余の辞書は「IF」だらけ
戦国武将
・・・の中で、いや、日本の歴史上の人物の中で1番の人気を誇る人は誰だろう?
無論、答えはダントツで「信長公」である。
かくいう私も、No.1と問われれば、そちらを推していただろう。
「うつけ」とも揶揄された型破りな性格。
西洋文化など、新しいものをいち早く取り入れるセンス。
楽市楽座等の先進的な政治力。
多くの人間に恨まれ、そして愛された漢。
その全ても、信長の愛した謡曲「敦盛」の如く、最後は、「天下統一」を目前にして、部下の謀反というミステリアスな幕切れで、人生を終えた(※)・・・と、されている。
※結局、明智側は、寺が燃え尽きた為遺体は出ず、信長の「首級」も上げる事が出来なかったそうである。
そういった、日本人の心に今も、「謎」と、「IF」を投げかけ続ける規格外の漢。
それが「信長公」であります。
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見れば、丁度50歳くらいでお亡くなりになっている。 潔過ぎですぜ、ダンナ・・・。
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そして、その「信長公」人気に1役も2役も買ったのが、他ならぬ「光栄」(現コーエーテクモホールディングス)のゲーム「信長の野望」シリーズなのでした。
それぞれの掘り下げは後の機会に任せるとして、今回は最後の非Windows版(と、いっても、最初のWindows(3.1)版でもありますが・・・。)であるPC-98版「天翔記」迄の系譜を(ムラはありますが・・・)語っていきたいと思います。
信長の野望(X1版)
記念すべき第1作であり、シミュレーションゲームの奥深さ、及び面白さを我々に教えてくれた傑作です。
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武将の能力は、完全にランダム? 人によっては、へっぽこな信長さんになったり・・・。
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こちらは「Ryo君」がハマって、我が家で良くプレイしており、最終的にはレベル5でもヌルい!と言い出した為、急遽(Basic上で動いていたため)ウチの弟の「トンキー」(実は某大手ゲームメーカーの現役プログラマー)がパラメータ等をイジって、難易度を上げた「インフェルノバージョン」(爆)を、作っていた。
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| マップは、この一画面のみです。 |
ゲームは日本中央の「17国」のみ。(注:1)
「配下武将」こそ居ないものの、規模を大きくした「全・国・版」の要素をほぼ搭載しており、しかもオンメモリという(弟曰くX1のメモリをほぼ使い切っており、ちょっと何か加えようとすると、メモリーオーバーを起こして困ったとの事)簡潔なプログラム。
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戦のシーン。シンプルですが、情報は下記 「全・国・版」と変らないような・・。 |
注1:「全・国・版」でも、17国モードが選べます。また、ポケモンの世界を舞台にした、「ポケモン・ノブナガの野望」というゲームでは初代にならって17国となっている。
信長の野望 「全・国・版」(X1版)
「満を持して」というか「待ちに待った」というか、遂に来ましたよ「全・国・版」!
三國志で培った技術でよりメジャーな存在へ。
ちょっとした「アニメーション処理」・「BGMの採用(X1版はFM音源が無かったので、オープニング曲のみPSGで演奏)」・「かな漢字まじりのメッセージ」謎の「方言モード」(爆) 等、新要素を加えて、颯爽登場!
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やはり、最初が肝心です。特に不健康なキャラは 病気ばかりでお話になりません。あと、 後継者が居ないので「若さ」は重要なファクター となります。
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前作もそうでしたが、この頃の信長は、後継者が居ない(配下武将が居ない)のです。
1ターン1コマンド。1ターンは月では無く四季毎です。
・・・つまり、のんびりプレイしてたらあっという間に四季ならぬ「死期」を迎えてしまいます。
我々の間では、四国地方の十河氏(とにかく若い!)とかが人気でしたねぇー。
けど、このシステムは、ここまで、次回からは各陣営に武将が登場するようになり、ターンも月毎になります。
一度の失敗が致命的なこのシステムも、緊張感があって面白かったんですけどねぇ~。
ある種ボードゲーム的な感覚があって・・・。
「将棋」や「囲碁」のように、「全・国・版」の名人戦が行われたら絶対観ますけどねえ・・・。
2時間で何処まで制圧出来るか・・・。とか、各プレイにそれぞれ得点を付ける評価システムを採用して、最終的に1位のプレイヤーが勝ち抜くとか・・・?コーエーさん、如何でしょう?
信長の野望 戦国群雄伝(X1版)
ほぼ同時に同社より「水滸伝・天命の誓い」というシミュレーションが発売されるとのことで「群雄~」は私が、「水滸伝」は、友人の「ハルノブ」君が、気前良く買ってくれました。
まあ、彼にしても家にturboZはあるんだけど、多人数で遊ぶのはいつも我が家だったので、メリットが無い訳では無かったんでしょうが。
宋国の逆賊「高俅」(董卓みたいな感じか?)1名を倒せば終了という、変ったゲームシステム。
108星の悪漢達と共に、梁山泊へ集え!
「妖術」を使った戦闘システム等、隠れた名作であります。
おっと、閑話休題。
ここから、この「信長の野望」は、新しい段階に入ったと言って良いでしょう。
X1はFM音源に対応となりましたし、大名にはそれぞれ部下として戦国武将が付き、各陣営はとても賑やかになりました。ようやく1ターンも月毎となり、1ターンに出来る事も配下の武将により変動するようになりました。ゲームも「群雄割拠」そして、「信長の野望」(信長包囲網くらいか・・・?)の2シナリオが用意されています。
このゲームによって、プレイヤーもようやく「信長」をシミュレート出来る様になったのではないでしょうか。
シンプルだった戦のシーンも「野戦」・「攻城戦」の2マップを戦わねばならなくなりました。(但し、戦力差が有る場合には、いきなり籠城となる場合がある)
部隊には「兵科特性」があり、馬を用意出来れば「騎馬隊」・鉄砲を用意出来れば「鉄砲隊」・そうで無ければ「足軽」となります。最弱に思える足軽ですが、攻城戦では(時間は必要ですが)「堀」や「塀」をショートカット出来たりします。
また、野戦では昼と夜の区別があり、伏兵などに気を付ける必要があります。
今宵はここまで
~に、いたしとうございます。
・・って、分かる人はかなりのマニアですね。
そうです。この信長シリーズ及び「シブサワ・コウ」氏プロデュースの商品って、真に「機を見るに敏」というか、古い物を頑固に作り続けているようでも、その時の評価とか、最新の歴史観、ドラマ等の影響を絶妙な匙加減で入れているんですよね。
例えば某国営放送の大河にて「武田信玄」を放送していた際に発売となっている当ゲームは、「武田」陣営がかなり強力に設定されております。
このセンスこそ、シリーズが今も色褪せず続く原動力となっていると、私は思います。
ただ、惜しむらくは、X1シリーズに於ける信長シリーズは、ここで発売終了となります。
時代は、16ビット、更には32ビットへと大きく変貌して行くのでした。
でも、それにつきましてはまた次の機会に・・・。
次回をお楽しみに!