ダークサイドへようこそ!
月。
誰もが知る地球の衛星である。
衛星というにはあまりに大きな質量を持つこの星は、潮の満ち引きから、大気の循環に到るまで地球に対して大きな影響を与えている。(注1)
そして月のもう一つの特徴が「潮汐(ちょうせき)ロック」と云われる現象である。
それによって月は必ずある表面だけを地球に向け、その他の面は地上から窺い知ることの無い領域となる。(注2)
近年、宇宙機や観測技術の向上によって明らかになって来たが、それまではその場所は、恐れを持ってこう呼ばれていた。
「ダークサイド」
注1:仮に月という衛星が無ければ、地球の沿岸部は毎日津波の様な大波が起こり、地上は台風のような突風が吹き荒れるという。この事だけ見ても、地球は奇跡の星なのだ。
注2:このことにより、かつては「月の裏側に宇宙人の月面都市が有る!」などといった噂が、某誌に良く掲載されていた。
話を少し前に戻そう。
月の裏側を航行中だった連邦軍の調査船「ガリア201」は、運悪く(?)飛来したコロニーの隕石破壊用ミサイルに接触。
奇跡的に宇宙服を着ることに成功した「ライル」(主人公)を残し、他の搭乗員の命と共に船は宇宙の塵と化した。
自分自身「死」の恐怖が迫る中、たまたま眼前に現れた、月の裏側にある地球との「重力均衡点」(ラグランジュ点)、にある「スペースコロニー・L2」に取り付き、九死に一生を得た主人公。
だが、そこは狂ったAI「ZERA」とロボットが支配する狂気の世界だった。
ライフボートの動作不良で脱出に失敗した少女「メイ」と共に、幾多の試練を乗り越え、脱出艇でコロニーから逃げ出す二人の背後でAIコンピュータ「ZERA」の言葉が呪詛のように響く。
「目票は月ステーションと推測。ポイントJ-06にてシャトルを破壊する。」と・・・。
かいせつ
さて、久方ぶりのコマンド入力式のAVGとなりますこちら「D-side」。
かつて、このサイトにて解説しました、LagrangeL-2(ラグランジュL-2)の完全な続編となります。
コマンド入力式とは言いますが、時間を所謂「言葉探し」に浪費する事はまれで、寧ろピンチをどう切抜けるかの「発想」に重きを置いたゲームデザインとなっています。
例えば、ゲーム開始直後。
脱出用のシャトルに乗り、どうにか「ZERA」の手を逃れ、ようやく安堵した「ライル」と「メイ」でしたが、それは、シャトル内に響くアラームの音によってかき消されます。
何と武装が一切無いこのシャトルへ向け、コロニーよりミサイルが発射されたという事。
しかも、着弾予定は10分後との、余り嬉しくない情報も加わり、真に「ピンチを絵に描いて額に入れたような状態」!(※AKIRAより)
ミサイルは「ZERA」によって、宇宙船等の推進装置の熱を感知し、自動追尾するよう改造が施されています。
とりあえず、「ライル」君もこのシャトルについて詳しい訳じゃないですし、「メイ」ちゃんに到っては、既にこちらを潤んだ様な目で見ています。
「えーい、じゃあ俺がなんとかするわい!」
(GAME・START! ここから、マジで10分のカウントダウンが始まります!)
半ばやけっぱちで、「キー」(キーボード)を「オス」と・・・画面がシャトルのものと入れ替わります。
画面にはメニューがあり、様々なコマンドの中に「エンジン切り離し」の文字が!どうやらメインエンジンのみをパージ出来る様ですね。いつの間にやら時間は5分を切っています。
迷っている場合ではありません。
祈るような気持ちでコマンドを選択。
コクピットに現れた、エンジンパージ用のレバーを引くと・・・やった!
レーダーには、ミサイルらしき光点がパージしたエンジン部分を追って、こちらとの直撃コースを外れていく様子が!
やがて2つの光点は重なり合い消滅。
危機は去った・・・かに思われましたが、シャトルが向かっている、月軌道にある巨大宇宙ステーション「SOC-3」から通信で、「現在ZERAからのハッキングでステーション内が混乱の極みにある。こちらに来てはいけない」・・・との警告が!
推進剤はギリギリ。
シャトルはステーションよりの電波を受け自動航行中。
「・・・こうなったら、受信用のアンテナを物理的に切断しましょう」と、メイ。
咄嗟に出たにしては良いアイデアだ。
通常、こういった「脱出用シャトル」等の自動航行システムは切る事を想定していない。(裏技的なものはあるでしょうが、時間がありません)
じゃあ、船外活動だなっ!と、コクピットのドアのボタンを押す。
・・・反射的に閉める。
その向こうには(明らかに行動がおかしい)ロボットが1体こちらを向いて立っていたのだった・・・。
(※ここで、パスワードが表示され、この時点から再開が可能となります)
・・・やはり、「ライル」と「メイ」、この二人に安息が訪れるのはもう少し先の話になりそうです。
上記のパスワードによるコンティニューですが、これによって、「その場で起こっている事は、その場にあるもので解決(もしくは進行)可能という事(アイテム取り逃し等によるハマリがない)になり、プレイヤーはその場の謎解きに集中出来るのです。
ただ
兎にも角にも大切なのは「ミル」コマンド
総評
このあと
ゲームは、2つの宇宙ステーション。
月・そして「メイ」との別離。
そして、因縁のコロニーL2へ。
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