殺人は波頭を越えて
時に1923年(大正12年)。
亜米利加(アメリカ)の桑港(サンフランシスコ)から横浜に向け、豪華客船「翔洋丸」が出航した。その航海は穏やかそのもであったが、船内ではただならぬ事態が起こっていた。
新米のボーイと乗客の女性が接触し、傍らにインテリアとしてデッキに積載してあった樽が転倒。
横倒しになり蓋が外れたのだ。
これだけであれば単なる笑い話で終わったかも知れない・・・が、樽の中には、とんでもないものが入っていたのだ。
・・・白骨死体。
しかも片手には指輪まではめていた。
ボーイの「尾崎」の連絡で駆けつけた司厨長の「赤松」は目撃者の数と顔を確認すると、船長のみをこの場に呼んだ。
事態を重くみた「鷹取船長」は無用の混乱を避けるためその場に居た全員に対し、「船長命令」として、強い口調で「箝口令」を発した。
その場に居合わせた、乗客・ボーイが船長の強い口調に萎縮し、結んだ口を更に固くする中、事件の発端となった女優「一条菊子」の口だけは、風に舞うビニール袋より軽かった。(爆
この船には、半年の外遊から帰国するため、私立探偵の藤堂龍之介も乗り合わせていたのだ!
実に思わせぶりな彼女の口調から、事件に興味を持った龍之介は、独自の調査を開始するのだった。
・・・てな感じで今回は凄い導入から始まりました「1920シリーズ」現在では、「藤堂龍之介探偵日記」シリーズ。
今回は第二弾となる「黄金の羅針盤」と銘打たれた作品です。
今回は大きなお屋敷を舞台にした、「琥珀色の遺言」より、二年の月日が経過した事となっております。
藤堂龍之介探偵日記シリーズ系譜
さて、「リバーヒルソフト」にて開発・販売されていたこのシリーズですが、多くのソフトハウスが消えていった「Windows95」移行の波にのまれ、制作していた会社は解散・消滅の憂き目に遭ってしまったようです。
ですが、有り難いことに権利を取得していた「アルティ」により「瑠璃色の睡蓮〜伍彩龍伝説連続殺人事件〜」がフィーチャーフォンアプリで発売されたのを皮切りに、続けざまに約8タイトルものシリーズ(事端・追補は除く)を発売して頂き、ファンとしては嬉しい限り。
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現在ではSwitchのGモードアーカイブスでプレイ可能。 龍之介のその後(その前)が気になる方は是非! |
新シリーズもイメージを壊すことなく遊ぶ事が出来、当時多くの資料の掘り起こしから始まったという、スタッフさん達の心遣いを感じられる作品群となっております。(注1)
ただし、作品が増える毎に時系列が複雑になるのは世の常。
Ysの時と同様に、整理してみましょう。
・・・と、思ってふと気付いたのですが、藤堂龍之介の年齢がわからないのです。
せめてどれか1本でも記載された作品があればそこを基準に割りだせるのですが・・・。
取りあえずGoogleさんに聞いてみると・・・。
AI による概要
藤堂龍之介の年齢は、作品によって異なりますが、一般的には10代後半から20代前半とされています。具体的には、16歳でイギリスに留学した経験があるため、物語開始時点では17歳から20代前半くらいと推測できます。
・・・。
・・・ある意味、恐るべき時代であります。
まさか、AIが、架空のPCゲームのキャラに対して、こんなにクソ真面目な正論で返して来るとは・・・。ちゃっかり最新作の「薔薇色の旋律」(巴里留学時)も考慮されているというのが恐ろしい・・・。
では、その回答を元に時系列を推測してみましょう。なお、便宜上、同名のゲームで「事端篇」(事端:事件の発端。事件が起こったいとぐち。)は事件の前。「追補篇」とされているのは後へ配置しております。また、主人公の生年月日も今のところは不明であるため、年齢は誤差があるかもです。
※実はフィーチャーフォン版をプレイした経験があるのですが、「泪色の雫」のプレイ中に機種変をしちゃって、以後、このシリーズ未プレイなんですよね。内容の分かっていないものもあるので、違っていたら申し訳ありません!
年齢(英国留学以外は推定(17歳と仮定)):ナンバリング(便宜上:実際には無い):年号(西暦):作品名:備考
16歳 (英国留学)
17歳 8:大正 6年(1917年)(巴里に留学中)薔薇色の旋律
21歳 4:大正10年(1921年) 佐伯真考の優雅な逃亡生活~亜鉛の匣舟 事端篇~
21歳 4:大正10年(1921年) 藤堂龍之介の有閑な日常~亜鉛の匣舟 事端篇~
21歳 4:大正10年(1921年) 亜鉛の匣舟
21歳 1:大正10年(1921年) 琥珀色の遺言
21歳 1:大正10年(1921年) 虚妄の報い~琥珀色の遺言 追補篇~
21歳 7:大正10年(1921年) 虚談の迷宮~鈍色の天秤 事端篇~
21歳 7:大正10年(1921年) 鈍色の天秤
24歳 大正12年(1923年)(半年の亜米利加への外遊)※作品が関東大震災(1923年9月)の事後である事から推測。
24歳 2:大正12年(1923年) 黄金の羅針盤 (本作)
25歳 5:大正13年(1924年) 泪色の雫
25歳 6:大正13年(1924年) 逃避の終章~柘榴の天鏡 事端篇~
25歳 6:大正13年(1924年) 柘榴の天鏡
26歳 7:大正14年(1925年) 菫青の鳥籠
26歳 3:大正14年(1925年) 瑠璃色の睡蓮
26歳 9:大正14年(1925年) ~プリンス探偵倶楽部~謎の宝石とお嬢様(番外編:主人公は助手の天宮冬馬)
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