売られた喧嘩は買わねばなるまい・・・
起動直後FDが排出されてビックリ! 何と、ゲームはオンメモリです!! |
恥ずかしながら、このゲーム、X68000(以下X68k)版を実際に見るまで、稼働している姿を見た事ありませんでした。
こんな私が何を言ってるんだって感じですが、X68k版について語りたいと思います。
以前もお話しましたが、「ゲームセンターでインベーダーゲームをしてはいけない」と、本気で生徒手帳に書かれているような地方のマイナー高校の周辺には、インベーダーどころかバクテリアンすら存在せず、最新のゲームに触れるには、友人たちと電車で数駅先の県庁所在地へ映画でも見に行った際に時間つぶしに寄ったゲーセンに、あれば遊ぶといった感じでした。
よって、サイクルの早いマイナーなテーブルゲーム等は、こちらの知らない内に新しい基盤へと移ろっているという事も珍しくなかったです。
○○のゲーセンに、「沙羅曼蛇」があるらしい、××のゲーセンにSEGAの「R360のアフターバーナー」がと、情報は入るのですが、主な移動手段がチャリという高校時代はゲームの為に、そこまで出張っては行けませんでした。
そんな中、またしても電波新聞社がX68kにて、新なブレイクスルーを起こそうとしていたのです。
何とあの「源平討魔伝」をX68kに移植するという話です。
「源平討魔伝」は鎌倉時代を舞台に、滅びた平家の恨みを晴らすべく、主人公=「平景清」があの世から復活し、「弁慶」・「義経」といったボスキャラと戦いつつ、「頼朝」(!)のいる鎌倉を目指すといったストーリー。
と、ストーリーも仰天ならば、ゲーム内容も仰天の演出。
各キャラクターは音声取り込みで、喋りまくりますし、音楽も超ド派手。
平面モード |
ゲームはトップビューで歩き回れる平面モード・マリオのような横スクロールモード・巨大なキャラクターが画面狭しと暴れまわるBIGモード(ボスキャラ戦)、の3つのモードで構成されています。
横スクロールモードでも竜が暴れ回ったり、山の向こうから、「戯れは終わりじゃ!」と、巨大な頼朝が現れて景清を、これまた巨大な笏でバシバシと叩いてきたり、はたまた全編ダジャレの「ダジャレの国」があったりとプレイヤーを飽きさせません。
また、BIGモード(ボスキャラ戦)では、突然虎が飛びかかって来たり、琵琶法師が鳥獣戯画?(毒キノコ)を投げて来たりと、独特な日本感が炸裂しまくっています。
各ステージは「鳥居」によって分岐・繋がっており、(時には隠れていたり、横スクロールモードでは最初の鳥居の更に向こうに別の鳥居があったりと)こちらを上手く選択することが攻略のキモとなっています。
現代ならアーケードと家庭用機の性能差は限りなく低くなっていますが、当時はX68kを以てしてもその差は埋めがたく、プログラマーの技量が試される場面が多くありました。
そんな中、「ア〇キー」刊のパソコン誌「Log〇n」のX68kのコーナにこんな記事が掲載されました。
(当時の雑誌を実家で漁ったんですが、発見できなかったので自分の記憶の要約になります。間違っていたら申し訳ありません。)
要約するとBIGモードの弁慶の鉄棒をグルグル回すシーンは専用基盤を使っているので絶対再現不可能だろうからスパっと諦めて、別の演出を検討したほうが良いでしょうね・・・的な内容だったと思う。
こちらに強く反発したのが「電波新聞社」の開発陣。
遂に完成となった「マイコンBasicマガジン」1988年5月号の完成・レビュー記事に於いて、「噂が流れて実現が心配された、あの「ぶるんぶるん」鉄棒を振り回す弁慶だって平然とした顔で暴れまわっています。」と、チクリ。
喧嘩を売られたので買った・・・だが、それだけなのでしょうか?
この「源平」に於ける「神移植」こそが、電波新聞社、およびサードパーティーの移植に於ける新たな「マイルストーン」となったのではないでしょうか?
電波新聞社に「塩を送った」アスキー、それに技術のブレイクスルーで答えた電波新聞社の開発陣。
これを機に、電波新聞社のX68kに於ける移植度は飛躍的に向上し、名作「ドラゴンスピリット」・「ファンタジーゾーン」等、「完全移植」の上に更に付加価値を乗せた商品をリリースし続ける事となるのです。
つくづく、いい時代だったのですね~。
注1:「源平」の移植版を語る際どうしてもハズせないのが、コナミからリリースされたソフト「月風魔伝」(ファミコン版)です。
僕もイイ大人ですから、皆までは言いません。
でも、似てますよね?(爆
しかも出来が良い。
「ナ○コ」さんは、心穏やかではなかったと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿