハズさない程度にでっち上げてみたんですけど、如何だったでしょうか?
本当のアッシュ像と乖離していたら申し訳ありません。

でも、僕の中でのアッシュって、こんなイメージなんですよね。

さて、これを続けているとページが幾らあっても足らなくなるので、そろそろレヴューといきましょう。
この「ダイナソア」ですが、「夢幻の心臓Ⅱ」で一世を風靡した「富一成」氏のファルコム移籍第2弾作品です。(注1)

Dinosaur(PC-98)

「前作」の様なSFマインド溢れる作品も良いんですけど、やはり、「富氏」といえばファンタジー。
しかも、3Dダンジョンに、ダークでビターな作品と来れば、「富氏」全開のストーリーを期待してしまいます。

ゲームは「勝てない」・「死ねない」・「人気が無い」の三重苦で、お悩み真っ盛りのアッシュさんが、街に着いた所から始まります。

Dinosaur(PC-98)

この街ですが、長老を含め、初見のアッシュや仲間達を知っており、しかも、「あなた達のため。」などと、気持ち悪い程の歓迎っぷりです。
傭兵稼業が上手く行っておらず「すかんぴん」状態の彼にとって、町中はある程度ぐるっと見て回るだけで十分です。

装備もある程度のものは持っているので、早速、外出といきましょう。

Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

いきなり地下迷宮へ行く「Wiz」なんかと違い、こちらはソロでフィールド(森)です。何気に分かりにくいマップですが、そんなに広くないのと、時折例の「蝶」が現れて、自分の進む道を示してくれます。

Dinosaur(PC-98)

さて、ここで突然ですが、運命の岐路となります!(結構大きい)

貴方は・・・。


上記どちらかを選んで進むと、物語に大きな変化が生じます。


注1:第一弾は「スタートレーダー」。その前にソーサリアンのシナリオも手掛けておられました。


ダイナソア(表シナリオ)

灰を撒く者たち 

Dinosaur(PC-98)

ダイナソアからの続きです。

城門にまでたどり着いたアッシュですが、城の扉には魔法で封印が施されているようで、アッシュの様な剛の者ですら軽くはじかれてしまいます。


Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

いくらやっても埒があかないので、一端撤退です。

Dinosaur(PC-98)

城を出ようとした主人公は一人の男に呼び止められます。

彼の名は「オルリック」旅の修道士だそうで。「お前も」と言うことは、このおっさんも悩みを見透かされたように、この城へと呼ばれたのでしょうか?

ますます意味が分かりません。おっさんの悩みはどうでも良いですが持っている回復スキルは役に立ちそうなので仲間になっていただきました。

しばらく森を行くとまた蝶が。

Dinosaur(PC-98)

そして、その先には・・・

び、美人のちゃんネーがっ!

・・・しかも、パーティーに入ってくれるご様子。

いやー、俄然RPGっぽくなって来ましたなぁ~。アッシュも、オルリックも心なしか嬉しそうな顔。

「精霊の加護求めて・・・」なんて、中2病をこじらせた様なセリフは気になりますが、おねーさんは、攻撃魔法の達人です。

さて、パーティーの枠にはあと、2人分ありますが、今の所人数が増える気配が無いので、更に蝶の後を追ってみます。

Dinosaur(PC-98)

着いた所は、廃墟でした。

どうやら、かつては「聖域」だったみたいですが、地震かなんかで倒壊し、今では廃墟と化した様です。

おっかなびっくり、廃墟の中へ足を踏み入れると、中央付近に一人の男が。

第4のメンバーかと思いきや、どうも言ってる事がおかしい。ひとしきり言いたいことを喋ると、刹那、男はパーティに襲いかかって来た!

Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

男の言った「後がま」という言葉に、若干ひっかかるものを感じつつも、狂戦士を倒した一行は廃墟の奥に下へ降りる階段を発見し、地下へと降りて行くのでした。

Dinosaur(PC-98)

地上部の敵が、「森」と変らなかった為、軽い気持ちで入っ待っていたのは待っていたのは3層にも渡るハードなダンジョンでした。様々なギミックが行く手を阻み、敵も一変し、いやらしい攻撃が多くなります。

Dinosaur(PC-98)

どの敵もそれなりに強いのですが、注意したいのは他のRPGでは雑魚扱いされる事の多い、「コウモリ」(バンパイア・バット)です。

Dinosaur(PC-98)

何も考えずに闘っていると、眠らせて来たり、仲間を呼んだりと、やりたい放題され、こちらが全滅・・・なんてことはザラです。

また、この地下は城内に入ってからも、もう一度来る必要があります。
そう、未解明の部分が1カ所あったハズです。

かくいう私は、それをすっかり忘れており、ゲームがバグったのかと思いました。

Dinosaur(PC-98)

さて、こうして、最初の試練を乗り越え、城の扉を開ける護符を手にした一行ですが、こちらはまだまだ序盤。
この後、城内にて、「盗賊」・「吟遊詩人」の2名を加え、絵に描いたようなパーティーとなった主人公達は、この地を覆う恐怖と狂気のはらわたを目の当たりにするのでした。

おや?
またしても選択が。

ダイナソア(裏シナリオ)

不協和音

Dinosaur(PC-98)

ダイナソアからの続きです。

城門にまでたどり着いたアッシュですが、城の扉には魔法で封印が施されているようで、アッシュの様な剛の者ですら軽くはじかれてしまいます。


Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

いくらやっても埒があかないので、一端撤退です。

Dinosaur(PC-98)

城を出ようとした主人公の眼前に、城門にもたれかかるように一人の男が立っていました。

言うことがいちいち鼻持ちならない男の名は「ランディ」自称(天才)魔導師だそうで。不遜な態度にアッシュの発言も荒れ気味です。

Dinosaur(PC-98)
Dinosaur(PC-98)

まあ、こちらも場数は踏んでいるのでイキがるガキは軽くあしらって、「我は~」で始まる魔法シリーズは役に立ちそうなので仲間になっていただきました。

しばらく森を行くとまた蝶が。


Dinosaur(PC-98)

「美人のお誘い~」みたいな事を、ランディの奴が言うもんだから、ついつい期待して後を付いて行くと、その先には・・・

美人のモンクならぬ、モンスターの急襲がっ!


Dinosaur(PC-98)

・・・しかも、大口叩いていたランディ、早々に死んでやがるし・・・

ボロボロになりながらもようやく勝利し、獣道へと進みます。

そこへまたしても「ウーティス」のエンカウント!

あっ、という間に全滅の憂き目に遭ってしまいました。


Dinosaur(PC-98)

ここではたと気づいたのですが、開始直後よりセーブをしていません。

Dinosaur(PC-98)


「やばい!」と、思って、「クイックロード」で戦闘開始直後から再開しても、HPがわずかな状態で再スタートするので、1ターンを待たずに全滅です。

ハマった・・・。

結局、最初からやり直しです。

Dinosaur(PC-98)

ゲームを再開したアッシュ一行。今度はちゃんと「セーブ」を行い、獣道を進みます。

奥には、沼地があり、ウーティスの首領とおぼしきモンスターが現れます。

曰く「剣を探している」とのこと。それで、闇雲に剣士に襲いかかる仲間も居るとか・・・。ふざけるな!と、首領にナシをつけ、ついでに城門の封印に関する情報を入手。

神殿跡へ向かいます。


Dinosaur(PC-98)

着いた所は、廃墟でした。

どうやら、かつては「聖域」だったみたいですが、地震かなんかで倒壊し、今では廃墟と化した様です。


Dinosaur(PC-98)
Dinosaur(PC-98)

おっかなびっくり、廃墟の中へ足を踏み入れると、中央の祭壇付近に一人の男が。

第3のメンバーかと思いきや、どうも言ってる事がおかしい。ひとしきり言いたいことを喋ると、刹那、男はパーティーに襲いかかって来ました!


Dinosaur(PC-98)


どうにか狂戦士を倒した一行は、人の声で振り返ります。

Dinosaur(PC-98)
Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

そこに居たのは、超アヤしい雰囲気を纏った僧侶(破戒僧?)「ルオン」でした。
ガン無視されたランディはブチ切れ、アッシュも語気を荒くします。

Dinosaur(PC-98)

そんな雰囲気はどこ吹く風。
どうやら、このお方は場の雰囲気を悪くする天賦の才が、おありなようで・・・。

Dinosaur(PC-98)

ただ、この「ルオン」さん、インパクトのあるキャラとはウラハラに、弱いです。表パーティーの「オルリック」と違い、僧侶のくせに回復系、補助系に弱い・体力も増えにくい・力も弱いの困った3重苦。

この後地下で華麗に死にまくってくれます。

地上部分とは違い、地下は強力なモンスターの巣窟です。
マップもややこしく、いきなり3層もあります。出来るだけ地上でパーティーのレベルをかさ増しし、更に町で装備を整えて臨んだ方が無難です。

また、この地下は城内に入ってからも、もう一度来る必要があります。
そう、未解明の部分が1カ所あったハズです。

かくいう私は、それをすっかり忘れており、ゲームがバグったのかと思いました。



さて、こうして、最初の試練を乗り越え、城の扉を開ける護符を手にした一行ですが、こちらはまだまだ序盤。
この後、城内にて、「女盗賊」・「吟遊詩人」の2名を加え、でも、ちょっとバランス悪い?・・・パーティーとなった主人公達は、この地を覆う恐怖と狂気のはらわたを目の当たりにするのでした。

おや?
またしても選択が。

ダイナソア(総評)

灰の中より生まれたもの 

Dinosaur(PC-98)

結局作っている内にこんなワケの分からない、レビューになってしまいました。

お付き合い頂きました皆様お疲れ様でした。

この、「ダイナソア」は88-FR購入直後くらいに、ファルコム通販で購入しました。

今回、88版でレビューしようと思ったのですが、上手くイメージ化出来ず、後に購入した98版でのレビューとなっております。


Dinosaur(PC-98)

こちらのゲームですが、当時でもあまり見なくなって来た、3DダンジョンのRPGとなります。

フィールドがある感じは、Wizより、マイト&マジックや、ブラックオニキスに近い感じでしょうか?

シナリオも海外のRPGをも凌駕するエグい内容で、プレイする人間を選ぶ、ある意味ファルコムらしくない作品となっております。

ですが、私を含め、心に何らかのインパクトを受け、未だにプレイしている熱狂的なファンが多いソフトであるということもネット等を見れば明らかでしょう。


Dinosaur(PC-98)


3DダンジョンのRPGですが、そこはファルコム。アナログRGBを本格的に使用したOP、美しいBGM、アップテンポな戦闘と、プレイアビリティーに優れた手堅い作りとなっております。

また、ゲームはジョイパッド対応で、2ボタンのパッドで全て操作出来ます。

また、どこでもボタンを押すだけで、戦闘→回復→戦闘と繰り返せる為、連射パッドを利用したスキル(ゲームでは技術)上げも出来ます。(注1)


また、その場で回復が出来る為見落とされがちですが、技術が高くなり、技を修得し尽くすと、宿屋でイベントが起こり、キャラクター同士で技術を教え合ったりする事もあります。(ルオンを除く)

強くなって来ると街迄の帰路が億劫になって、見落とされがちなので注意が必要です。


Dinosaur(PC-98)


ここまで、ベタ褒め状態でしたが、気になる点もあります。

それはエンカウント率の高さです。

快適な操作感の影で最初のウチは「サクサク進むなぁ~。」と、思っていても、その場で方向転換しただけでエンカウントはツラいものがあります。

マッピングしていても気が散って、どこを向いていたのか分からなくなってしまうことも多々有ります。

まあ、エンカウントの多さのお陰で、レベル上げや技術の習得が楽になっているとも思うんですけど、ちょっと多すぎです。

この辺り、もう少しバランス調整が出来ていれば・・・と、残念に思います。


Dinosaur(PC-98)

ゲームは序盤から2つのシナリオに分かれます。当初、表パーティーでクリアした私は、非常に満足していましたが、1つ気になる事がありました。

それは、まだ見た事が無い魔法(「我は~」シリーズ)が、マニュアルに載っているのです。

そして、ある日雑誌のスクープ記事を見て驚愕しました。そこには見たことが無いキャラクターでパーティーが組まれていました。

「我は~」という魔法も、その中の魔法使いが使用する技術とのことです。

驚きました。

まさか、こんな仕掛けを用意頂いているとは・・・。

流石ですファルコム!

このRPGが持つ辛口のストーリーには、以外と裏パーティーのメンバーがしっくりきて、最後まで楽しむ事が出来ました。

特にこれといった才能が無いのに、徹頭徹尾毒を吐き続ける「ルオン」さん。見事なヒールっぷりは惚れ惚れするほどです。


Dinosaur(PC-98)

Dinosaur(PC-98)

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Dinosaur(PC-98)
Dinosaur(PC-98)
Dinosaur(PC-98)
ルオンさんの放言の一例、彼氏の救出を依頼されるも
結局、願いは叶わず・・・。
そんな彼女に向かって放った言葉がこちら

しかも、あのおっさん、最後の最後にとんでもない事をしゃがるし!

Dinosaur(PC-98)

おっと、短く纏めるつもりがこんな長文になってしまいました。

この、ダイナソアは「ダイナソア・リザレクション」というWindows用のリメイクや、EEG等でも遊ぶ事が出来ます。

このゲームで得た「手応え」を更に昇華させ、フルマウスオペレーヨン&地道なダンジョン攻略が売りの「ブランディッシュ」シリーズのブートへと繋がったのでは?




・・・と、僕は思います。


注1:技術上げポイントはズバリ、「町への岩場」!


Dinosaur(PC-98)

ここは出てくる敵は蜂のみ。

宝箱をドロップしない・・・と、好条件。

連射機能の付いたゲームパッドを用意し、ボタンの上に本でも置いて押しっぱなしにする。

技術はそれぞれTP消費の少ないものでOK。


Dinosaur(PC-98)

1晩くらい放置すると、朝には技術のみカンストしたキャラが!

そしたら宿屋に行くのだ!