2020年6月14日日曜日

X1turbo model10

エアガン1丁で手に入れたturbo環境


X1turbo model10
turboならではの400ライン表示。

前述のFM音源ボードの熱も冷めやらぬ中、例のturboⅡの友人があるものを抱えて我が家へ遊びに来た。
見れば、彼が現在のマシンに買い換える前に所有していた、X1turbo model10である。

どかっと荷物を下ろした彼は、我が家でホコリをかぶっていたエアガン(私の)を手にすると、満足げに帰路へついた。
どうやら、弟が勝手に物々交換に応じたようだが、それはさておき、唐突に我が家の環境はアップグレードのチャンスを得たのであった。

鳴り物入りでX1turboが発表された際、model10だけが欠けた機能の多さにあまり良い評価を得ていなかった。

だが、我が家は映像編集は行わないので、テロッパ等は使わない。
未だテープのソフトの方が多いので、APSS搭載のカセットレコーダ内蔵はむしろありがたい。
FDDは既に(1ドライブだが)所有している。

これでオプションのVRAMを購入すればturbo専用ゲームが遊べるんじゃね!?(1ドライブだけど…)

私の心は決まった。
直ちに貯金をはたいてVRAMを購入。model10にセッティングしたのでした。

これでturbo専用の文字に泣かされ、友人がプレイするのを羨望の眼差しで眺めるしか無かったソフトを我が家で攻略出来る。

早速、友人宅から借りたソフト、スクウェアの「WILL -DEATH TRAP Ⅱ-」をローディング。
おおっ!当時話題となった「アイシャ」のまばたきするオープニングがっ!

…あれ。

最初は正常に表示されるけど、アニメーションすると画像がグチャグチャになる…。

何度ロードし直しても状況は変わりません。
そう、友人がしばらく使用していない間にmodel10は故障していたのでした。

かくて、ゲームを遊ぶ事も無くマシンはSHARPに里帰り。

数日後修理を終えたマシンにて、ようやく念願のソフトをプレイする事ができたのでした。

X1turbo model10
雑誌の広告等で有名だったアニメーションするオープニング。
X1turbo model10
内容は基本に忠実なADVです。

「WILL -THE DEATH TRAP Ⅱ-」
残念ながら前作「THE DEATH TRAP」は、X1では発売されませんでしたが、アニメーション処理で話題となったⅡはturbo専用としてリリースされました。
コマンド入力ですが、特に意地悪なシーンは無くスムーズにプレイできます。
標準でローマ字入力できるので、現在プレイしてみても遊びやすいソフトです。

X1turbo model10
当時は高速描画でも有名でした。
X1turbo model10
画像取り込み以外のグラフィックは何とも味のある感じで…。

「アステカ」
続編「太陽の神殿 -ASTEKA Ⅱ-」は無印X1でも動作可能なのに、何故か初代はプレイ出来ませんでした。
雑誌の広告に載っているエッチな画像ばかりが記憶に残って、一体どんな内容なゲームなんだろ?…と、思っていましたが、オーソドックスなアドベンチャーゲームです。

X1turbo model10
巨大な宇宙移民船を舞台に、物語は始まる。
X1turbo model10
「Will」と同じくアニメーション処理でも話題に。

「アルファ」
FM音源じゃないのが残念ですが、PSGでも良い出来です。
いのまたむつみ先生デザインのキャラが可愛い。
宇宙移民船を舞台にしたSFモノです。果たしてクリスの役割とは?

X1turbo model10
400ラインの画像が美しいオープニング。
X1turbo model10
6番目の「オルド」コマンドでも有名。

「蒼き狼と白き牝鹿」
光栄歴史3部作の1つ。
「2」である「蒼き狼と白き牝鹿 -ジンギスカン-」が有名ですが、こちらもユーラシア統一まで出来ます。
専用モニターが必要ですが、400ライン表示で漢字が綺麗。
他国を侵略し、姫を奪い妻とする。漢のロマンは3部作イチですな。

この後、私は大学進学が決まり実家を離れる事となります。

その際、TV代わりにX1ckと専用モニターを持って引っ越ししたのですが、弟はドサクサまぎれにturbo専用モニターと2ドライブのFDDを買って貰っていました。
それについては後ろ髪を引かれる思いでしたが、帰省した際には憧れのturbo環境を心ゆくまで楽しむことが出来ました。

いずれにしても、このマシンのお陰で、私はさらに深い8ビットゲームの世界を体験することとなるのです。

2020年6月8日月曜日

Sharp CZ-8BS1

待たせたな!


VIP
付属ソフト「VIP」。音のクオリティにビックリ!

「何でPC-88SR版の「アルファ」は、こんなに音が良いんだ!?」

ALPHA X1
主人公の女の子が、まばたきしたり笑ったりします。

「何でX1の「信長の野望・全国版」は、BGMが無いんだ」

信長の野望・全国版
シミュレーションゲームにBGMなんて、当時は画期的でした。

電気屋のパソコンコーナーで、友人がいつもこぼしていたセリフです。

彼はスクウェアのADV「アルファ」のオープニングが大好きで、一時はプレイすることもなくオープニングの状態でBGM(X1版はPSGだったが、これはこれで良く出来ていた)に聞き入っていました。(彼だけでは無く、当時のゲームはまだまだ簡素な演出のものが多く、私も凝ったオープニングのゲームはついついリピートして見入っていました)
そんな折も折、行きつけの電気屋でPC-88SR版の「アルファ」のデモを見た我々は、そのパワフルな音に衝撃を受けたのです。

それまで我々のPC-88に対するイメージは、音が無いかヒヨロヒョロしたBeep音しか出せない機種というイメージでした。
SR登場後そこいらへんが改善されたとは聞いていましたが、完全に侮っていました。

このSRのヒットを受け、パソコンゲームはFM音源が標準となり、X1は長らく後塵を拝することとなるのです。

Xanadu  X1
「ザナドゥ」も88SR版は、FM音源対応でしたね。

そんな悶々とした日々を過ごすX1ユーザーに向け、シャープから待ちに待った発表が。

X1シリーズ向けのFM音源ボード(CZ-8BS1)発売の報である。

後発故にスペックは素晴らしく、ヤマハ製YM-2151音源チップを搭載し、ステレオ8重和音(88SRはモノラル3重和音)と、貧弱だったサウンドをいっきにゴージャスな環境へと引き上げてくれるものとなっていました。

無論、前述の友人が発売と同時に購入したことは言うまでもありません。

彼は購入してすぐにボードと付属スピーカーを持って我が家に遊びに来ました。そして、我が家のX1ckにセッティングすると、付属ソフトのデモを見せてくれました。

VIP
X1で演奏が始まった時は、感動しました。

当時は、まだFM音源対応のソフトを誰も持っておらず、これしか音を聞くすべがありませんでしたが、そのクオリティは集まっている皆を驚かせ、かつ、感動させるものでした。

我が家の影響で、集っている友人達は全てX1ユーザーと化していたのですが、このデモを目の当たりにし、それぞれに「FM音源購入」という熱い思いを胸に秘めたのでした。

かくいう私も、このデモと「うっでぃぽこ」ですっかり音の虜になり、発売から遅れること半年、ようやくボードを手にすることが出来ました。

その頃には対応ソフトも多くなっており、他機種よりゴージャスな音を堪能出来るものも多くありました。

FINALZONE X1
ミュージックモードもあり、ずっと聞いていられました。

「ファイナルゾーン・ウルフ」
とにかくオープニングがカッコイイ!
オープニングを見て、適当にプレイ、バッドエンディング(バッドエンドなのに感動的なBGM)のルーティーンが暫くの日課でした。

夢幻戦士 ヴァリス X1
「ウルフチーム」独立前の作品。ミュージックモードも健在!

「夢幻戦士・ヴァリス」
コンシューマーへも移植されヒットを飛ばしたタイトルの1作目。「ファイナルゾーン」と併せて、遊びに来た他機種ユーザーの度肝を抜くマストアイテムとなっていました。

Ster Cruiser X1
素晴らしいアルシスサウンド。宇宙空間のBGMが好きです。

「スタークルーザー」
X68000でも発売されましたが、X1版はまた違った味付けのサウンドになっています。
音だけではなくゲームも秀逸な出来です。

Psy-O-Blade X1
他機種のユーザーも驚く、サウンドのクオリティ。

「サイ・オー・ブレード」
ADVとしても、「スナッチャー」と肩を並べる8bit後期の名作だと思います。
X1版はオープニングから鳥肌もののサウンド。いっきにゲームの世界へと引き込まれました。

Sorcerian X1
今プレイしても感動的なサウンド。「X1版はデキがいい」です。

「ソーサリアン」
「YsⅡ」と同時に購入。正直、こちらの方は期待していなかったのですが、いざプレイしてみると、完成度の高さにハマりにハマりました。
X1のサウンドここに極まれり!
X1版の発売後、追加シナリオのサントラもX1版がベースになる程のハイクオリティー。
実は最近でも思い出した様に遊んでいます。

結局、自分には音感は全く無かったので、作曲等は出来ませんでしたが、ゲームだけではなく、ベーマガやOh!X誌などでMMLが発表されて以降は、投稿サウンドの打ち込みも良くやっていました。

最後まで楽しませていただいた素晴らしいハードウェアです。

PS.付属のスピーカーは本当にオマケ程度の音しか出ません。当時それでしか聞いたことがない方がおられたら、是非ちゃんとした外部スピーカーに繋いで聴いてもらいたいです。(現在では環境的に厳しいでしょうが…)