2024年12月10日火曜日

大航海時代(X68000版)

世界の海は俺の海 


高校時代の教科書が初めて役に立った瞬間であろうか?

このゲームを入手した家で必ず目にするのは地理の教科の際、お世話になった世界地図。

完全一致とは流石にいかないが、船の航路、そして、港がありそうな位置(当初は見えない)等を発見するのに有効なのは攻略本(注1)でもマニュアルでもなく、世界地図なのであった。

例えば、「バレンシア」で、あなた(提督)を探している人が居ると、酒場の噂で耳にする。



依頼を受けに行きたいのだが、先ずそこがどこだか分からない。(緯度経度は教えてくれるが・・・ピンと来ない)

地中海にある港と分かる人は何とかなるかも知れないが、このゲーム、船を動かすのも相当なコスト及びリスクが伴う。同じヨーロッパの海でも北海と地中海側では、難易度に天と地ほどの差がある。

とりあえず船一艘から始まるこのゲーム。最初の内こそなかなか失敗できないのだ。

そんな時にふと思い出されるのが前述の「世界地図」。

おお、「バレンシア」って、スペインの地中海側にあるのか!じゃあ、意外と近いじゃん!とりあえず行ってみよう!



はいはい。貴方が私をお捜しの人?ほう?「陶磁器」をお求めになりたいと?

お任せ下さい!確か「陶磁器」って、以前よく分からずに寄ってしまった「ロンドン」に売ってたよなぁ。おっ!ここの港ってワインが高い!次に来るときには、「リスボン」で買って持って行こうか?・・・などと、交易の楽しさを覚え始めたら、貴方は立派な「冒険商人」の仲間入りである。



主人公は没落した貴族の末裔。

どうやら曾祖父の辺りは大艦隊を率いてブイブイイワせてたらしいが、かの「航海王」エンリケ王子よりの大事なミッション(注2)の最、運悪く暴風雨に巻き込まれ、艦隊の大半を失い、さらに機に乗じた政敵の奸計を喰らって、没落してしまったらしい。


「ヴァスコ・ダ・ガマ」喜望峰を越え、インド航路を
発見した、ポルトガルの英雄である。


一念発起して交易に出発した父も再度の嵐で、多くの乗員、物資と共に海の藻屑となった。



父の最後を、辛くも生き残った乗員より聞いた主人公は、父の意志を継ぎ、一族再興を目指す・・・と、言う男だったら燃えずに居られないストーリー。


ここらあたり、コーエーらしい「浪花節」であります。

ゲームは「リコエイション」なる新ジャンルのゲームのようなタイトルを冠していますが、要は時代背景が、現実を舞台にしたRPGの様なものでしょう。

因みにプロデューサーも「エイジ・フクザワ」さんとなっておりますが、「コウ・シブサワ」さんの別のペンネームみたいなものだそうで。

おっと、閑話休題。


間違えてケンカを売った悪い例。
相手は良く確認しよう。

ゲームの主人公は1人だけですが、内容は自由度が高く、他国の国力を削ぐ為に行う海賊行為(「私掠」(しりゃく)と云うらしい)を、行ってもいいし。



最期まで商人を貫いて、各港へ投資し、名声を上げていっても良いのだ。

酒場では簡単なギャンブルも出来る。
ご利用は計画的に。

ただ、間違えて自国の船に手を出すのは、止めよう。

ゲームの目的は家督の回復なので、お尋ね者になってしまったら元も子も無い。

城に出入りが出来るようになれば、お姫様にも会っておこう。

王様の出すクエストは、なかなか厳しい(宝探しなど)ものもあるが、成功の喜びには代え難いものがある。

主人公は、家を再興し、お姫様のハートも掴む事が出来るのか?



それは、世界地図だけが知っている・・・。



PS.こちらのゲームですが、当初PC-88版でプレイしていたのですが、X68000版の発売と同時にそちらも購入。以後、X68000版でクリアしました。

今回は久々のプレイですが、程よい難易度でついつい遊んでしまいます。

ここいらへんのさじ加減がまさに絶妙でした。

またX68000版は喋ります。

酒場のおねーさんの「あーら、いらっしゃい」の声に癒やされますなー。



また、珍しくサウンドモードもあり、ゲーム中の音楽やボイスを聞くことが可能です。



尚、次回作の「大航海時代Ⅱ」では6人主人公、マルチシナリオとなり、ゲームとして更に完成度を高めましたが、その内の一人は現在の主人公と御姫様の子供となっております。機会があればそちらも語りたいですね。


注1:光栄は攻略本も自社で作っている。意外と「武将File」などは、下手な歴史書より濃くて面白い。私は「大航海時代」の攻略本はクリア後に購入。読み物としても面白かった記憶が・・・。

注2:航海王と言われたエンリケ王子が目指していたのは、伝説のキリスト教の国「プレスタージョンの国」。(実際には存在しない)

そことコンタクトを取り、異教徒を挟撃するのが目的であったと云われる。

目的はさておきそれが「新航路」・「新大陸」発見の原動力となる。

0 件のコメント:

コメントを投稿