ユーザーの「要望」全部入れてみました
費やすこと、約半月!とうとう最後までプレイしちゃいました。
いやー、やはり光栄さんのゲームは面白いですねぇ~。
一度始めると最後までプレイしてしまう、「引力」とでも言うんでしょうか、ついついプレイしてしまい、気付けば時計の針は12時を回り、次の日の「学業」や「仕事」にも影響が・・・。
なーんてことはザラでしたねー。
こちら、「三國志Ⅱ」ですが、「前作(初代・三國志(turbo版))」に、皆がマンネリ感を覚えてきたときに丁度リリースされたのです。
最初に購入したのは、X1turbo版でした。
 |
8bit版では、新君主に配下武将は付きません。残念!
|
こちらのゲームにおいても我が家で、遊びに来た友人達に多くの「中毒者」を出すこととなりました。
主な変更点
さて、今回の三國志Ⅱですが、前作の雰囲気は残しつつ、多くのユーザーからの意見のフィードバックに成功した作品であると思います。
例えば、三國志の華とも言える「武将」。
それを、相手より自分の陣営へと迎え入れる「登用(引抜き)」についてです。
 |
三國志turbo版より。 知力100の孔明が言うと必ず引き抜けられます。 |
前作では軍師が「きっと我々のために~。」と言うまで、何度もリトライ出来たのですが、今作では、コマンドをキャンセルしても行動が終了した事になってしまいます。
また、「諸葛亮孔明」など、知力が100となっている武将の発言は嘘が無いのですが、それは単純に相手に対してだけの話で、自国の在野の武将でもない限り、「空白地」や「他国」の上を、「実行武将」が馬でパカパカと走ってゆくこととなります。
武将によっては、「なんと!そんな危険な国の上をっ・・・。」的なルートを通って行く者もいて、当然、捕まったり、阻止されたりする場合もあります。
なかなかOKが貰えなかった武将の気持ちがこちらへようやく向いたのに、他国の介入で阻止されてしまうのか、否か?
非常にやきもきして、面白いシステムですね。
上記のようなシステムに起因しているのか、今作では毎回その国の現役武将の頭数だけ、コマンドが実行出来るようになっています。(前作は1国につき毎月1回)。
これにより、凡庸な武将達にも存在意義が出て来ます。
戦闘システム
また、前作では知力が高い武将による「計略」「火計」のコンボが、極悪でした。
どんな猛将達でも、「計略」で動きを封じられ、「火計」を喰らうと1ターンで「焼死」か「退却」の憂き目に遇うからです。
 |
三國志turbo版より、「計略」。 敵の行動力を減らせます。 |
 |
おなじく、三國志turbo版より、「火計」。 超強力な技。Ⅰターン経過で全てを灰に! |
|
|
今作は、防御側になると、割とコンピュータ側も火計を使って来ますが1ターンで「焼死」する事は無くなりました。
また、前作では、どちらかが死ぬ(武力に差があまりない場合であれば捕える場合もある)まで止められず、使いづらかった「突撃」も、使い易くなっています。
戦に関しては、今後のシリーズに受け継がれた「一騎打ち」システムの初出も今作からとなります。
相手もしくは、こちらの猛将よりの呼びかけに対して受けた武将同士に起こるイベントですが、相手に勝利すると敵を猛将+兵士の1ユニット、もしくは、受けない場合は敵兵士の一部が逃走してしまうという、攻め手に不利なこのゲームに於いて、勝利のために重要なファクターとなっています。
今回、レヴューを書くにあたり、選択した「新君主」という概念が導入されたのもこのⅡからです。
今回設定したキャラクターも、学生当時使用していたキャラクターを再現してみました。
総評
こうしてみると、前作をプレイしていて、違和感があった部分、ここは改善してくれれば・・・と、思った部分が、全てに於いて改善もしくはブラッシュアップされ、真に「Ⅱ」を名乗るに相応しいゲームとなっているのが良く分かります。
通常、ここまでの意見を反映させると収拾が付かなくなり、バランス崩壊してしまいそうなものだが、そこは「光栄」さんの看板タイトル。神がかったバランス調整で、素晴らしいデザインとなっております。
続き・・・。
こちらも、曹操にはなかなか手を出すことが出来ず、武将を何人か引き抜くにとどめて、これまで通り南方の空白地の開発・発展に務めていた。
正直、曹操自体は何とか出来る国力であったが、ギリギリで勝てる程度であれば、攻め手に不利なこの地においては、後に控える「袁紹」・「董卓」に一揉みに倒される事は目に見えている。
事態が動いたのはその数ヶ月後。
国境を大量の兵が越えてきたのだ。
旗印には「曹」の文字。
「曹操か・・・」
誰に焚き付けられたかは知らないが・・・。
火急の知らせに色めき立つ諸将たち。
「うむ。だが、どうせいずれは雌雄を決せねばならない相手ですぜ」
と、スサノオ。こういう時は本当に頼りになる。
彼は腹心の中より武将5名を厳選し、ギリギリの寡兵で出発する。
手始めに国境の砦を落とした「曹操軍」はいつになく浮かれていた。
滞在した近所の村邑には、東方の島より踊り子の一団がやって来ているという。
彼らは「濁り酒」という、米を発酵させて作った酒を振る舞って、我らの勝利を祝ってくれた。
「ウズメ」(注1)と名乗ったリーダーの女が、我々の前で妖艶な舞を舞った。
「酒も・・・、旨い・・・。」
少し甘すぎる感はある・・・が、この程度では酔えんな。
そう思い、厠へ立とうとした曹操。
思いのほか足が上手く運ばない。
「酔いましたか?・・・「サケ」は飲み口が良いから・・・、意外と酔うんですよ。」
ウズメと一緒に踊っていた女が、駆け寄ってそう言った。
「ふふっ、しかし、やはり人間。」
「「オロチ」(注2)よりはチョロいか。」
「キサマ!!男かっ?」
「曹操っ!そのクビ貰ったァ!」
急速に光を失ってゆく曹操の目に最後に写ったのは、自分と同様に宴席で泥酔しながら死んでいく部下の姿だった。
「きゃるーん♥「貂蝉」でーす。」
「卑弥呼様よろしくねーっ。」
 |
女性君主でもあるのですね。 |
「くっ・・・何度言えば分かる。私は「女」だ!」
「あっれー凱旋の時にお馬さんに乗っていたおじさんはぁ~?ぷ~!」
「あれは義兄の「スサノオ」だ・・・。卑弥呼はわ・た・し!」
「ふん、おバカなフリをして・・・。」
着物の袖口を探る。
「あ、何を!」
袖から出てきたのは刀身の短い刀。
「こんなもので人は殺せまい。」
「・・・自分用か?」
「・・・。」
「気に入らんのお。女を何じゃと思っておる!」
「貂蝉とやら。」
「は、はい?」
「ワシに仕えよ。」
「!・・・はい。」
「今後は「イヨ」と名乗るが良い。」
「卑」と記された旗が城を埋め尽くす。
中心の城には、私とスサノオ。
「とりあえずこの辺りは、平定しましたな。」
「で、地は尽きたのか?」
「いえ、ですが商人の話によると、大陸は更に続くそうで・・・。」
「決まりね。」
「はっ!」
「世界は広大だわ。」
※この物語は「Ⅱ」の、新君主システムを使用したフィクションです!このブログで歴史を覚えようなんて酔狂な人は居ないと思いますが、名称・年代等もちょっと捻った表記をしております。別に他意はありませんので、あしからずご容赦下さい。
注:1 アメノウズメ:かつて「スサノオ」が手の付けられない乱暴者だった時。
岩戸に閉じこもってしまった「アマテラス」様を、踊りで魅了し、扉を開けさせた人。芸能の神様とも云われる。
注:2 八岐大蛇(ヤマタノオロチ):8つの頭と8つの尻尾を持つ蛇の怪物。かつて、生け贄にされる予定だった少女、クシナダヒメに代わり、スサノオが退治した。その際も酒を飲ませ、泥酔した所で倒したとされる。ちなみにクシナダヒメはノオの嫁さんとなった。