2014年3月24日月曜日

ゼビウス

みんな持ってた、ゼビウス&ゼビウススティック

ゼビウス for X1
細野晴臣氏のサントラで有名になったシーン。

この頃、X1ユーザーと言えば、必ず所有したのが、いわずもがな「ゼビウス」である。
X1版は、ファミコン版が発売される前までは、家庭で唯一遊べる「ゼビウス」として、名を馳せていた。
無論、私も、X1と同時に購入したのがこれである。
更に言ってしまえば、恐らくX1ユーザー所有率No.1のコントロールデバイス、「ゼビウススティック」同梱版を購入していた。(何気にコントローラーとボタンが逆なんですよね。当時は平気で使っていましたけど・・・。)

ゼビウス for X1
当時、どのX1ユーザーの家にもこの箱がありました。

ゲーム自体は、流石に最初の移植ということで、結構アラがあります。
後の移植では、オンメモリになってゆくのですが、こちらは途中でロードがあります。
爆発や、キャラクターが重なった際の重ね合わせ処理も不十分で、並んだ地上物が二つ同時に爆発した時には、片方のキャラが四角くヌケて表示されてしまいます。

ゼビウス for X1
バキュラです。スペシャルフラッグも再現。

特にボスキャラであるアンドアジェネシスの登場の際にはそれが顕著で、キャラクター上に登場するザカートや弾のせいで、四角くヌケて、とてもまともに見ていられません。
ここいらへんは、思い入れの強い箇所なので、もう少しどうにかならなかったのかな?と、思ってしまいます。

ゼビウス for X1
憧れのアンドアジェネシスにご対面。FC版と違い、浮遊します。

・・・と、好き勝手言っておりますが、初の家庭向け移植です。
しかもアーケード版登場の翌年というスピード。
更に、最新ハードを、必ずしもゲームに向いていない8ビットパソコンに移植するというのは並々ならぬご苦労があったと思います。

自分自身シューティングは(大好きだけど)あまり得意ではないので、エリアは1桁以上進む事は出来ませんでしたが、毎日毎日、飽きもせずプレイしていましたね。

ゼビウス for X1
地上絵もちゃんと再現されています。

ファミコン版には無い地上絵や、隠しメッセージがあったりして、電波新聞社のこだわりも強く感じさせてくれます。

とにかく、プレイした最初は、「ようやく自分も、この境地に至る事が出来た・・・。」と、一人悦に入ってました。

先のステージへ進んでゲームオーバーになった時、いきなりカセットテープが巻き戻しをし始めた時(X1は、カセットテープをPC上でコントロール出来る)には、X1が壊れたのかと思い焦りましたけどね。

今となっては良い思い出です。

2014年3月18日火曜日

Sharp X1ck

ちょいとステップアップ


X1 C デモ
X1のデモ。名曲「美しき青きドナウ」のテーマにのせて・・・。

MSXを買ってもらい、無事パソコンユーザーとなった私だったが、何故か湧き上がる欲望を抑えられずに居た。
当時、パソコン雑誌の広告を賑わせていたのは、NECのPC-8801mkⅡ・シャープのX1シリーズ・富士通のFM-7という、通称8ビット御三家(・・・古い)と言われた機種のソフト達だった。

MSXも、ソフトは徐々に充実しつつあったが、独自の世界を行っており、おっ!と思うようなソフトは遊ぶ事が出来ないのが現状だった。

そんななか、近所のスーパー内にNECのパソコンショップがオープン。
学校がフケると、僕らは、友人達とそこへ入り浸って、専用モニターに映し出される美しい画像を眺めたり、ゲームを楽しんだりしていた。
(今から思えば、営業妨害も甚だしい状態である。よく店長も叱らずに放任してくれたものだと、今更ながらに感心する。)

志望校にも何とか合格し、再度おねだりのチャンス(?)を得た私は、無謀にも新しいパソコンの購入をお願いしようと策謀を巡らせていた。

最も心惹かれていたのは、NECのPC-8801mkⅡだったが、FDD搭載のパソコンはあまりにも高価で、とても手が出せない。
一応、FDDレスのModel10というのもあったのだが、88は出るソフトのほとんどがFDで、買っても遊べないという事になってしまう。

そんな思案を繰り返していたころ、近所の同級生から自宅へのお誘いが。
何の気なしに遊びに行ってみると、部屋にはなんとX1(X1D CZ-802C)が鎮座しているではないか!
当時、サウンド機能を有していなかったPC-88に比べ、こちらはPSG3重和音。PCG機能を有し、ゲームがとても豪華だった。
その日より、友人宅へ通い詰め、「ゼビウス」・「ヴォルガード」・「サンダーフォース」等のゲームをプレイしてゆく内、私はすっかりシャープ信者となっていた。

丁度その頃、弟の友人にもX1ユーザーが居るのがわかり、ソフトの貸し借りの環境も整った私は、当時発売されたばかりのX1ck(CZ-804C)を、弟共々親に陳情してみた。

結果は、以外にもあっさりと購入を認めてもらい、我が家には、真っ赤なボディがまぶしいパソコン本体と、同色の専用モニターがやって来る事となる。
(当時の田舎の兼業農家は、割と経済的に余裕があったのか、我が家だけでなく、ウチで布教を受けた友人達は、X1turboⅡ、turboⅢ、挙げ句の果てにはX68000なんかを「おねだり」で買ってもらっていた。現在、僕自身が自分の子供にこんな事ができるのかというと、とても無理である。)

かくして、パソコンのステップアップに成功した私だったが、しばらくは購入しているソフトが少ないのと、メガロムの普及でMSXが急に勢いを増してきたのとで、使用する機会になかなか恵まれないというジレンマに陥ってしまう。
今思えば、贅沢な悩みだなぁ・・・。

2014年3月14日金曜日

デゼニランド

もう二度と味わえない世界?


デゼニランド
これは「ひっかけ」か?想像力を働かせましょう。

まだ、配列もろくすっぽ憶えられていないキーボードに向かい、一本指でポチポチと単語を入力していく。
「Enter」キーを押すと、画面には、「~トイウ コトバハ ココデハ ツカエマセン」という寂しいメッセージ。
しばし考えたのち、また別の行動を入力する。

これは、ワープロソフトを使っているのでも、チャットをしているのでもありません。
ゲームです。

「アドベンチャーゲーム」と聞いて、皆さんはどんなゲームを思い浮かべるでしょうか?
最近では、ノベル系のゲーム、ちょっとレトロな感じのゲームがお好みの方は、画面をクリックする「ポリスノーツ」や、コマンド選択式の「オホーツクに消ゆ」などを連想されるかも知れません。

でも、初期のアドベンチャーゲームは、上記のように、コマンドを手打ちしていたのです。

デゼニランド
コマンドは全て英語。ゲームをクリアする頃にはキー配列を憶えられます。


パソコン雑誌「ベーマガ」を購読するようになって、俄然気になり始めたのは、山下章先生が執筆されていた、「レスキューアドベンチャー」のコーナーで紹介されていた、ハドソン社製のアドベンチャーゲームでした。

まさに、パソコンならではのゲーム!ちょっと文化的な感じが、高1の坊やにはたまらなくステキに思えました。

MSXには随分時間がたってからの移植となりましたが、発売されると即購入したのは言うまでもありません。
残念ながら、他機種と違い、フルカラーとはなりませんでしたが、雰囲気は十分に感じる事が出来ました。

デゼニランド
ちょっとアブない文字が・・・。現在では考えられません。

ゲームのストーリーは、千葉にある某テーマパークに対抗し、埼玉に建設された「デゼニ(出銭)ランド」。
その中に隠された「三月磨臼」という臼を見つけ出すという、結構アブない話。
そういえば、ゲームのパッケージにも、怪しいおじさんと、お姉さんのイラストが描かれているが、関係者だったのだろうか?(ちなみにそんな人はゲーム中に登場しません)

デゼニランド
何を買うかで、ハマってしまいます。

このゲームを有名にしたものの一つに、言葉探しの難易度があります。

当時を知る人々の間では語りぐさになっていた、一番最後の辺りのあのコマンドです。
流石に、MSX版は後発ということもあり、そのシーンでは、ご丁寧に解答が表示されていたので、そんなに悩むことはありませんでした。

ただ、コマンドは後のゲームと違い、全て英単語(!)による入力です。
従って、プレイヤーは辞書を片手に、キーボードと向き合う事となります。

コマンドのリストなどありませんから、ある意味、行動には無限の可能性があります。
ヒントがある場合もありますが、ノーヒントの箇所もあり、ひっかけのシーンもあります。

一度始めるとクリアまでに膨大な時間を要し、寝ても覚めても、授業中ですら(おいおい!)詰まっているシーンの解決策を考えている始末。

先述の山下先生が「開発者との知恵比べ」とおっしゃっていたように、初期のゲームは想像力との戦いでした。

現在だったら、インターネットで簡単に解法が公開されてしまい、ゲームとしては成立しないでしょう。
それに、この境地に至るまでゲームをプレイせず、ク○ゲーの烙印を押されてしまうかも知れません。

ある意味、究極のスローライフ。
いまでも懐かしく思い出せます。

デゼニランド
ちなみに、後に入手したX1版の画面。やはりフルカラー&ハイレゾは綺麗です。

2014年3月13日木曜日

イーガー皇帝の逆襲 ~イー・アル・カンフー2~

このゲームがなければ、格ゲーブームは無かった!?


イーガー皇帝の逆襲
MSXとは思えない美麗なグラフィック。

「イー・アル・カンフー」と言えば、ファミコンでも発売され、割と知名度のあるソフト。
では、「イーガー皇帝の逆襲」は?と問えば、首を傾げる人が多いのではないのでしょうか?

そう、これはMSXのみで発売された正式な続編なのです。

前作は、MSX版が先陣を切って発売され、結構な人気があったのですが、何故が自分は購入していませんでした。

当時私の実家は、友人たちの家の丁度中間点に位置し、学校帰りや日曜日にはゲームセンター状態となっていました。
その頃になるとMSXユーザーも多くなり、その中には前作の所有者も居ました。
なおかつ、ソフトは当初より我が家に置きっぱなしになっていたので、プレイしていない訳ではなかったのですが、初回から所有者の神がかったプレイを見せられていたので、どうも食指が動かなかったのでした。

そんななか、突如として雑誌の広告を飾ったのが、このソフト。
MSXとは思えぬ美しいグラフィック。さすがに各キャラに1ステージではないが、変化のあるステージ(前作は1ステージのみ)。更に魅力的になった相手キャラの数々。

ためらいなく購入に踏み切れる内容でした。

イーガー皇帝の逆襲
ボスキャラはどれも多彩な攻撃。総じて主人公より強いです。

ゲームは前昨とは趣を異にし、スタートすると3ステージ程移動ステージがあります。

移動ステージでは「小敵隊」といわれる敵もひっきりなしに出てくるので、うかうかしていると、ここでゲームオーバーになるか、体力を大きくケズられ、とてもボスと対峙出来ないような状態にされてしまいます。
ただ、上手に敵の編隊を倒すと、集めると回復アイテムになるウーロン茶の葉が手に入るので、後半のキツいステージに備え、おざなりには出来ないところが絶妙な所です。

その敵をかわすか倒しつつ移動し、4ステージ目で待ち構えるボスキャラと対戦するというのが構成になっています。

どちらかといえば、ファミコンの「スパルタンX」っぽい感じになったと言えば、伝わりやすいかも知れません。

それぞれのステージのボスも、能力的に主人公より上をいっており、ステージのどこかにあるアイテム「ラーメン」(だったか?)を取り、一定時間無敵になっている間に形勢逆転を狙うのが攻略においてのセオリーとなります。

イーガー皇帝の逆襲
移動画面。まごまごしていると軽く死ねます。

どちらかといえば、前作の方が、昨今のゲームに近い印象がありますが、まだ、世の中に「格闘ゲーム」などという言葉が、定着していなかった時代。
ゲームをどのように進化させてゆくか、メーカの側でも試行錯誤があったことが垣間見られ、面白いです。

そして、このゲームを語る上で欠かせない要素が、対戦モードの存在です!

イーガー皇帝の逆襲
このゲームのもう1つのウリ、対戦モードです。

選べるキャラは最初のステージに登場する3人までと、ちょっと寂しく、また、主人公以外の能力が高すぎて(飛び道具がある・壁を抜けて反対側に出られる等)、バランスは決して良いとは言えませんが、我が家では接客ゲームとして活躍していました。

イーガー皇帝の逆襲
壁抜けをされ、左右から飛び道具を使われると、もうどうにも出来ません。

何よりも、かの初代「ストリートファイター」に先駆ける事2年。
既に、KOのゲージ・各キャラとの対戦といったスタイルを確立していた事に、いまさらながらに驚かされます。
残念ながら、「イー・アル・カンフー」シリーズがこれ以後発展する事はありませんでしたが、この作品の存在が、後のブームに大きく影響を与えたことは確実だと思われます。

もし、コナミが格ゲーにもっと力を入れていたら・・・と思うと、ちょっと面白いですね。