2014年2月18日火曜日

ハイパーラリー

今、地球と戦うラリーの世界!


HyperRally
トンネル内。アイディアが光ってます!

男だったら、アツくならずに居られないキャッチに魅せられて、手にしたのがこのゲーム。
恐らく、日本初のラリーゲームと思われる。(違うかもしれないけど・・・)

ラリーと言えば、ただ単に悪路でレースするだけのものと思われがちだが、実際は特殊なルールが色々あって、奥深いモータースポーツ。
詳しくは、新谷かおる先生の名作「ガッデム」でも読んでいただくとして、そういった特殊性から、なかなかゲームでは再現が難しい。

このゲームも、ラリーの名を冠しているが、実際は普通のレースゲームである。
もっと言えば、走っているのも全てオンロードで、悪路と言えばアイスバーンが何カ所かあるぐらい。
様々な風景をバックに走るのは、どちらかというと「アウトラン」をイメージしていただければ分かりやすいかも知れない。

HyperRally
雪のステージ。
路面はアイスバーンでツルツル。
最初の難関です。


こう言ってしまえば、ありふれたドライブゲームの様に思えるかも知れない。
だが、このゲームが登場したのは1985年である。
上からの見下ろし型のレースゲームという選択肢もあっただろうが、あえて疑似3D視点でゆくというところに、コナミの侠気と技術力を感じる。
その選択は大正解。MSXとは思えない動きでアツいゲームを体験させてくれます。

更に雰囲気を盛り上げるのが、バリエーションに富んだステージ。
トンネルや、夜のステージ、雪国など、美しい画面の13ステージで盛り上げてくれます。

中でも好きだったのが、稲妻が走るステージ。

HyperRally
大気を切り裂く稲妻。
こんなシチュエーション珍しいですよね。

そこにたどり着くまで困難の連続だったので、とても感動しました。

後半には、道路の向こうから徐々にピラミッドが見えて来るステージとか、それを超えると通称「アラビアンナイトの道(とパッケージに書いてある)」と呼ばれる雰囲気あるステージがあったりして、ストーリー的なものさえ感じてしまいます。

HyperRally
シンプルなステージと思いきや、遠方から
ピラミッドが!長い直線が続くので
順位を上げるチャンスでもある。

HyperRally
ピラミッドと夜景が美しい
「アラビアンナイトの道」。
ゴールは間近だ!

各ステージにはクリアに必要な順位があり、完走してもゲームオーバーなんて事はしばしば。
また、後半には敵車もいやらしいフェイントをかけて来たりして、難易度の高さはなかなかのものです。
ブレーキを使わず、路肩で減速&敵車をかわすようにするのが攻略のコツです。

まだレースゲームが珍しい時代。
割と単純な名前もアリだったと思うが、そこを「~ラリー」とするのが、コナミのセンスの良いところ。
ハードルは高いですが、しっかりとした作りなので、現在プレイしても面白いです。
機会があれば、是非チャレンジしていただきたい逸品です。

果たしてあなたは、全コースを制覇し勝利(エンディング)を掴む事が出来るのか!?

2014年2月15日土曜日

スカイジャガー

MSX1にゼビウスは出なかったが・・・。


SkyJaguar
これは・・・。アン○アジェネシス!?

1983年。
あるゲームが、彗星のごとく登場した。
これまでの固定画面のものと違い、美しい背景がスクロールし、次々と新しいステージが現れる。地上と空中の概念があり、別々に攻撃できる。想像力をかき立てる、ミステリアスなメカの数々。

ナムコの「ゼビウス」である。

生徒手帳に「ゲームセンターで、インベーダーゲームをしてはいけない」と、本気で書かれていた時代、チェリーな田舎の少年にとって、電車で5駅先の街のゲーセンは、とてつもなく敷居が高い世界。
「ベーマガ」に特集が組まれるたびに、友人たちと食い入るように記事を見つめ、いつかプレイする日を夢見ていた。

パソコンでいち早く移植されたのは、PC-6001。
これはこれでいい味を出していたが、ナムコには認められなかったらしく、タイトルには「TINY」(ちっぽけな)という文字を冠していた。
初の無印の移植は、X1版だが、所有しているユーザーを見た事が無く(実は、後に自分がユーザーとなるのだが・・・)、リアルタイムに遊ぶ事は出来なかった。

そんな中、衝撃のニュースが雑誌の広告に掲載される。
当時、MSXにのみ「ナムコット」ブランドでゲームを供給していたナムコが、ファミリーコンピュータにも参入し、ゲームを出すというものだった
「ギャラクシアン」や「パックマン」など、MSXでも馴染みのあるタイトルの中に、なんと件の「ゼビウス」の名前が!
発売されたそれは、パソコンユーザーも驚く移植度で、以降ファミコンはゲームシーンにおいて存在感を増していくことになる。

そんな他機種の後塵を拝するばかりで、臍を噛んでいたMSXユーザーに朗報が!
それが、MSX界の雄、コナミから発売された「スカイジャガー」である。

SkyJaguar
背景はゼビウスを意識している
ような・・・。

今から思えば、ゼビウスとはかなり違うゲームデザインなんですが、当時はスクロールするというだけで「ゼビウスっぽい。」と揶揄されていたような時代。
雑誌掲載の画面だけで、かなりテンションが上がりました。

無論、発売後即購入。
箱を開けるのももどかしく、カートリッジをMSXに差し込み、電源をON!
画面に映し出されたゲームは、期待を裏切らないものでした。

残念ながら、地上攻撃は出来ませんでしたが、アイテムで自機のパワーアップが可能。隠しキャラみたいなものもあったりして凝った作りでした。
また、やたらと堅い敵や、消える敵。弾が命中しても半分だけ生きている敵など、ステージによってバリエーションの高いキャラクターが現れ、ついつい先を見たくなります。
そして、感動したのが、ア○ドアジェネシスを彷彿とさせる、ボスキャラの存在。その瞬間だけはBGMが鳴り、雰囲気を盛り上げます。

なにより、当時のMSXではなかなか目にすることがなかった、スクロールのゲームをプレイ出来たのが嬉しかったです。
ステージ(シーン)間も、一旦画面が切り替わるのではなく、自然な感じにシームレスで繋がってゆくのも技術力の高さを感じました。

このシーンを見られるまで、
相当苦労しました。

ゲームの難易度は結構高く、パッケージの裏に描かれているようなシーンや、ラスボスにたどり着くまで、かなりの日数遊ばせていただきました。
エンディングは無く、ループしてゆくのですが、不満はありませんでした。
初めて、「MSXを買って良かった。」と思えたソフトだったと思います。


・・・ただ、残念な事に、この頃から、MSXの比較対象が何故か他のパソコンではなく、ファミコンになってしまったような気がします。
「ゲームパソコン」なんて呼ばれる事も多く、何か釈然としない気がしましたね。
まあ、ゲームばっかりしていたのは事実なんですけど。

2014年2月9日日曜日

MSX1

すべてはここから


CF-2000
MSX1ユーザーには馴染みが深い起動画面。
何度この画面を見たことか・・・。

まだ、「パソコン」が、「マイコン」と呼ばれていた頃。

黎明期であるにも関わらず、僕の周りではパソコン所有者が意外と多かった。
ブルジョアジーなヤツは、NECのPC-8801やPC-8001を、マニアックなヤツはシャープのMZ-80Kなんかを所有していた。

そんな中にあって、圧倒的多数を占めていたのは、NECのPC-6001ユーザー。
当然、僕も、後継機であるPC-6001mkⅡの購入を目指し、すがやみつる氏の「こんにちわマイコン」を熟読し、電気屋でパンフを集め、親に陳情していた。
その努力が功を奏し、計画が実現しそうになったころ、件のすがや氏が雑誌連載している漫画に衝撃の情報が掲載されていた。

MSX!

Windows時代とは違い、それぞれの機種にはそれ専用のソフト、後継機でもなければ互換性が無いのが当時の常識。
だが、MSXは、様々なメーカから統一規格でパソコンが発売され、ソフトも互換性があるという。
何より魅力的だったのは価格。
定価84,800円だったPC-6001mkⅡに対し、5万円台で買えるMSXは、「おねだり」のハードルを大いに下げてくれた。

かくて我が家にやって来た、初のパソコンは、「わたしの街のでんきやさん」NationalのCF-2000、愛称「キングコング」である。
当時、MSX規格のパソコンを販売していたメーカは上記も含め、家電メーカーが多かった為、既存ユーザーからは、少なからず見下されてしまったが、僕のゲーム人生はここから始まる事となる。