2014年6月6日金曜日

グラディウス

MSXを語るのに欠かせない一本


グラディウス MSX
容量にものを言わせ、オープニングCGまで
あります。

MSXのタイトルもだいぶ増えて、そのラインナップも充実してきた頃、発売されるソフトの傾向から、マシンの限界も感じられるようになって来ていた。

自分自身、(このタイトルは出そうだが、流石にこちらは無理だろう・・・みたいな)マシンを使ってきた者だからこそわかる半ば達観した境地にすらなっていた。

特に、当時、急速にシェアを伸ばし始めたファミコンとのラインナップの差は歴然で、例え、同じタイトルの作品が発売されたとしても、クオリティの差に愕然となる事が多かった。

世間では上位機であるMSX2の声も聞こえはじめ、我が愛機もいよいよ消えゆく運命なのか・・・と、思っていた矢先、信じられないビックタイトルの広告が雑誌に掲載された。

コナミの「グラディウス」である。

グラディウス MSX
デカいビックコアに長いレーザー。
FCユーザーのド肝を抜いた?

ファミコン版が先行して発売されていた当ソフト。
友人達の間でも概ね好評を博していたが、一部、ディープなファンからは、「レーザーが細切れ」「ビックコアが小さい・・・」等、惜しい部分もあるとの話を聞いていた。

ファミコンでも再現に無理があるようなソフトがMSXに・・・。
他のパソコンでも多くみられる、高スペックアーケードゲームの無理矢理移植の悲劇の再来となるのでは?
自分にとって信頼のブランドであるコナミだったが、一抹の不安は拭えなかった。


グラディウス MSX
ファミコンではカットされていたシーン
も再現!

そんなこんなで、無事に発売日を迎え、我が手元にやって来たグラディウス。
パッケージには、他のタイトルにには見られなかった、「1MbitRom」の表記が!
期待は否応なしにMAXである。

MSXのスイッチを入れると、いつものコナミロゴ&ゲームタイトルの後に、格好いいオープニングCGが!
グラフィック機能にクセがあるMSXで、信じられない美麗なCG。コナミの並々ならぬ熱の入れ方が伝わる瞬間だ。

そして、ドキドキのファーストプレイ。
始めてすぐに、これまでの心配は杞憂・・・、いや・・・、そんな事を考えていた事すら恥ずかしい行為であったことを悟る。


グラディウス MSX
オリジナルステージも入って、
充実しています。

ゲーム内容は、今更語らなくても皆様良くご存じのものだが、ゲームの完成度は当時の他のMSXゲームの追随を許さないもので、プレイアビリティは非常に高かった。

静止画でみると、一部の敵キャラは単色で少し寂しいが、いざプレイしてみるとそんな感じは全くしない。

各ステージも変化に富んでおり、かつ、これまた非常に良い出来のBGMが否応なしにプレイを盛り上げる。
更に、4面のアイアンメイデン等、ファミコン版でカットされていたシーンが再現されている点も、ファンには嬉しい所だった。

とにかく1プレイ1プレイが楽しく、自然にやり込んでいった結果、最終的には、ヘボい私がノーミスで一週クリア出来る程となっていた。


グラディウス MSX
7面のボス。消えてゆくグラフィックも
再現!


丁度、メガロムが安価に供給出来るようになったという事もあるだろうが、このソフトの発売こそがMSX1という機種のターニングポイントになった事は間違いないだろう。

低スペック故、割り切った移植が多い中で、「無理なのは分かるが、どうせやるなら本物を食うぐらいの移植をしてやろう!」的な、スタッフの気概がひしひしと伝わる1本は、これ以後のコナミソフトに見事に引き継がれ、2登場後もMSX1が延命する原動力となった。

また、それに呼応するかのごとく、他のメーカーも限界を超えたゲームを連発するようになったのは、このソフトの影響があったと言っても過言ではないだろう。

グラディウス MSX
2スロットに「ツインビー」を挿入すると、
自機が!パロディウスの原型です。
グラディウス MSX
ゲーム中ある場所へ自機を持って行くと、
「エクストラステージ」に!

とにかく盛りだくさんなこの1本。

PSアーカイブスの「コナミアンティークスMSXコレクションVol1」で、現在もプレイ可能なので、未体験の方は是非!