2024年9月24日火曜日

ハイドライド3 X1版

言ったでしょ?奇跡が当然、X1版ってね。


ハイドライド3

ハイドライド3の登場。それは、「移植を待つ」という長い苦難の歴史の始まりであった。

最初に、「PC-88版」・「MSX(無印)版」・「MSX2以降版」の3種類の発売がアナウンスされたのみだった当ソフト。
その事に、毎回多くのPCで商品ラインナップを展開してくれている「T&E」らしからぬ感じを受けた。

ハイドライド3
MSX版の「3」。
こちらもかなり頑張ってます。

ハイドライド3
「森の街」入り口。出るときは慎重に・・・。
下手をすると、出た瞬間「死亡」ということも。

当時、私の所有していたパソコンは「X1turbo」と「MSX(無印)」である。

「MSX(無印)」版も凄まじい移植度で、とても「無印」とは思えないグラフィックではあるが、やはり「PC-88版」の異常なまでの書き込みは、当たり前だが再現は難しかったようである。

「一歩先を行く男」友人のRyo君は、例によって、早々と「MSX(無印)」版を購入し、プレイを見せてくれたり、主に我が家にRomを置いていたので、皆であーでもない、こ-でもないと、意見を出し合いながら攻略していたのを覚えている。

しかし、やはり、「数の論理」から「PC-88」や「MSX版」がリリースされるのは仕方が無いとして、次のラインナップには「X1版」が、来て欲しいものである。

なんせ「ハイドライド」と「X1」はやはり、特別な繋がりというか、思い入れがあるユーザーが多いのではないかと思う。

ハイドライド
こちらX1版の「ハイドライド」。
マップパーツが美しい。

初代「ハイドライド」が、他機種と比べ、美麗にアレンジされていたり、「ハイドライドⅡ」が、密かに画面外に行くとスクロールするようになっていたり、川が何気にスクロールしていたり・・・etc(注1)

ハイドライドⅡ
X1版ハイドライドⅡ。画面端でスクロール。
川も流れます。

心の中でやきもきしていた「X1版」であるが、ある日、衝撃の記事を目にする事となる。
当時愛読していた、「マイコンBASICマガジン」の巻末に、各ゲームメーカーの通信欄みたいなコーナー(注2)があり、そこで、担当者がゲームの情報、開発の進捗等を漏らしてくれるという、現在で言ったら、SNSっぽい感じのものが掲載されていた。その、T&Eのコーナーで担当者の方が、「X1版が、移植不可能な理由」を挙げておられたのです!
曰く、PC-88のFDDはハードの仕様上、アクセス中に音が途切れる事は無いが、X1はそれが出来ないので無理とのことだった。

愕然とした・・・。ハードウエア上の事とは・・・無理なものは、無理である。

それが、1987年12月号であったか・・・(?)。
年が明けて88年5月号、だしぬけにこんな記事が掲載されていた。

ベーマガ
実際の記事。ベーマガを複合機でキャプチャ
したため、ちょっと斜めってる。
実際、スゴい反響だったとか。

「ハイドライド3移植情報」!
そこには「X1turbo版(最終的には無印X1まで対応!!)」の文字が!!
まさに「キセキ」である。

Super レイドック
何もかもが「正当進化!」
スーパーの名に恥じぬ逸品であります!
2人プレイが熱い!

と、同時に、T&Eソフトの「漢気」を感じた。

「スーパーレイドック」の移植の際もそうであったが、手抜きなしでX1ユーザーの要望に応えている感が伝わって来た。

と、なれば「スーパーレイドック」の時と同じく全力で応えねばなるまい。

発売後、速攻で購入!
すでに粗方MSX版でストーリーがわかっているのにも関わらずである。

ハイドライド3
さて、始まりました「ハイドライド3」。
「こん棒」片手に「野人プレイ」といきましょう。
でも、重いのでちょっと後悔。
リーチの長い「スリング」が良かったか?
街を出たら、パッと見渡して、「食人樹」が居なければOK。
居たら、街へ戻って出直しましょう。

でも、結果は「買ったことに、一片の悔い無し」であった。

X1版はFM音源にフル対応。88版(MSX版との違和感を無くす方向性だった)とは、また違ったアレンジでゲームの世界に引き込んでくれます。

ハイドライド3
こちらがスピード調整機能。
引っかかりやすい、狭いダンジョンなんかは、
逆に遅くすると良い?


PC-88版と比べると若干のもっさり感があるような気もしますが、「スピード調整機能」をフル活用して、そんなにストレスなく最後までプレイが出来ました。

ハイドライド3

今回のハイドライドはシステム的に大きく進化し、様々なパラメーターを持っております。

ハイドライド3
「持てる重量」=何でもOKでは無い。
もう一つの窓には「使いこなせる重量」が、ちゃっかり
存在する。装備に注意!


意外と、モンスターより「敵」となるのが「重量」です。とにかく「3」の世界は、装備品から、お金に到るまで重量があり、許容量を越えた時にはその場で、重さに耐えられなくなり、突然スローダウンしたり、モノによっては動けなくなります。
特に、凶悪なモンスターに囲まれ、瀕死の状態でこのような事になったら目も当てられません。

ハイドライド3
今回、唯一フィールド上に置かれている宝箱。
中身は・・・?

ハイドライド3
こちらが件の「両替機」。
今回「重量」の概念に関する制作陣の意気込み
を、感じてしまう。

お金についてはフィールド上の宝箱に「両替機」なるものが置いてあるので、「森の街」の前である程度レベル(LV3くらい)を上げたら、取りに行くのも悪く無いでしょう。
突然、動かなくなった場合は、重量級のアイテムを持たされている場合が多いです。
すぐにメニューを開き、アイテムを捨てましょう。
ジョークアイテムなどはもっての外!
まともそうな武器だって「鋼製の盾」なんかは、立派な足枷になります。

ここいらへんはキャラメイクや、育て方にもよるので、一概には言えませんが、ある意味取捨選択がこのゲームの妙とでもいいますか。
ドラゴンの洞窟の「某ヨロイ」なんかは、○○から帰った後で取った方が良いとか、戦略にも繋がります。(周回プレイじゃ無いと解らんだろうけど・・・)

ハイドライド3
初日を終え、無事レベルアップ!
これで、「ジェリー」は怖く無くなった。
フィールドはもう少し先か。

ハイドライド3
ようやく宿屋へ。
これで、貴方も冒険者。

また、このゲーム序盤がホントにきつい。
兎に角死にやすいのに、宿代が高い!どうにか宿代だけは日が沈むまでに貯めて、町へ帰るようにしよう。逆に、それが出来れば寺院でレベルを上げられ、ジェリーに囲まれたくらいでは死ななくなる。
最初の1日が肝心なのだ。

食料も重要だ。
腹が減ってはモンスターも狩れない。
宿代と食糧それが気にならなくなれば、冒険者の仲間入りだ。

そう、一流の冒険者は、実は超慎重な臆病者なのだ!



さて、こう言ってしまうと、「昔の無理ゲーじゃね?」とか言われそうだけど、これを絶妙なバランスで纏め上げたのがこのゲームの良作たる所以。

ハイドライド3
こちらが噂の「ハーベルの塔」
本当に200階あるが、エレベーター!があるので、
数フロアのみで全踏破の必要は無い。

さあ、本当に200階ある塔を攻略してみるか?
それとも森の街以外の街が無いか探してみるか?
「突然、出来た」という地割れを見に行くか?

あなたの冒険は始まったばかりである。



お・ま・け

実は、現在も98版の「SV」を攻略中です。

ハイドライド3SV

ハイドライド3SV

クリア出来ましたら、またどこかでレビュー出来るといいなー。

ハイドライド3SV

ハイドライド3SV

ハイドライド3SV

もう○○から帰って来たので、後は、「実は超近くにありましたのダンジョン?」を、攻略せにゃ・・・。

あれって、超ムズかったような・・・。SVでは更にボスが追加されているとか・・・。

ひいひい。

PS. 友人のT君は、ラストダンジョンへの入り方が分からなかった為、人面石や、ヘビースライムを狩りまくった挙げ句、ヘビースライム一撃・人面石を二撃で倒せる程の超強キャラへと成長してしまいました。
聞くところによると、ラスボス戦で「ある○法」を使わないでも勝てた!とか・・・。
自由度が高いゲームらしいエピソードです。


注:1 MSX(無印)版も画面外に行けばスクロールする。また、川もスクロールしている。
よく頑張っているとは思うが、解像度の問題で、やはり最高はX1版であろう。
ーまた、「FM7」版を出して、これこそ最高!と、書いてある記事をちらほら見掛けるが、OPがFM音源に対応したというだけである。やはり、例のキーボード問題等があるため、プレイアビリティが良いとは言い難い。また88版と同様、画面端に行ってもスクロールしない(水面も)。

ハイドライドⅡ
こちらがMSX版。画面外まで行くとスクロール。
川も流れています。
プレイアビリティはかなり良いです。

注:2 確か「T&E PRESS 番外編」というタイトルだったか・・・。

2024年9月11日水曜日

F1スピリット

 熱き鼓動の果てに


F1spirit

年号も平成となった頃。日曜深夜。我々は熱狂に包まれていた。プロレス中継で一時代を築いた「古舘伊知郎」氏をナレーションに迎え、最速の男を決める戦いが、世界各地を舞台に開催される。しばらく見ていると、「T-SQUARE」のオープニングBGM「TRUTH」が流れ、ベストヒットUSA・ラジオのパーソナリティで有名な「小林克也」氏のタイトルコールが! 

F1グランプリ!

懐かしいですねぇ。

当時のF1の人気は物凄いものがあり、普段野球の事しか話さないようなおじさんが、「亜久里」の走りは本物か?なんて話を、スポーツ新聞片手に、おじさん同士でしているかと思えば、お姉さん方は「アイルトン・セナ」を追って、鈴鹿へと向かい、「ジャン・アレジ」と「ゴクミ」の熱愛報道に涙を流す・・・と、いった具合であった。

オトコ達は「良いクルマに乗っていなければ、女性に見向きもされない」と、思い込み、信号待ちで隣に同型車が来てもバカにされないよう、ホイール、エアロパーツ等、ドレスアップに給料を注ぎ込んだ。6discのCDチェンジャーからは、当時駆け出しだったB'zのキャッチーな音楽が途切れる事無く流れていた。

そんな時代を見逃さず、ゲームを投入して来たのはMSXの雄、コナミである。

コナミのレースゲームといえば、疑似3Dの良作、「ハイパーラリー」。見下ろし型の「ロードファイター」があるが、今回は見下ろし型である。

今更見下ろし型か?と、言うなかれ!

紛れもない「傑作」が、そこにはあった。

F1spirit
1つ1つのリアクションが、いちいちカッコいい。

F1spirit
スタート時の画面、コマンドを選択すると
パスワードの入出力が出来たりします。

ゲームをスタートしたら、いきなり、SCCによる軽快なBGMが!

この頃になると、音源を使いこなしていたコナミは、このゲームでも傑作BGMを惜し気もなく投入して来る。

特にメインテーマのF1sprit(F1のBGM)は傑作で、現在でも通勤中車内でCDを聞く事があるほど!

(ただあくまで噂だが、開発の際に音源チップが間に合わず、チャンネルが増えるとだけ判ったので、サウンドスタッフは2台のMSXを並べて音楽を制作したとか・・・。恐るべしコナミのスタッフ!因みにこのゲームの未使用曲がA-JAXに使われたという噂も・・・。)

ゲームは、1人のドライバーの成長をテーマにしている。


F1spirit
いよいよ、あなたのレース人生の始まりです。


F1spirit
こちらはF3。

プレイヤーは、いきなりF1パイロットとはなれず、「ストックレース」(注1)「ラリー」(注2)「F3」(注3)からレースを選んでスタートする。

各レースで、それぞれ良い成績を修めると、更に上のカテゴリー「F3000」(注4)「エンデュランス」(注5)が登場。更にこちらをクリアして初めて、「F1パイロット」(注6)となれるのだ。

各カテゴリーを選ぶと、完成品の車から選ぶか、各パーツの組合せをどうするかが出る。


F1spirit
1を選ぶと完成品。2を選ぶと各パーツ選択に。


F1spirit
こちらはパーツ選択画面。最強が必ずしも良いものとは限りません。

パワーの高いパーツを選びがちだが、燃費が悪くなったりピーキーになったりと、逆に難易度が上昇する。初心者は、燃費が良いエンジンがあるので、レース中ピットインしなくて済むものをを選ぼう。それでも十分レースには勝てる。


F1spirit
対戦プレイ画面。舞台はラリー。大荒れの予感。
あと、看板を見ていただきたいのですが、さり気なく
傾斜角度が変わっています。演出が細かい!

また、このゲーム、対戦プレイがアツい!

画面いっぱいに2コース表示され、それぞれが別々にスクロールするという、スゴい技術。

クリア後も接客ソフトとして長期に渡って活躍しました。


F1spirit
こちらはF1第15戦の鈴鹿です。
コースの順番も当時に準じています。

更に、フォーミュラカーらしき物が登場しただけで、F1レースの名を冠したソフトが多かった当時、F1全16戦再現した革新的なゲーム。


F1spirit
ゲーム中は一瞬ですが、立体交差があります。

このソフトは、果敢にサーキットの再現に挑戦し、例えば日本なら鈴鹿だが、特徴的な立体交差まで表現されている。


F1spirit
ピットです。ボタンを連打すると超優秀なクルーが
どんな破損でも直してくれます。

「PIT」と書かれた場所に停車すれば、ちゃんとクルーが駆け寄って来てマシンのメンテナンス&給油を行い、ライバル(青い車)まで設定されている。

こうしてみれば、ストイック過ぎるレースゲームに思えるかもしれない。

そこは、そういう事をあまり意識させず、絶妙なバランスで「ゲーム」にまとめあげるコナミのセンス。

レベルの低いカテゴリーから出発することにより、プレイヤー自体もゲームに慣れ、F1に搭乗する際には、違和感なくマシンをコントロールする自分が居ました。

特にF1のハイスピードでの疾走感は、見下ろし型の2Dゲームとは思えない、こゲームでならではの感覚。

クラッシュ(注7)を上手く回避し、コースを走り込み、ライバル(注8)を下した者だけに勝利の女神は微笑む。


F1sprit
感動のエンディング(一部)

あなたは、勝利を掴み感動の表彰台(エンディング)に立つ事が出来るのか?



注1:市販車ベースのレース。アメリカの「NASCAR」等がモデル?

注2:WRCとかが有名。悪路を猛スピードで疾走する魅力的なレース。詳しくは、「新谷かおる」先生の名作「ガッデム」全5巻(文庫版は全4巻)を読むべし!

注3:「フォーミュラ3」 F1・F2の下のクラス。

注4:現在では開催されていない。F1直下のクラスだった。

注5:耐久レース。「ル・マン24時間」等が有名。因みにコースは「ル・マン24時間」が開催される「サルト・サーキット」に似ている。

注6:最近ではドライバーが一般的か?マニュアルにあるように、F1ターボ時代「羽を付ければ空を飛ぶ」といった、ハイパワーマシンを操る者達に敬意を表しての言葉だったとか・・・。

注7:このゲーム、クラッシュや接触で燃料の減少及びパーツの破損(タイヤ・ブレーキ・エンジン)が起こる。それを回復させる手段として「PIT」と書かれた場所に停車するとクルーが駆け寄って来てサービスを受けられる。作業はボタン連打でスピードアップするが、クラッシュしないに越した事はない。

注8:結構しつこく絡んで来る青い車。実はライバルという設定。F1に行ったら、わりと早々に姿を消す事が多いようだが、それまでは突然追い抜いて行ったりと、ミスを誘って来る。チャンスがあれば、お尻をツンツンして破壊!?しても良い。

2024年9月4日水曜日

三國志 X1turbo版

太古のロマンに思いを馳せて


三国志

かつて都だった地の大河を、若い男が眺めていた。すらりとした美丈夫で、柔らかだが、野心を秘めた瞳は、揺蕩う川面より先の遥か未来を見据えていた。

「この河は、何処から来て、何処へ注いでゆくのだろう?」

数刻経っても、男の姿はそこにあった。

「そこの方ァ~、乗られますかァ~?」

不意に声を掛けられる。

見ればいつの間にか川岸には、観光船が停泊していた。
男は少しはにかみながら、「客ではない」と手振りで船頭に伝え、ようやく川岸を後にした。

刹那、風が一陣巻き起こり、川岸に植えられた桜の花を散らす。

男ははっと、その光景を見つめていた。

男の心は決まった。

やがて、彼は事業を興し、やがて、そこには、きら星のごとき英傑達が集い始める。

男の名前は「陽一」。名字は「襟川」。
ペンネーム「シブサワ・コウ」。

ゲーム企業「光栄」(現、コーエーテクモゲームス)の代表取締役兼プロデューサーである。


さて、「吉川英治」氏の三國志の導入部になぞらえて、小説風に書いてみました。「シブサワ・コウ」さんのイメージは、黎明期の「ゲームセンター「CX」」(注1)のインタビュー等を元に、若かりし「劉備玄徳」を重ねております。

実在の人物ということで、どう書こうかなと思ったのですが。不快に思われたら、申し訳ありません。

コーエーという会社は、もともと染料メーカーだったそうで、それを襟川氏が一代で巨大なゲームメーカーに成長させたわけで、「信長」や「三國志」を地で行く企業です。

そんな会社ですが、当時のパソコン誌の広告には、「三國志」・「信長」の他にも、「ナイトライフ」(注2)や、「団地○の誘惑」等アダルトソフト?も掲載されており、「三國志」というタイトルも、少年が購入するには、なかなかハードルが高かったです。(注3)


三国志
ノーマル版のパッケージ。何だか・・・怖い?

何せ、普通より一回り大きい黒い正方形のパッケージに真っ赤な人間が3人並んでいる・・・。

そんな攻めたパッケージです。

オジさん向けの強壮剤もかくやという感じで、とても買う勇気はありません。

そんなソフトを「面白そうだ、やってみたい!」と、あっさり購入したのは、お馴染み、1歩先を行く男、Ryo君。

彼のturboⅡで初めてプレイする事となるのです。


三国志
シナリオは5通りから選べます。

三国志
全員ではないですが、8人同時プレイも可能。
我が家では学校帰りに寄った友人たちが常に
プレイしているという。凄い世界に・・・。

やがて、自分のmodel10もturbo化、三國志のプレイが可能になりました。

他の方はどうか知りませんんが、自分は「三國志」という物語を、なんとなく・・・くらいしか知りませんでした。

それこそ、当時、日本テレビ系で2回に分けてアニメ特番があり、それを見た事があったくらいで、各武将の名前も、劉備・曹操・関羽・張飛・孔明くらいは知っていましたが、それ意外はサッパリでした。

三国志
さて、シナリオ1スタートです。いきなり貧しい。

三国志
とりあえず軍司の助言が欲しい。5「人材登用」を
選択。

しかし、我が家に遊びに来ている人々の思い入れは、ちょっと引いちゃうくらいで、孔明が、子龍が、周瑜がと、多人数プレイで熱くなっていましたね。

三国志
左がノーマル版・右がturbo版。
同じシチュエーションでも
独自の顔グラフィックで&漢字表記で、
全然雰囲気が違います。

そして、ついに、友人の更に友人という人が現れて、我が家に置いていったのが三國志のturbo専用バージョン!!

三国志
特に有難いのが一覧表示が出るようになった事。
武将の管理が超ラク!

これは、初代「三國志」の完全版とでもいうべきもので、有名武将の顔グラフィックの追加・計略コマンドの追加・400ライン対応・漢字対応・FM音源対応と、至れり尽くせりの内容でした!

三国志
「地震」のイベントも発生するようになりました。
大地震が起きたら城が壊れて武将が亡くなる事も。

このゲームですが、実にバランス良く出来ており、「初代にして完成形」という評価をする人も多いようです。

実際、自分もグラフィック、シンプルだけど奥深いシステムは「1」が一番好きで、今でも、思い出した様にプレイしてしまいます。


三国志
太守を引き抜くことで、国をひっくり返す事も可能。
他の武将は一気に「在野」落ち。
さて、逃げ場は塞いだ。「董卓」覚悟!

特に「信長の野望」(無印)と違い、配下武将の引き抜きが、アツい!(注4)

特に知力の高い武将を配下にした場合は、「軍師」として助言してくれます。

それが斬新で、いろんな武将の知力を上げて(書物を与えて)喋らせたりしてましたね。


三国志
知将の火計は、計略と合わせると超強力!
行動力を奪って、火を掛けるなんて・・・。


三国志
「董卓」さん。ちょいとやりすぎましたね。
このあたりで退場願います。

また、「戦」がかなり進化したのも良かったですね。信長の野望では使うことの出来なかった、「火計」が、かなり凶悪で、使い様によっては、大軍を撃退出来たりします。


三国志
風の向きにもよりますが、火計は協力!
風向きが変わりませんように・・・。

また、知将の「計略」&「火計」のコンボ・「一斉攻撃」による各個撃破・地形を利用して敵を誘い込んだりと、まるで本当に軍師になったような気分でゲームを楽しめました。

また、僕や友人達もそうですが、このゲームを入口として「横山光輝」氏の漫画版、又は、「吉川英治」氏の小説版へと知識を広げた人も、少なくないのではないでしょうか?

色々な意味で、ゲームという枠を越えた素晴らしいゲームだと思います。


三国志
統一まであと一息。苦労が報われる瞬間

FDが擦れて、時々エラーを吐く程遊ばせて戴きました。


お・ま・け

このゲームの音楽を担当されたのは「カウボーイ・ビバップ」等の音楽で名を馳せた「菅野よう子」さん。

「信長の野望」シリーズも初期のものは彼女の手によるものです。

どちらのシリーズも、タイトルロゴの音楽は、初代のそれを踏襲しております。



注1:タイトルロゴに、鉤括弧が付いている頃。2期より外れる。番組初期の頃は、ゲームメーカーのクリエイターへのインタビューが、メインだった。

注2:実際は実用ソフト(?)新婚さんへのプレゼントに最適みたいな事が書いてあったような・・・。

注3:当時「ファミコン」と同額の超強気な価格設定。内容的にはそうなった理由も解る。

注4:「信長の野望」も3作目の「戦国群雄伝」にて配下武将に対応。

2024年9月1日日曜日

ファンタジアン・夢幻の心臓Ⅱ

 「ドラクエ」の原点?



私がX1を入手したばかりの頃である。


ウルティマ。2Dマップに3D迷宮、タクティカル
コンバットというゲーム。

Wiz。3D迷宮にドラクエ(注1)の様な戦闘
当時ベーマがなんかでAppleのゲームの紹介の記事を
よく読んでましたが、意味がよく分かりませんでした。

この頃の世界のRPGの趨勢は、アメリカのAPPLEⅡのソフト、「ウルティマ」「ウイザードリィ」(以下Wiz)、もしくはその模倣に偏っていた。

そもそもRPGというものが、アメリカ発祥の「ダンジョンズ&ドラゴンズ」という、テーブルトーク(机の上で話し合いながら)・ロール(役割を)プレイング(演ずる)・ゲーム(ごっこ遊び)に、端を発したゲームというのが分からない私の様な人間(注2)は、「ウルティマ」や「Wiz」がいくら凄いスゴいと言われても、イマイチ、ピンと来ないのだった。

それに、秋葉原等ならともかくAPPLEⅡなんて、ショップも含め、地方都市では見たことも無い。あったとしても、オール英語のゲームなんてそもそも遊べない。

そんな中、日本人に分かり易いようにアレンジを加えたゲームを発売していたのが老舗RPGメーカー「クリスタルソフト」である。

私が最初に手にした所謂本格RPGが、同社の「ファンタジアン」と「夢幻の心臓Ⅱ」(何故か1はPC-88かMZ-2500、FM-7くらいしか移植されなかった)である。

「ファンタジアン」は「Wiz」の様な3D迷宮に、「ウルティマ」の様なタクティカルコンバット。「夢幻の心臓Ⅱ」はその逆で、「ウルティマ」の様なフィールドに「Wiz」の様な戦闘を加えたゲームであった。


「ファンタジアン」

シャープ系の雑誌「Oh!MZ(X)」にて、当時猛プッシュされていたので、購入したゲーム。

いやー、かなりハマりましたねぇ。迷宮探索という事で方眼紙にマッピングは必須。弟&友人と共同戦線でマップ&アイテム情報を共有し、攻略しました。



キャラメイク画面。「HalfOrc(オークのハーフ)」など、ファンタジーに慣れた現在なら「?」なキャラも。
また、マニュアルには「Gnome(ノーム)」を「グノーム」と記してあったり、RPG黎明期の苦労が伺えます。(専門書など無い時代でした)


床にメッセージが!それよりも、お家に帰れるのか?

ムカデは1匹だけで、残りは蟻だそうです。



ゲームはロードが終われば全てオンメモリで動作するので快適そのもの!
X1版はテープでも楽々です。

「夢幻の心臓Ⅱ X1版」



いきなりⅡからですが問題はありません。

現実の世界において闘いに敗れた主人公は、死ぬ直前に神様へ怨み節を吐いてしまい、罰として「夢幻界」という世界に飛ばされました。しかし、その世界で「夢幻の心臓」という復活アイテムを手に入れた主人公は・・・ってのが、前回迄のお話だそうで。


「人間の世界」は「エルダーアイン」の3つの世界の
一つ

今回はその心臓の戦士が、復活した世界が「人間界」ではなく「エルダーアイン」という、モンスターが跋扈する世界だと気付き、仰天するところから始まります。


敵は3匹!どうする?

こちらは、前述のファンタジアンとはうってかわって2DマップにWizの様な戦闘です。

ゲームは直感的に操作出来て軽快そのもの。

PC-88版はキャラに色が付いておらず重ね合わせ処理も出来ていなかったのに対し、X1版はカラフルで自然な感じです。


雇うか、雇わないか?それが問題だ!
当時の僕は、無料の方ばかりと冒険してました。

面白い要素としては傭兵のようなNPCを雇えることですかね。彼等は高額なお金を要求する方も居ますが、無料の人も居ます。そこいらへんをうまくやりくりしていくのが楽しいですね。


おやおやぁ~こんな所も!

別れるような事になっっても元居た場所に行けば再度仲間になってくれます。

また、真偽は不明ですが、当時の堀井雄二氏がこのゲームを実際プレイして、ドラゴンクエストの参考としたという噂があります。



実際、当時のRPGの中では、抜群のプレイアビリティーの良さ。

そんな噂を耳にしても、疑う事は無かったですね。

このゲームは流石にFD専用だったので、学校サボって、ゲーム合宿しながら、Ryo君のX1turboⅡで攻略してましたねー。

セイシュンならではの、貴重な経験でした。


お・ま・け

「夢幻の心臓」シリーズのプログラマー「富一成」氏は、日本ファルコムの「木屋善夫」氏と、懇意だったそうで。後に、「富」氏はファルコムに移籍し、「スタートレーダー」「ダイナソア」等の名作を生むのでした。


スタートレーダー(PC-88版)

ダイナソア(PC-98版)

注1:本来、この表現はおかしいのだが、わかりやすさを考えこういう表記としました。

注2:ドルアーガの塔やハイドライドくらいしかRPGをプレイした事がない人。ダンジョン&ドラゴンズが基本だとするなら、当時の日本人は多かれ少なかれ感覚はズレていたのでは?